民主 候補一本化は困難
小沢代表代行が認識
民主党の小沢一郎代表代行は11日、静岡県知事選で民主党県連が前静岡文化芸術大学長の擁立を決め、同党を離党した元参院議員も出馬表明していることに関し、一本化は難しいとの認識を示した。
小沢氏は「何とか一本化したいと努力してきたが、両者とも高いレベルに立っての判断をしてくれない。現時点では両陣営それぞれでやってもらう」と表明。同時に「一本化すれば必ず勝てる。これからも機会があれば申し上げたい」と調整を続ける意向を強調した。
党本部として推薦候補を決定するかどうかは「分からない。どっちに(推薦を)出しても勝たなければしょうがない」と述べるにとどめた。高知県仁淀川町で記者団に答えた。
鳩山由紀夫代表も記者団に「本人たちは出馬の意欲満々で一本化調整は難しい。県連と相談し、党本部が最終的に結論を出す」と述べた。
(静新平成21年6月12日(金)朝刊)
民主、世論調査を中止
知事選で、民主党県連が党本部に上申している前静岡文化芸術大学長川勝平太氏(60)の推薦について、同党は11日、推薦決定の参考とするため今週末にも実施する予定だった世論調査の中止を決めた。小沢一郎代表代行が目指していた、川勝氏と同党を離党した元参院議員海野徹氏(60)との間での候補者一本化が、事実上、不調に終わったことが影響したとみられる。
坂本氏への支援要請自民県連
自民党県連会長の斉藤斗志二衆院議員(東海比例)は11日に党本部で開かれた東海ブロック両院議員会で、知事選(18日告示、7月5日投票)について、党推薦の坂本由紀子参院議員(60)=静岡選挙区=への支援を要請した。
席上、県連副会長の上川陽子衆院議員(静岡1区)が党推薦決定を受けて「党全体として大きな力をいただいている。(陣営が)一つになりつつある状況で、(知事選の勝利を)次の衆院選につなげていきたい」と述べた。
会合には本県以外に愛知、三重、岐阜の衆参両院議員が出席した。他県議員からは、大阪府知事選などを例に「自民党は裏方に徹し、県民から広く支援を受けるべきだ」との意見が出た。これを受けて斉藤氏は「(静岡県の)外からも声をかけてほしい」と求めた。
(静新平成21年6月12日(金)朝刊)
県商工政治連盟も推薦
県商工政治連盟(加藤寛治会長)は11日、知事選に立候補予定の坂本由紀子氏の推薦を決めた。
静岡市内で同日開かれた支部長会議で、商工会活動と中小企業振興、地域活性化への取り組みから最適候補者として全会一致した。加藤会長が坂本氏に推薦状を手渡した。
(静新平成21年6月12日(金)朝刊)
4陣営での戦い固まる
「構図づくり」綱引き
坂本氏 "県民党"を前面
川勝氏 自民と全面対決
海野氏「脱政党」鮮明に
平野氏 党勢拡大を狙う
知事選(18日告示、7月5日投票)は11日、出馬を検討していた元関東農政局職員の男性(63)=菊川市=が出馬を断念し、自民党の坂本由紀子参院議員(60)、前静岡文化芸術大学長の川勝平太氏(60)、海野徹元参院議員(60)、共産の平野定義氏(59)の新人4氏による選挙戦が固まった。坂本氏陣営は「県民党」を掲げ、民主党県連が支援する川勝氏陣営は総選挙の前哨戦として自民党と全面対決の姿勢。一方、海野氏陣営は「政党対個人」を対立軸に据える。各陣営は自陣に有利な"選挙戦の構図"づくりに知恵を絞
っている。
坂本氏陣営は、今週末に女性団体と連携した県内横断のイベントを企画。県民党を掲げた狙いについて坂本氏は「知事選を政局絡みでやるのは非常によくないこと」と強調、民主との対決一辺倒の構図を懸念した。
坂本氏の選対組織を支える自民県連は、告示に向けて必死に動いている。11日は党本部から古賀誠選対委員長が来静。静岡市で友好団体の総決起大会に参加した後、自民県議団と懇談し「総選挙の前哨戦という思いで頑張ってほしい。党も責任を持って応援する」とげきを飛ばしたという。古賀氏は、浜松市の坂本氏の西部事務所にも足を運んだ。
知事選の勝利で総選挙に弾みを付けたい川勝氏陣営。「川勝氏が当選すれば、この国の形を変える政権交代に近づく」(民主党県連幹部)とし、知事選を民主、自民対決の構図に持ち込み、政権交代のうねりを起こそうと躍起だ。
県西部の拠点となる事務所は衆院選の民主新人が浜松市北区に置く事務所内に開設し、知事選と衆院選の相乗効果を狙う。選対西部ブロック責任者を務める藤田寛県議(平成21)は「県政をゼロベースで改革するには、民間人で経済通の川勝氏がふさわしい。衆院選で県内、さらに全国で躍進するためにも、知事選は絶対に負けられない」と力を込める。
民主の小沢一郎代表代行が求めた川勝氏との候補者一本化を拒否した海野氏の陣営は、「こちらの『純粋無所属』の姿勢は初志貫徹している」と説明、運動を一層活発化させる。自民、民主、共産が候補者を立てたことに対決姿勢を鮮明にし、「政党対個人の戦い」と訴えている。
地域のミニ集会出席や中小企業を小まめに回る草の根戦略で、無党派層を中心に支持の拡大を図る。さらに知事選を「東・中・西の対決」とも位置付け、「静岡市から初の知事誕生を」と訴える。後援会幹部は「組織力はまねできないが、その分、運動のテンポを上げていくだけ」と鼻息が荒い。
共産は、知事選を「総選挙の前哨戦」として、党勢拡大と政策浸透を狙う。静岡、浜松、沼津を中心に「1日10カ所以上の街頭演説」(陣営幹部)を行い、候補擁立の遅れを取り戻す。県内全世帯を目標に法定ビラ約80万枚を配布する。
(静新平成21年6月12日(金)朝刊)
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