2009年10月28日水曜日

参院静岡補選 市区別投票率と得票(静新10月26日)




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参院補選で勝利した民主党 来年へ難しい課題残す

 参院補選で勝利した民主党 来年へ難しい課題残す
 参院静岡選挙区補欠選挙は、民主党公認の土田博和氏(59)が初当選を果たした。同党としては衆院選での勢いそのままに、県知事選挙の結果も含めれば、三選連続の勝利。しかし、今回補選の結果は、悩ましく、難しい問題を同党に突きつけることになった。
 民主党と自民党が一対一で争って、現状では自民党に分はないのは、衆院選静岡選挙区の結果が如実に物語る。県内小選挙区八つの区があるうち、無所属候補が当選した一つの区を除く全てで民主党が当選し、自民党は一つの区で比例復活した現職が一人だけという惨敗。今回補選も、この流れの延長上にあり、鳩山新政権の高い支持率も背景に、優勢のままの選挙運動を続けた。
 こうした有権者の期待や、追い風が吹いたままの状況など民主党にとつての有利な条件だけでなく、一方の自民党にとっては内部に大きな問題を抱えたまま向かわなければならない選挙だった。県知事選や県空港部廃止問題での造反や分裂、衆院選では県連会長の落選もあり、新会長のもと、組織が改まって初めて臨んだ国政選挙。候補者選定から擁立も時間があるとは言えない中で、党の中央と同様、態勢としては極めて厳しい環境にあった。
 加えて、これまで自民党を支援・支持してきた団体、組織の自民党離れ。推薦を受けることもできず、自由投票を決めた各団体からは組織だった応援もかなわなかった。
 しかし、そうした状況にもかかわらず、自民党公認の岩井茂樹氏(41)が四十万票余りを得たことは、来年に改選期を迎える参院本選で自民が議席を奪還するための手応えとしては十分だったと見ることもできる。
 今回補選の投票率は、沼津では三〇・五三%、県内平均でも三五・六四%という低さだったので、ここから直ちに今後を占うには早計だが、それでも敢えて見るなら、追い風の土田氏の得票五十六万七千票に対して、岩井氏の四十万四千票は今後へ向け、逆風の中にあっては善戦ではなかったか。
 岩井氏は、四年前の衆院選で小選挙区静岡六区の候補予定者として一旦は県連が名前を挙げている。党中央の方針で実現はしなかったため、実際に選挙を行うのは今回が初めて。
 これに対して土田氏は、二年前の参院選で無所属で立候補しており、今回が二度目の立候補だったものの、前回選では組織はなく、出馬表明も告示直前、独自の活動とならざるをえなかっただけに、今回が実質的な選挙とも言える。全県的な知名度では両者共に決して高いとは言えなかった。
 選挙結果は、勢いと組織の問題で明暗を分けたが、民主党にとって悩ましく、難しい問題は、来年の本選が現職二人の当選を目指すものになるということ。
 ここで当選した土田氏は、辞職した自民党参院議員の残任期となるため、来年の本選で改選期を迎える。民主党は党中央で、来年の参院選挙区選挙では複数選挙区(静岡県は定数二)に複数候補を立てたい意向を見せ、そうなれば、静岡選挙区では現職の藤本祐司議員と土田氏の擁立ということになるだろう。
 これに対して自民党も議席奪還を目指して候補者を立ててくれば、両党の激しい争いとなることは避けられない。その場合、今回の結果から考えて、土田氏の得票を、そのまま民主党の得票とすれば民主党の議席独占は極めて難しいということ。仮に今回の得票差がダブル、トリプルなどの大差だったなら、また違った見方ができた。
 本選では藤本氏の個人的な得票や支援団体・組織にも今回とは違う動きが出てくるだろうし、自民党も岩井氏を再び担ぐのか、白紙の状態から候補者を立てるのか、相手候補によっても変わってくる。
 さらに、政府・与党の動きや政策なども有権者の意識に大きく反映されることを考えれば、今の鳩山政権高支持率の状況が、どう変化していくのか。来年七月まで予断は許さず、議席を守る民主党にとっても、奪い取りにいく自民党にとっても、これからが正念場。
(沼朝平成21年10月28日(水)号)

検証:参院静岡補選 上:下

検証:参院静岡補選 上
「与野党逆転の攻防」
 民主 "連戦連勝"に高揚感
 「来夏2議席」慎重論も
 鳩山政権への評価が争点となった参院静岡選挙区補選は、民主党新人の土田博和氏(59)が初当選を果たし、民主党は知事選、衆院選と合わせ、3戦3勝を果たした。政権交代で逆転した与野党の攻防がどう変わったのか、探った。
 ◇
 選挙戦最終日の24日夜、土田氏はJR静岡駅南口の街頭演説で17日間の運動を締めくくった。土田氏や選対本部長の細野豪志衆院議員らが選挙力ーの車上で演説する間、県選出の党所属国会議員9人がずらりと前に並び、政権交代を果たした党の勢いを誇示した。
 世論調査で優勢が伝えられ、陣営には投票日を前に早くも戦勝ムードが漂った。ある党県連幹部は「自民党は誰が選挙をやっているのか見えなかった」と話す。公募で若い岩井茂樹氏(41)を擁立し、「党再生」を訴えた自民党だったが、細野本部長は「自民党再生というのは、本当に国民の関心事なのか」と指摘。「政策で民主党との違いがあるなら、積極的に打ち出してほしかった。争点が自民側から出ず、若干物足りなかった」と余裕を見せた。
 25日夜の投票終了直後、土田氏の「当確」が次々と報じられ、JR静岡駅前の事務所に集まった民主党関係者らは固い握手を交わして勝利を祝った。"連戦連勝"は党県連内に確固たる自信を築いた。
 民主に"死角"はないのか。民主県議の1人は「鳩山政権のご祝儀相場は年内まで。いずれ人気は沈静化し、自民の攻勢も強まる。来年夏の参院選はまったく違う状況の選挙になると覚悟すべき」と強調する。
 26日の記者会見で選挙戦を総括した岡本護党県連幹事長は、次の参院選に向けた課題に業界団体への対応を挙げた。補選では、県医師会が自主投票を決めるなど自民の支持基盤だった団体の間に、政権交代の影響がじわりと広がった。
 選挙戦中盤、自民からの推薦要請に「検討中」と繰り返していた一次産業の業界団体トップは「自主投票」をにおわせつつ、「自民の先生には恩義がある。民主の力量も分からない」と心情を語った。民主側も「業界団体は民主がどれだけ安定的政権か見ている」(細野本部長)と分析する。
 来年の参院選では、土田氏と現職の藤本祐司氏が改選を迎える。小沢一郎党幹事長は「複数区は複数候補を立てたい」との意向を示しているが、現時点で党県連の対応は「白紙」(岡本幹事長)。ある民主系県議は「今回選でも自民は40万票獲得した。来年の参院選で2議席独占できると思うのはおごりだ」と指摘した。
(静新平成21年10月27日「検証:参院静岡補選 」)

