幸福実現党が候補擁立 次期衆院選(静岡県関係)
宗教法人「幸福の科学」を支持母体とする政治団体「幸福実現党」は12日、県庁で記者会見し、次期衆院選で小選挙区静岡1~8区と比例代表東海ブロックに計9人を公認候補として擁立すると発表した。
静岡1区は幸福の科学静岡支部長の中野雄太氏(35)、2区は同静岡西支部長の浜口亘弘氏(41)、3区は同職員の江頭俊満氏(46)、4区は同静岡清水支部長の神沢一正氏(47)、5区は同富士支部長の堀慎太郎氏(34)、6区は同沼津支部長の加藤恵三氏(54)、7区は同中部正心館チーフの竹内隆文氏(51)、8区は同浜松支部長の小西高靖氏(54)、比例東海は同静岡本部長の椿原慎一氏(47)。
椿原氏は「消費税と相続税を全廃し、北朝鮮のミサイルから日本を守り憲法9条を改正する」と語った。
(静新平成21年6月13日(土)朝刊)
「幸福の科学」衆議院選へ政党立ち上げ
警戒、懸念、静観…
宗教と政治論議再燃か
宗教団体「幸福の科学」が次期衆院選に向け、立ち上げた「幸福実現党」が関係者の注目を集めている。主要政党は「国政に影響はない」との見方で一致しているが、正面から宗教を掲げた戦いに政治とのかかわり方をめぐる論議が再燃しそうだ。既存の宗教団体に受け止め方を聞いた。
「うちの脱会者がいるからうちをまねている部分がある。公明党が出馬する小選挙区を中心に『宗教戦争』と位置づけられないよう気を付けないといけない」。公明党の支持母体である創価学会関係者は、幸福の科学に元創価学会員がいることを指摘した上で、こう語る。創価学会広報部は「特にコメントすることはない」と冷静な対応だが、幸福実現党の動きをきっかけに「宗教と政治」の問題が蒸し返されることに警戒感はあるようだ。
政党にとらわれず衆参両院の国会議員を支援する立正佼成会関係者は「実態を把握できていない」とする一方、「実際、本当に立候補してくるかどうかも分からない」と幸福の科学の宣伝の一環の可能性を指摘した。
真如苑広報課は「宗旨を良く存じ上げないので、お答えする立場にない」と回答。仏所護念会総務部も「コメントはありません」。かつて積極的に支援活動を行った生長の家広報部は「現在、政治活動を一切行っておりませんので、コメントは差し控えさせていただく」とするにとどめた。
当の幸福実現党。広報局は共同通信に対するコメントで、政教分離について「宗教団体が政治活動をすることを排除している趣旨ではない」と強調。「幸福実現党は、日本初の本格的宗教政党」とする一方、「開かれた国民政党なので特定の宗教の排斥や擁護をするつもりはない」とした。
立正佼成会、PL教団など、幕末から明治以降に成立した新宗教教団で構成する新日本宗教団体連合会(新宗連)によると、5月末、幸福の科学側から、「幸福実現党は幸福の科学だけでなく、各宗教団体との連携を目指している」との説明があり、「まずは宗教対話に乗っていただきたい」と回答したという。
宗教と社会のかかわりに詳しい弓山達也大正大教授は「幸福の科学は以前から社会問題に対して発言してきた。政界進出はその当然の帰結だろう。宗教が社会に働きかけることは、社会貢献とも言えるが、受け止める社会は拒絶感が強い。宗教と社会との成熟した関係を問うていくことが望まれる」としている。
(静新平成21年6月8日夕刊)
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