2009年9月8日火曜日

 参院静岡補選

 参院静岡補選
 候補者選定悩む民・自
 民主「つぶし合い回避を」
 自民「体制立て直し先決」
 来夏の本選視野に
 参院前職の知事選出馬に伴って行われる参院補欠選挙(10月25日投票)をめぐり、民主、自民両党の県内関係者が候補者選定に頭を悩ませている。告示まで1カ月と準備期間が短く、それぞれに"お家事情"を抱えているためだ。天下分け目の衆院選が幕を閉じ、世間の関心は鳩山新政権の人事に移ったが、県内での民主党と自民党の対決は続く。
「次も必ず勝たなければ。負ければいきなり『鳩山政権に暗雲』と言われる」。県選出の民主党衆院議員の一人は、衆院選圧勝にも気を緩めず先を見据える。次期参院補選は新政権誕生後に行われる初の国政選挙で、全国的な注目を集めることは必至。政権運営を軌道に乗せるためにも補選勝利は至上命令というわけだ。
 一方で、来年の参院選をにらんだ候補者選定の必要にも迫られている。補選を制すれば来年改選を迎える現職が2人となり、静岡選挙区の2議席をめぐってつぶし合いになりかねないとの懸念があるからだ。ある県連関係者は「基本線は本選で比例区に回ってもらえる候補。それには知名度が欠かせないが、今からお願いできる人がいるかどうか…」とこぼす。
 今回争うのは自民党が持っていた議席。民主党は参院で過半数を握っていないため、「どうしても取りたい」(同党中堅議員)。別の衆院議員は「県民に党内事情は関係ない。とにかく勝てる候補を出すだけ」と強調する。
 対する自民党は、衆院選惨敗の影響が色濃く残る。当初は、県選出国会議員が7月に開いた会合で、9月上旬までに候補者を決定する方針を確認していた。しかし、衆院選の結果、9人いた衆参国会議員が2人に激減。県連会長も辞任して空席となり、「補選の対応よりも県連の体制立て直しが先決」(県連幹部)という状況に追い込まれた。さらに、麻生太郎総裁も敗戦の責任を取り辞任の意向を表明。総裁選は28日投開票となり、参院補選の指揮を執る新執行部の発足は9月末までずれ込む見込み。県選出議員の一人は「党本部がガタガタでは、相談するのにも困る」と苦しい胸の内を明かす。
 県連は、補選の候補者を来年の本選にも出馬させることを視野に擁立作業を進める見通し。県内で民主党との一騎打ちになれば、現状では苦戦を強いられる可能性は高い。しかし、ある県連幹部は「とにかく不戦敗は絶対あり得ない。来年につながる選挙にしなければ」と危機感を募らせる。
(静新平成21年9月8日(火)朝刊)

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