検証:参院静岡補選 下
「与野党逆転の攻防」
 自民 どん底から再生多難
 引きずった「与党感覚」
 参院静岡選挙区補選の投票が締め切られた25日午後8時すぎ。自民党公認の岩井茂樹氏(41)の事務所に姿を見せたのは県議や市議、スタッフら限られた人だけだった。並べられたいすは空席が目立った。
 政権交代後、初めての国政選挙。若手を立て、反転攻勢を目指した戦いだった。テレビから流れる民主党候補の当選確実の一報に「こんな選挙を経験することになるとは思わなかった。もう党の形をなしていない」。陣営幹部は野党転落の現実を前にしてため息が漏れた。
 自民党は伝統的に企業や団体の支援を得て支援者を大量動員し、票を固めてきた。だが、陣営は選挙戦当初からこれまでと勝手の違う状況を肌で感じていた。
 「企業団体を回っても手応えはない。これが野党の悲哀なのか…」(陣営幹部)
 8月の衆院選で集票の中心となる衆院議員は8人から1人に減った。連立与党を組んでいた公明党は自主投票。支持団体の"自民離れ"が追い打ちをかけ、民主への風は吹きやまなかった。
 選挙戦が中盤に差し掛かった13日。陣営のてこ入れで静岡入りした二階俊博党選対局長は県連役員らと選挙対策を協議した。「集会を開いて大演説会をやるばかりが選挙ではない。いろいろな形の運動を展開する」と柔軟発想の選挙戦略を求めた。
 谷垣禎一総裁もこの考えを率先した。3度にわたって県内に入り、自転車遊説を展開するなど、新生自民党の選挙を演出した。
 岩井氏は支援者の動員をかけずに、ハンドマイクやメガホンを手に人が多い場所を選んで街頭演説を繰り返した。「民主の若手のやり方を奪うような方法」(陣営)だった。
 牧野京夫自民県連副会長は「焼け野原で意気消沈していた中で、これまで自民に見られなかった選挙活動によって、立ち上がろうという姿勢は見せられた」とかすかな手応えを指摘する。
 「来年は参院選。4年後は、静岡県は衆院選と参院選、知事選とトリプル選挙の可能性がある。野党を自覚し、貧欲(どんよく)に1票を集める努力を今から始めないと。時間はない」。岩井氏の事務所に入って選挙戦を見続けた党本部職員は厳しい現実を受け止めた。
(静新平成21年10月28日「検証:参院静岡補選 」)

2009年10月27日火曜日

自民党県議団

 自民党県議団
 政策集団結成の動き 会派分裂の可能性
 県議会最大会派の自民党県議団(40人)の小楠和男、大石哲司両県議らが中心となり、今月中にも自民党再生を旗印に新たな政策集団の結成を目指していることが26日、分かった。新集団は自民党改革会議などの名称で十数人が参加し、会派分裂につながるとの見方もある。
 ただ、小楠氏らに賛同するベテラン議員の1人は「初めに新会派ありきではない。政策が大事」と述べるなど、新集団が県議団分裂の引き金になるのかどうかは、不透明な情勢だ。
 政策集団は基本方針に「保守本流を担う自民党」や「川勝県政に対する是々非々の立場」などを掲げる。小楠氏は「新しい自民党のイメージを打ち出すため、自分たちが行動する」と説明した。
 自民県連は、知事選で超党派で候補者擁立に動いた県議5人を、衆院選では公認候補以外を支援した1人をそれぞれ処分した。県議会9月定例会では空港部廃止条例案否決の党議拘束に反する動きが表面化し、参院補選告示前日に小楠氏ら三役は辞意を表明した。
 こうした混乱に、1期の若手県議を中心に「会派を割ってでも、自民党の立て直しを図るべき」との声が上がっていた。
 自民県連は26日、静岡市で選対会議を開催した。三役の後任選びや会派内の混乱をただす意見があったという。会議後、塩谷立県連会長は記者団に「前向きな議論をして一致協力することが一番良い」とし、11月2日にあらためて議員総会を開催する方針を明らかにした。
 会議には参院補選に公認候補として立候補し、落選した岩井茂樹氏が出席し、あいさつした。
(静新平成21年10月27日朝刊)

