「淡島」詐欺破産を否認
地裁沼津支部初公判 会社役員「事実無根」
沼津市の淡島ホテルの旧運営会社「淡島ホテル(現AWH)」の破産手続きを巡り、AWHの財産をグループ会社に譲渡したように装ったなどとして、破産法違反(詐欺破産)の罪に問われたAWH親会社の役員竹原虎太郎被告(52)=東京都港区=の初公判が20日、静岡地裁沼津支部(菱田泰信裁判官)で開かれた。竹原被告は「公訴事実をすべて否認します」と起訴内容を否認し、弁護側は無罪を主張した。
竹原被告は罪状認否で、「契約書を作成したことは事実」とした上で「譲渡仮装は事実無根」と主張。新会社が同ホテルを運営することに対し、「そのようなことでは淡島ホテルの経営はいずれ行き詰まる。私どもグループの手で再建を担いたい」と述べた。
冒頭陳述で検察側は、借地権の解約について、「ホテル建物の敷地利用権を喪失させることで換価を困難にし破産手続きを妨害しようと考えた」と説明した。各犯行は、共犯者で同じ親会社の役員生山敬大被告(48)=同罪で公判中=に指示したと指摘した。ホテルの事業譲渡を巡っては「竹原被告が仮装を提案し、生山被告と契約書を作成し改訂を重ねた」などと述べた。
起訴状などによると、竹原被告は生山被告と共謀し2019年10月、AWHが地権者から借り受けていた借地権を解約し、財産を債権者の不利益になるよう処分したとされる。同月~11月には、ホテル建物や財産を親会社などに譲渡したとする内容の契約書を作成し、同地裁支部に提出してAWHの財産譲渡を装ったとされる。
AWHは、同12月に同地裁支部が破産手続き開始を決定した。
【静新令和3年12月21日(火)朝刊】
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