2009年10月24日土曜日

声からし最後の訴え

声からし最後の訴え 参院補選あす投票
10/24 14:47(静新webnews)
 参院静岡選挙区補選は24日、17日間の選挙戦最終日を迎えた。鳩山政権が誕生して最初の国政選挙だけに、候補者を擁立した民主、自民、共産の各党は党の存在感をアピールしようと大物を続々と投入、総力戦で臨んできた。全国的に注目を集める選挙戦に、どの陣営も必勝態勢で、締めくくりの遊説に出発した。
 共産党の元衆院議員平賀高成氏(55)は午前7時半すぎ、静岡市清水区の事務所に到着。スタッフと遊説日程を入念に打ち合わせた。「選挙期間中はずっとこのスタイルで通してきた」というシャツとジャケット姿。支援者から手渡されたタスキを肩にかけると、「建設的な野党として、政府の財源問題などを最後まで訴えていく」と胸を張った。
 事務所前で見送りの人たちと次々と握手を交わし、選挙カーに乗り込んだ。清水区内の交差点を皮切りに街頭演説をこなし、精力的に支持を訴えた。
 民主党の医療法人理事長土田博和氏(59)は午前8時から、地元御殿場市の事務所前で「ファイナル集会」と題した演説会を開催。約300人の支援者を前に「この選挙戦に劣らないほど医療現場は大変。医療改革を進めるため最後まで応援してほしい」と訴えた。
 消えた年金問題追及など舌ぽうの鋭さで人気の蓮舫参院議員も応援に駆け付け、「無駄を削り医療、年金に予算を回す作業が始まっている。一緒に改革を」とパワフルに声を張り上げた。土田氏は「頑張れ」の声援を背に受け、笑顔で選挙カーに乗り込んだ。
 自民党の富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)は早朝から浜松市南区の市中央卸売市場を訪れた。入り口で両手を大きく振り、来場者に深々と頭を下げた。「最後まで、持ち前の体力を生かして頑張ります」と上着を脱いで市場の中へ。
 慌ただしく動く業者らに駆け寄って「よろしくお願いします。岩井でございます」と声を掛けると、自民党再生を願う叱咤(しった)激励の声も飛んだ。岩井氏は「これまで聞いてきた声をしっかり受け止め、最終日に臨みます」と決意を新たにし、8時ちょうどに遊説カーに乗り込んだ。
 同補選には政治団体「幸福実現党」の党特別顧問矢内筆勝氏(48)も立候補している。

 参院補選が運動最終日迎える

 参院補選が運動最終日迎える
 参院静岡選挙区補欠選挙は、八日の告示以来十七日間にわたる運動が続けられているが、きょう二十四日、最終日を迎える。いずれも新人の平賀高成(55)=共産党、土田博和(59)=民主党、岩井茂樹(41)=自民党、矢内筆勝(48)=幸福実現党の四候補が、最後の訴えを行う。
 今回の補選は、七月に行われた県知事選挙に自民党の坂本由紀子氏が参院議員を辞職して出馬したことに伴うもので、神奈川県でも同様に民主党の参院議員が辞職して、みんなの党から衆院選に出馬したことによる補欠選挙が行われている。
 静岡県民にとっては、七月の知事選、八月の衆院選と続く今年三回目の国政選挙。選挙疲れが否めないところへきて、候補者決定から告示までの時間がなかった。また、平賀候補は衆院議員を経験し、土田候補は二年前の参院選に無所属で挑戦、岩井候補は四年前の衆院選で自民党県連から一旦は小選挙区静岡六区の候補予定者とされたりしているものの、土田、岩井両候補はプライベートには、これまで東部地区での活動が主で、全県的に見ると知名度は、もう一歩。このため、有権者の関心も盛り上がりに欠ける嫌いがあるが、渦中の候補者、各陣営、各党は必死。
 とりわけ民主党にとっては九月十六日の新政権発足後、初の国政選挙で、有権者の意識が、どう働くのか、有権者の判断は新政権への評価とも見られるだけに、支持の訴えにも熱が入る。
 また、衆院では安定多数を確保した民主党だが参院では単独過半数の状況にはない。党中央では来年七月の参院選における選挙区選挙で複数定数区での躍進を目指す中、この補選での当選者は来年の選挙にも出馬することになるため、落とすわけにいかないだけでなく、勝つにしても、どこまで得票できるのか、手の抜けない状況になっている。党幹部も相次いで県内入りし、候補者応援と支持を訴えている。
 一方の自民党にとっても、歴史的大惨敗を喫した衆院選から立ち直り、党の再生・復活に向けた谷垣禎一総裁による新体制での初めての国政選挙。巻き返しを図り、攻勢に転じるためにも、一つのきっかけにしたいところだが、同党にとっては厳しい状況が続く。
 衆院選での逆風は国民・有権者から吹いたが、この補選では、鳩山新政権が高い支持率を保つ一方で、古くからの支援・支持団体の自民党離れが言われる。加えて県内の事情として、県空港部廃止問題で県議会の自民党が割れ、選挙を支える態勢が不安視されるなど、内部や身近からの逆風が吹くような状況にある。
 運動も、きょう一日。各候補、最後の訴えに力が入る。
(沼朝平成21年10月24日(土)号)

2009年10月23日金曜日

沼津市議会閉会

 沼津市議会が閉会 33件を可決
 沼津市議会9月定例会は22日、最終本会議を開き、38億9900万円を追加し、一般会計総額を745億3600万円とする一般会計補正予算案、2008年度一般会計歳入歳出決算認定案、議員提案の「改正貸金業法の早期の完全施行等を求める意見書」など33件を可決し、閉会した。
〈静新平成21年10月23日(金)朝刊〉

2009年10月21日水曜日

参院静岡区候補者アンケート





静岡新聞平成21年10月20日(火)10月21日アンケート
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2009年10月19日月曜日

参院補選

参院補選 静岡、神奈川ともに民主優位
2009.10.19 00:15(産経msnニュース)

このニュースのトピックス:政権交代
 25日投開票の参院統一補欠選挙で、共同通信は16~18日の3日間、電話による世論調査を実施し情勢を探った。神奈川、静岡両選挙区とも民主党新人が優位に選挙戦を進めている。ただ投票する候補者を決めていない人が両選挙区とも5割余りに上り、情勢は変化する可能性がある。

 神奈川選挙区では、民主党候補が同党支持層の8割近くを固めた。無党派層の支持はまだ3割でさらに浸透を狙う。自民党候補も同党支持層の7割をまとめ、主投票を決めた公明党支持層の6割近くも固めたが、無党派層の支持は1割にとどまっている。

 静岡選挙区では、民主党候補が民主党支持層の8割を固め、ほぼすべての年齢層で他候補に大きく差をつけている。自民党候補は、自民党支持層の7割を固めたが、推薦を見送った公明党支持層には5割しか浸透していない。

【参院補選】様変わりの地方組織 過半数までM3、必勝期す民主 (1/3ページ)
2009.10.8 23:04

このニュースのトピックス:マニフェスト
 衆院選後初の国政選挙となる参院補欠選挙(神奈川、静岡両選挙区)が8日告示された。それぞれ4人が立候補、民主、自民両党は初日から幹部が現地入りして支持を訴えた。定数242の参院は122が過半数。国民新党などを加えた参院の民主党会派は過半数まであと3議席で、補選が民主2勝なら「マジック1」。来夏の参院選の目標でも、民主の改選議席53から「7」上積みで単独過半数となるだけに、民主党は負けられない戦いだ。投開票は25日。政権交代で、すっかり様相を変えた両党の地方組織は、暴風雨のなか選挙戦に乗り出した。


逆風に低姿勢

 「自民党には思いやりがなかった。自らに甘かった。マイナスからの出発かもしれないが、今まで悪かったことを正し、この戦いに挑んでいきたい」

 台風18号の強風が残る横浜市内。8日午前にホールで開かれた出陣式で、石破茂自民党政調会長のあいさつは、こんな反省から始まった。

 神奈川選挙区で自民党公認で立候補した角田宏子氏も思いは同じだ。11日、記者団から選挙の争点を聞かれた角田氏は「自民党、しっかりしろといわれていると思う」と語った。

 もう一つの補選、静岡選挙区で自民公認の岩井茂樹氏の応援に、大島理森(ただもり)幹事長はJR静岡駅前に立っていた。「今、私どもには雨も風も向かっている」。ようやく雨の上がった曇天の下でそう語った。

 今回の補選。自民党が対峙(たいじ)するのは、民主党ではなく「自民党自身」だ。その思いが県連全体を内向きにする。

 だが、「再生」への糸口は見えてこない。

 「伝統ある自民党に戻ることも必要だが、時代を切り取る革新的な感覚がないといけない」。角田氏の言葉にも迷いはみえる。

 自民党にいいニュースがないわけではなかった。静岡では県連の候補者公募に40人が殺到。「自民党も捨てたものではない」と喜びの声が出た。だが、冷静な自民党県議は「公募をすればこれだけ集まるのに、これまでの候補者選びが、いかに閉鎖的だったかという証拠だ」と語った。

 その公募で決まった岩井氏を見た民主党県連関係者は苦笑した。

 「若さといい、見た目といい、まるで、最近の民主党候補のような人を選んだんですね」


「前へ、前へ」

 対照的なのが民主党だ。政権与党として初めて国政選挙に臨む民主党は、「次」しかみていない。

 「来年夏の参院選で、比例代表に回っても勝てる人が条件だ」

 静岡選挙区で土田博和氏を候補者に選んだ理由を、民主党静岡県連の岡本護幹事長はこう説明する。

 補選で選ぶ参院議員の残り任期は9カ月余。来夏の参院選では民主党の現職議員とぶつかる。だが問題ない。9カ月後には、土田氏が比例代表候補となることが織り込み済みなのだ。

 しかも「医師の土田さんなら医師会の支持も見込める」。単なる候補者ではない。自民党支持だった医師会の「切り崩し要員」という戦略目的がある。

 「マニフェストのために全力で働きたい」。神奈川で民主公認で立候補した金子洋一氏の第一声は、政府与党の一員として活躍する自身の姿がもう見えているかのようだった。

 だからこそ「敗北」はあり得ない。民主党の党組織委員長に決まったばかりの細野豪志氏は地元静岡の出陣式で言い切った。

 「今、自民党は弱っている。だがこの選挙で自民を打ち破り、鳩山政権の基盤を強化しなければならない。絶対に負けられない」(中村智隆、田中万紀)


参院神奈川・静岡補選、ともに民主が先行
 読売新聞社は鳩山政権発足後、初めての国政選挙となる参院神奈川、静岡両補選(25日投開票)について、電話による世論調査と取材を基に情勢を分析した。


 神奈川では、民主党の金子洋一氏(国民新党推薦)が先行し、自民党の角田宏子氏が追っている。静岡は、民主党の土田博和氏(同)が優位に立っている。民主党が8月の衆院選で圧勝した勢いを維持している。ただ、両補選ともに有権者の3割近くは態度を決めておらず、情勢は流動的な面もある。

 神奈川では、金子氏が民主支持層の約7割を固め、社民支持層などにも支持を広げている。角田氏は自民支持層の8割をまとめ、自主投票とした公明党の支持層の約6割も固めた。

 静岡では、土田氏が民主支持層の約7割をまとめ、自民支持層の一部にも食い込んでいる。自民党の岩井茂樹氏は自民支持層の約7割を固めたが、自主投票の公明支持層からの支持は約5割にとどまった。

 調査は16~18日、神奈川、静岡両県の有権者を対象に無作為に作成した番号に電話するRDD方式で行った。有効回答は神奈川1002人(回答率60%)、静岡995人(同62%)。

(2009年10月19日06時39分 読売新聞)

土田氏を岩井氏追う
支持政党 民主50%自民19% 本社世論調査・上

 25日投開票の参院静岡選挙区補欠選挙について、読売新聞社は16~18日に世論調査を行った。これまでの取材結果を加味した情勢分析では、民主党新人の土田博和氏(59)が優位に戦いを進め、自民党新人の岩井茂樹氏(41)が追う展開となっている。共産党新人の平賀高成氏(55)と諸派新人の矢内筆勝氏(48)は支持に広がりがみられない。ただ、有権者の3割弱が誰に投票するかを明らかにせず、有権者の2割強を占める「支持政党なし」(無党派)層の動向などによっては、情勢が変化する可能性がある。

■候補者の戦いぶり

 土田氏は、民主党支持層の約7割を固めた。無党派層からの支持は2割強。8月の衆院選比例東海ブロックで民主党に投票した人の7割強が支持する。地域・都市規模別では県内全域に浸透し、従来保守地盤が強いとされてきた町村部を含め、岩井氏を上回る支持を集める。年齢層別でも幅広い年代に支持を広げ、50~60歳代の5割弱が支持。職業別では、商工自営・自由業で5割強、専業主婦で5割弱、給与所得者で4割強の支持をそれぞれ得ている。

 岩井氏は、自民党支持層の7割強が支持。連立政権のパートナーだったが、今回は自主投票を決めた公明党の支持層からの支持は約5割となっている。無党派層の支持は2割強で、土田氏と互角。衆院選比例東海ブロックで自民党に投票した人の6割強、公明党の約5割が支持する。年齢層別では20歳代と70歳以上で約3割が推す。職業別では農林水産業で5割強の支持をまとめ、土田氏を上回った。

 平賀氏は、共産党支持層の約9割を固めたが、無党派層など同党以外の支持層には浸透していない。

 矢内氏は全般的に支持を広げられていない。

■関心度、投票行動

 「大いに関心がある」が20%、「多少は関心がある」が41%で、計61%が関心を示したが、2007年7月の参院選静岡選挙区の際の同調査を14ポイント下回った。今年7月の知事選時より18ポイント減、政権交代につながった8月の衆院選時と比べると27ポイント減。大型選挙が続き、有権者の関心の盛り上がりが今ひとつとなっている状況がうかがえる。

 年齢層別では、60歳以上の年代で「関心がある」が70%台に乗ったが、30~50歳代は50%台にとどまった。20歳代は「あまり関心がない」「全く関心がない」が計約7割に上った。

 投票に行くかどうかについては、「必ず行く」が59%で、07年参院選時の同調査より10ポイントダウン。8月の衆院選時と比べると16ポイント低い。「なるべく行くつもり」は32%で、07年参院選時より8ポイント多い。

 ■支持政党・内閣支持率

 支持率が最も高かったのは民主党の50%。先の衆院選の調査時(36%)より伸びており、県内8小選挙区のうち7小選挙区で党公認候補が勝利した衆院選時の勢いが維持されているとみられる。

 これに対し、自民党は19%にとどまり、衆院選の際の26%よりダウン。民主に大きく水をあけられており、支持率でみる限り反転攻勢には至っていないと言える。

 「支持政党なし」は23%だった。

 鳩山内閣を支持するかどうかを聞いたところ、「支持する」が67%、「支持しない」が19%だった。「支持する」と答えた民主党支持層は9割強。自民党支持層でも3割弱が、公明党支持層も約2割が支持している。無党派層では5割弱が「支持する」だった。

 民主党や鳩山内閣の支持率は高く、自民党は低迷しているが、「自民党は再び政権をとることができると思うか」との質問には、「できる」が45%、「できない」が38%で、自民の復活の可能性を否定しない人が少なくないことも浮き彫りになった。

(2009年10月19日 読売新聞)

「関心ある」60・5% 衆院選下回る 参院補選
10/19 08:17
 静岡新聞社が実施した電話世論調査で、参院静岡選挙区補選に「関心があるか」を聞いたところ、全体の60・5%が「ある」と回答した。新人4人の激戦となった7月の知事選の74・7%、政権交代が焦点となった8月の衆院選の86・1%を大きく下回った。「関心がある」人の内訳は、「大いに」が18・7%、「ある程度」が41・8%だった。一方、「あまりない」は33・5%、「まったくない」も5・7%いた。
 年代別に見ると、若年層ほど低い傾向を示した。20代は「関心がない」が55・4%を占め、30代は46・9%だった。「ある」人は60代が74・8%と最も多く、70歳以上が72・4%。
 支持政党別では、民主と自民の支持層のそれぞれ74・2%、64・6%が「関心がある」とした。自主投票を決めた公明の支持層は71・5%、「支持政党なし」の56%が「関心がない」と回答した。

2009年10月9日金曜日

13日から政見放送

13日から政見放送 参院静岡選挙区補選
2009/10/09 (静新webnews)
 県選管は8日、参院静岡選挙区補選(25日投開票)の政見放送と経歴放送の日程を発表した。政見放送は候補者1人につき1回5分30秒。経歴放送はアナウンサーが1回1人30秒で伝える。放送日時は次の通り。
 【テレビ政見放送】NHK総合テレビ 14日午後6時25~51分、22日午前7時49分~8時15分▽テレビ静岡 20日午後2時5~35分▽静岡朝日テレビ 16日午前10時40分~11時10分▽静岡第一テレビ 13日午前9時30分~10時
 【ラジオ政見放送】NHKラジオ第一 16日午前7時20~46分、21日午後0時30~56分▽静岡放送ラジオ 17日午後4時30分~5時
 【テレビ経歴放送】NHK総合テレビ 20日午前11時54~57分
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4氏の争い確定 参院静岡補選

4氏の争い確定 参院静岡補選
10/09 08:10 (静新webnews)
 参院静岡、神奈川両選挙区で告示された統一補欠選挙は8日午後5時、立候補の届け出が締め切られ、各4人、計8人の立候補者が確定した。民主党は参院でも単独過半数の足掛かりを得られるか、自民党が再生のきっかけをつかむのか、注目の選挙戦が25日の投開票日へ向けスタートした。
 静岡選挙区の立候補者はいずれも新人で、共産党の元衆院議員平賀高成氏(55)、民主党の医療法人理事長土田博和氏(59)=国民新推薦、自民党の富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)、政治団体「幸福実現党」の特別顧問矢内筆勝氏(48)。
 知事選、衆院選に続き、民主と自民が激しくぶつかる。9日には期日前投票が始まる。連合静岡は土田氏を推薦せず「緩やかな支援」にとどまり、公明党は、自民の岩井氏に対する推薦要請に対し「自主投票」を決定している。
 4候補は選挙戦初日、台風の余波で遊説予定が大幅に変更になった。平賀氏は静岡市の繁華街や公園などで演説。土田氏は静岡市で第一声を上げ、御殿場市の事務所での出陣式に臨んだ。JR浜松駅前で演説した岩井氏は鳩山政権を厳しく批判した。
 神奈川選挙区で立候補を届け出たのは、自民党の元横浜市議角田宏子氏(42)、共産党の党県常任委員岡田政彦氏(43)、民主党のエコノミスト金子洋一氏(47)=国民新推薦、幸福実現党の幹事長代理加藤文康氏(47)の4新人。

2009年10月8日木曜日

参院補選:民主VS自民、事実上の一騎打ち 神奈川、静岡


参院補選:民主VS自民、事実上の一騎打ち 神奈川、静岡
2009年10月8日 13時38分 更新:10月8日 14時2分(毎日webnews)



与野党が逆転した8月30日の衆院選から1カ月余。参院神奈川、静岡選挙区補選が8日告示され、いずれも、鳩山内閣の信任を得たい民主党と反転攻勢の足がかりにしたい自民党による事実上の一騎打ちがスタートした。

 神奈川選挙区の自民新人の応援弁士は石破茂政調会長。横浜市中区のホール内での出陣式で「ゼロからの、マイナスからの出発かもしれないが、くよくよしても仕方がない。今まで悪かったことをただし、自民党が駄目になれば、この国が駄目になる思いで臨んでいきたい」と決意を述べ、「自民党再生の第一歩を補選当選で幕を開けていただきたい」と支持を求めた。

 民主新人は台風の影響で同市中区の県連会議室に場所を変えて第一声。09年度補正予算の見直し作業に取り組む仙谷由人行政刷新担当相が駆けつけた。「衆院選では県連のみなさんが力を発揮して勝たせていただいた。この力をより実体的なものにするために、この選挙戦を戦っていただきたい。閣僚もできる限り微力を尽くしたい」とあいさつした。

 静岡選挙区で新人を擁立した民主は、台風18号の影響で誤算続きの幕開けに。出陣式は街頭演説会を予定していたが、JR静岡駅前のホテルに変更。さらに、応援弁士の菅直人副総理兼国家戦略担当相が「台風による鉄道の乱れ」(陣営関係者)で出席できないハプニング。同党の細野豪志選対本部長は「自民党は弱っているが、そんなにやすやすと崩壊には向かわない」と危機感をにじませた。

 一方、自民の大島理森幹事長は、静岡市葵区で党公認候補の応援に駆け回った。出陣式では県議や支持者ら約50人を前に、鳩山由紀夫首相の献金問題を念頭に置いて「(衆院選で)民主党は確かに勝利したが、政権交代で倫理観などの後退による不安が起こっている」と強調。「風はかすかに私どもに吹いている。今回は新たな自民党の戦いだ」と訴えた。

静岡参院補選「楽天政治」

静岡参院補選「楽天政治」

http://seiji.rakuten.co.jp/contents/election200910/shizuoka

2009年10月7日水曜日

「空港部廃止」可決 自民、複数が造反 県会本会議

「空港部廃止」可決 自民、複数が造反 県会本会議
10/07 15:42(静新webnews)
 県議会9月定例会は7日、最終本会議を開き、最大会派の自民党(40人)が党議拘束をかけて反対の姿勢を示していた空港部廃止条例案を原案通り可決した。採決は無記名投票で行い、複数の自民党議員が造反して賛成に回るなどした結果、賛成43、反対27、無効1で賛成が出席議員の過半数を上回った。議会事務局によると、知事提出議案の投票採決は初。他の議案を含めても1973年以来という。
 採決に先立つ討論で、大石哲司氏(自民、牧之原市・榛原郡南部)は条例案について「組織改編は唐突、理不尽であってはならない」として反対。これに対し、岡本信也氏(平成21、浜松市南区)は「スピード感を持って組織改編を断行すべき」と可決を求めた。
 条例案をめぐっては、自民党が「年度途中の空港部廃止は拙速だ」などとして反対する方針を決定。しかし、1日の総務委員会で、多数を占める同党県議のうち2人が造反して賛成に回ったため、可決された。
 2日には、県が2月に静岡空港付近の私有地の立ち木を誤って伐採した問題が、発覚から4カ月以上たって公表され、審議を終了していた企画空港委員会が再開される異例の事態となった。
 誤伐採問題を受け、自民党内にも「空港部存続は県民の理解が得られない」などの声があった。同党県連は本会議前に議員団総会を開催。小楠和男県連幹事長は「わが会派としては従来の決定方針通り、採決に臨む」と述べ、反対票を投じるよう求めていた。

 県空港部廃止条例案 空港部を廃止し、所管業務を企画部と建設部に移管する。空港利活用部門を担う企画部は、搭乗率アップや新規路線の開拓など就航促進策を担当する。施設整備や維持管理部門を受け持つ建設部には空港局を新設し、立ち木誤伐採問題など課題となっている地元対応も行う。川勝平太知事は2010年度当初の機構改革で、空港を最大限活用するための新組織の設置も表明した。現在の空港部は05年8月の設置。

参院補選あす告示


参院補選あす告示 静岡選挙区4氏出馬へ

10/07 08:08 (静新webnews)
 政権交代に至った8月30日の衆院選後、初の国政選挙となる参院静岡、神奈川両選挙区の統一補欠選挙が25日投開票へ向け8日、告示される。いずれも民主、自民両党の直接対決の構図。鳩山由紀夫首相、自民党の谷垣禎一総裁ともに就任してからの“初陣”となる。
 静岡選挙区で立候補を予定しているのは、いずれも新人で、民主党の医療法人理事長土田博和氏(59)=国民新推薦、自民党の富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)、共産党の元衆院議員平賀高成氏(55)、政治団体「幸福実現党」の党特別顧問矢内筆勝氏(48)の4人。
 鳩山氏は、税金無駄遣い排除などでスタートを切った政策遂行に評価を得て、衆院選大勝の勢いのまま、参院でも民主党が単独過半数に達する足掛かりを得られるのか。政権奪還を期す谷垣氏は、鳩山氏の政治資金虚偽記載問題、民主党の公共事業見直し政策などの追及で反転攻勢のきっかけをつかめるか、双方にとって試金石となる。
 公明党は両選挙区とも自民党候補を推薦せず、自主投票とする方針。

参院静岡補選
 自民、議席獲得へ全力 国会内会合で方針確認



 自民党は6日、8日告示の参院静岡、神奈川両選挙区補選(25日投開票)に向けて、国会内で参院比例区選出議員の会合を開き、各支援団体に働きかけるなどして議席獲得に全力を挙げる方針を確認した。大島理森党幹事長は「党を挙げて戦い、勝ち抜かなければならない」とげきを飛ばした。
 これに先立ち、党本部で東海ブロック両院議員会も開催。静岡選挙区に党公認で出馬する富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)の選対副本部長を務める牧野京夫参院議員(静岡選挙区)が現在の情勢を報告し、応援演説や電話作戦などへの協力を求めた。
 参院の会合では、尾辻秀久参院議員会長が「反転攻勢の第一歩にしなければならない大事な選挙だ」と強調し、必勝を期すよう指示。谷川秀善参院幹事長も「自民党復権の足がかりにしたい」と述べた。
 また、自民県連も県庁で選対会議を開催。塩谷立会長は「総選挙の厳しい状況を受けての補選。谷垣禎一新総裁の下、新生自民党のスタートとなる結果を目指したい」と述べた。衆院選は県内8小選挙区で全敗したため、「選挙区支部の機能が失われている。一致結束して選挙戦に臨むことが不可欠」と党県議団を中心とした体制強化を求めた。
〈静新平成21年10月7日(水)朝刊〉

2009年10月4日日曜日

 参院静岡選挙区補選の告示(8日)が迫った。


 参院静岡選挙区補選の告示(8日)が迫った。


 主な立候補予定者は告示前最後の週末の3日、繁華街でマイクを握り、支援者のあいさつ回りに時間を割くなど精力的に動いた。全面対決する民主、自民両党は候補者擁立が遅れただけに、短期決戦となる選挙戦の準備を加速させた。
 民主党公認の医療法人理事長土田博和氏(59)の陣営は同日午前、地元御殿場市で事務所開きを行った。民主国会議員、県議、地元医師会関係者らが駆け付け、「この地域から与党議員を誕生させよう」と結束を誓った。真新しい事務所では、スタッフが備品の整理や事務連絡などに追われた。
 1日に本格的な活動を始めたばかりの土田氏。3日、遊説に回った伊東市では「医療と介護の安心を提供し、若者が夢や挑戦する気持ちを持てるようにしたい」と訴えた。政権与党の「民主党候補」を旗印に、知名度不足を打破する。
 自民党から出馬する富士常葉大非常勤講師の岩井茂樹氏(41)は、静岡市で初の街頭演説に立った。肩からハンドマイクを下げ「自民は厳しい状況に置かれている。国民目線の政治を取り戻す」と力説した。商店主や市民に駆け寄って握手を求め、持ち味の若さをアピール。「とにかく時間がない。全力で県内を駆け抜けます」と額の汗をぬぐった。
 陣営は静岡市の事務所などでビラやポスターの準備など告示に向けた作業を本格化。自民県連も同市で県下支部代表者会議を開き、支援体制を確認した。組織を挙げて知名度アップに取り組む。
 いち早く出馬表明した共産党の元衆院議員平賀高成氏(55)は静岡市葵区の繁華街で演説。「国民の力で政治を動かし、新しい時代を前に進めるため重要な選挙」と強調し、鳩山内閣に是々非々で臨む「建設的野党」の必要性をアピールした。
 党決起集会が同市であり、県内各地の党員らが参加。平賀氏が決意表明し、選挙戦略を練った。党の役割を丁寧に説明するミニ集会を積極的に展開していくという。
 政治団体「幸福実現党」の党特別顧問矢内筆勝氏(48)は党本部のある東京都内で選挙準備などを進めた。(静新webnews10月4日)

2009年10月2日金曜日

マニフェストは金科玉条か:いまい久夫

 マニフェストは金科玉条か 今井久夫
 統一性のない行動理念
 鳩山内閣は生まれたばかりの政権だ。しかしそのスタートダッシュは目を見張らせるものがある。湯気の立っている各閣僚が、やたらと新政策や提言を試みている。大将格の鳩山首相までが国連に出かけてCO2ガス25%減を宣告した。存在感の薄かった日本の首相の意外な発言にむしろ各国代表の方が度肝を抜かれた感じだ。
 内政の方でも、予算の執行停止、組み替え、次官会議の廃止、天下りの禁止など、全部やり直しだ。ゼロからの再出発を辞さない。この勢いには国民の方もいささか圧倒されそうだ。とにかく中途半端ではない。野党として鬱積(うつせき)していた数々の思いが一挙に噴き出した形だ。
 やはりこれは政権交代のメリットとしかいいようがない。自民党政権では絶対に穴もあけられなかった壁がいまや音をたてて崩壊しようとしている。日本の歴史の一ページを飾る壮観というに足りる。
 しかし、そのやり方を見ると、短兵急に過ぎるところがある。各人がわれこそ手柄をひとり占めにせんと、勝手に名乗りを上げて敵陣に斬(き)り込んでいる。横の連絡もなければ、組織としての統一性もない。功名争い、初陣争いそのままだ。
 トップに立つ鳩山首相が一種の高揚感から地に足がつかない状態なのだから他は推して知るべしだ。
 行動理念もさまざまだ。動機についても、哲学に関しても説明がない。あるのは「マニフェストに書いてあるから」の一点張りだ。マニフェストはたしかに政権構想の柱に違いない。しかしこれを不磨の大典扱いし、金科玉条と信ずるのは大間違いだ。マニフェストは民主党の大衆迎合の選挙対策用文書にすぎない面を見逃すわけにはいかない。人智を集めて議論を重ねた跡もなく、展望も掘り下げも深みに欠ける。ただ現世御利益論に終始しているきらいを免れない。
 いわば杜撰(ずさん)な選挙文書にすべて準拠して、それで済ましてしまうという姿勢は政権政党らしくない。鳩山内閣としての主義主張を改めて国民に説明し、理解を求める必要がある。
 たとえばダム工事の中止だ。政権が変わり、マニフェストに書いてあるからといって、白紙還元を強行するのは民主国家とは縁遠い。独裁国といわれても仕方がない。地元住民が再考を願っても「マニフェスト」をタテに、横を向く。独立国の公約は、政権が変わっても約束は約束として不動のはずだ。それがつまり独立国の政策の継続性に外ならない。一政権の約束は国の約束だ。守らなければならない。

 国民目線の施策が本旨
 こんな問答を繰り返していると、地元住民を敵にまわすことになる。国民の目線で政策を考えるのがマニフェストの本旨だった。敵にまわしては元も子もない。鳩山政権はマニフェストを一方的に利用するばかりではなく、目下のすべての不合理、不都合を自民党と官僚のせいにして揮(はばか)らない。自民党政策の見直しも、官僚の征伐も、この一念から発している。しかし、自民党時代には民主党も随分政府提出案件に賛成している。官僚にもいろいろ世話のかけ通しだった。しかしひとたび政権を取ると掌(てのひら)を返すごとく辛く当たっている。どうも日本の風習になじまない。
 この分では益々(ますます)自民党の政権奪回の復讐心(ふくしゆうしん)を刺激し、官僚の面従腹背のいやらしさを助長するばかりだ。昔、大正デモクラシー華やかなりしころ、政友、民政の二大政党が政権交代していたが、政権が変わると内閣が一変するばかりか全国の知事が変わり、警察の署長から小学校の校長のクビまでが飛んだ。議会では外交問題を政争の具に供し、汚職暴きのドロ合戦がくりひろげられた。これでは折角の政党政治も二大政党対立も自滅していくより外はなかった。
 マニフェストを金科玉条と奉り、わるいことを全部自民党と官僚の責任にしていると、大正デモクラシーの二の舞いになる。民主党は助走を暴走化させてはならない。(政治評論家)
〈静新平成21年10月2日(金)「論壇」〉

参院補選出馬の岩井氏に公認証

















 参院補選出馬の岩井氏に公認証
 自民・谷垣総裁


 自民党は1日、参院静岡選挙区補選(25日投開票)に同党から出馬する富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)に公認証を交付した。谷垣禎一総裁が東京・永田町の党本部で手渡し、必勝を期して「一緒に頑張ろう」と激励した。
 交付式には、大島理森幹事長、尾辻秀久参院議員会長ら幹部も同席。岩井氏は、記者団に「あらためて身の引き締まる思いがした。党再生のために全力で頑張りたい」と決意を述べた。
 同補選では、民主党が医療法人理事長土田博和氏(59)、共産党が元衆院議員平賀高成氏(55)、政治団体「幸福実現党」が党特別顧問矢内筆勝氏(48)の擁立をそれぞれ決めている。

 自民県連 公明県本部に推薦要請
 自民党県連の塩谷立会長(衆院比例東海)と牧野京夫副会長(参院静岡選挙区)は1日、東京都内で公明党の大口善徳県本部代表(衆院比例東海)と会談し、参院静岡選挙区補選(25日投開票)に自民党公認で出馬する富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)への推薦を要請した。
 大口氏は「近く県の幹事会を開き、対応を協議したい」と述べるにとどめ、県本部幹部の意見を広く聞いた上で判断する考えを示した。
 会談は非公開。関係者によると、塩谷氏が大口氏に推薦依頼書を手渡し、補選での支援を求めたという。


 県選管 参院補選出馬予定4陣営を事前審査














 県選管は1日、参院静岡選挙区補欠選(8日告示、25日投開票)の立候補届け出書類事前審査を県庁で行い、出馬予定の4陣営が訪れた。
 事前審査を受けたのは民主党公認の医療法人理事長土田博和氏(59)、自民党公認の富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)、共産党公認の元衆院議員平賀高成氏(55)、政治団体「幸福実現党」の党特別顧問矢内筆勝氏(48)の各陣営。
 県選管担当者が届け出書や宣誓書、所属党.派証明書などの書類に記載漏れがないかチェックした。各陣営とも立候補表明から間もないため、選挙公報用原稿やポスターなどが間に合わず、告示日までに再び事前審査を受けるという。
〈静新平成21年10月2日(金)朝刊〉

2009年10月1日木曜日

03年報酬不正受給 土田氏が釈明

03年報酬不正受給 土田氏が釈明
「診療所に行政処分」
 参院静岡選挙区補選に出馬する民主党の土田博和氏(59)=御殿場市=は30日、理事長を務める医療法人が山梨県内で経営していた診療所が2003年に、病床数超過による診療報酬の不正受給で、保険医療機関の指定取り消しの行政処分を受けたことを明らかにし、「医師として患者を断れなかった。作為的な行為ではない」と釈明した。
 土田氏らによると、診療所は年中無休24時間で救急患者を受け入れていたが、患者が増えて超過が発生。監査で1998年~02年の超過を指摘され、5年間の指定取り消し処分を受けた。診療所は閉鎖し、診療報酬の不正受給額約9600万円を返還した。
 土田氏は「病床数超過の場合、診療報酬を2割減額して請求すべきことを法人が知らなかった。処分に従ったが、診療所は今年9月1日に再開した」と述べた。
〈静新平成21年10月1日(木)朝刊〉