2014年6月24日火曜日

川勝知事地元に「大英断を」

知事方向性の一任訴え
沼津鉄道高架 地元に「大決断を」
 JR沼津駅付近鉄道高架事業に伴う沼津市原地区への貨物駅移転問題について、川勝平太知事は23日の定例記者会見で、事業の方向性の決定を自身に一任するよう、あらためて地元に求めた。移転に反対する地権著や住民に対し、「何を後世に残したいか、目標は明確にうかがっている。実現するために任せてほしい」と訴えた。
 知事は当初の計画通り原地区へ貨物駅を移転させ、反対地権者らが要望している健康文化タウン構想に資する施設整備をセットで行う案を地元に提示している。これに対し、反対地権者らは貨物駅本体の移転は依然として拒否し、待避線のみならば認める譲歩案を知事に伝えている。
 知事は、自身の案の具体的な中身はこの日も明言を避ける一方、交渉状況について「こちらは相当、力を込めてラグビーボールを投げたら、返ってきたのは気が付かないピンポン球だった」と表現した。さらに、「現実は全然動かない」と述べ、反対地権者らの譲歩案受け入れに否定的な認識を示した。
 「(地元の)皆さんのためになるように死力を尽くすと言っても過言ではないぐらいの覚悟でやっている」とも語り、「留保(条件)を付けず、任せるならば任せてほしい」と呼び掛けた。
 沼津駅北口の総合コンベンション施設プラサ・ヴェルデの7月の全面開業までとしている合意形成の目標は変更しない考えを示し、「歴史に残るグランドオープンの時に歴史に残るような大決断をしてもらえれば、後は私がやる」と強調した。

(静新平成26年6月24日朝刊

2014年6月15日日曜日

貨物駅移転地考えに溝

 沼津鉄道高架
 貨物駅移転地考えに溝
 副知事、反対地権者と会談
 JR沼津駅付近鉄道高架事業をめぐり、難波喬司副知事は14日、同事業に伴う沼津市原地区への貨物駅移転に反対している地権者らと同市内で会談した。貨物駅移転用地の方向性については考え方に溝があり合意に至らず、今後も地元と協議を続けるという。
 会談は難波副知事と県職員、地権者ら約20人が出席し、約3時間、非公開で行った。
 関係者によると、難波副知事は、地権者らが提唱している健康文化タウン構想には理解を示し、将来的に実現したいとの考えを示したという。移転用地に貨物列車の待避線のみの設置を認める地権者らの譲歩案についての考えは示さなかった。
 会談後、難波副知事は「住民の思いを聞きに来た。(どちらが)譲った、譲らないの話ではない。地元住民の歴史的な思いも含めて聞くことが大事」と述べた。一方、会談に出席した地権者の1人は「貨物駅と健康文化タウンの共存は無理」と貨物駅移転は反対する姿勢を強調した。
 同事業をめぐっては、川勝平太知事が7月までに合意形成を図るとしている。反対地権者らは13日、県議会に事業を検証する特別委員会の設置を陳情した。

(静新平成26615日朝刊)

2014年6月14日土曜日

沼津鉄道高架反対3グループ県会議長に陳情

貨物駅移転で県会議長に陳情
 地権者ら3団体が見直し求め
 原地区への貨物駅移転の見直しを求める三つの市民団体は十三日、県庁に多家一彦県議会議長を訪ね、二通の陳情書を渡した。
 訪れたのは、原貨物駅に土地を売らない地権者の会(殿岡利治会長)、郷土を愛する会(西原正道会長)、さわやか沼津2012(松下宗柏代表)の役員ら十三人。陳情後、記者会見した。
 陳情書は、地権者の会と郷土を愛する会合同の「沼津駅高架事業に伴うJR原貨物駅新設の見直し」に関するものと、さわやか沼津の「沼津駅付近連続立体交差(鉄道高架)事業」に関する二通。陳情要旨は次の通り。
 ①沼津市のローカルの問題として地元選出の四人の県会議員にのみ任せるのではなく、県議会が静岡県全体の問題として慎重に審議すること。②「事業推進」「早期着工」を促す前に、先のPIを尊重し、高齢化・人口減少などの深刻な諸情勢を考慮すること。③沼津市財政の現状と見通しなどを精査し、現地視察による実態把握や地権者の意見を聴取すること。④原西部地区へ高齢者対策、子育て支援の「健康文化タウン」の実現を検討すること。⑤これは、六十八人の県議会議員全員への陳情であること。
 記者会見に臨んだ松下会長は「この事業を例えるならば、さほど必要のない大きな家の建設を父親が計画し、『これは、お前達のために作ってやるものだが、長い年月が必要で借金もする。その借金はお前達が返しなさい』と、子や孫に言うようなもの。次世代の人々に対して無責任で迷惑な事業と認識し、懐具合と相談して外国の高級車(鉄道高架)ではなく、国産の大衆車(南北自由通路)を提案する」と理解を求めた。
(沼朝平成26614日号)

 特別委の設置陳情
 沼津鉄道高架反対3グループ県議会に「慎重審議を」
 JR沼津駅付近鉄道高架事業に伴う沼津市原地区への貨物駅移転に反対している地権者や住民の三つのグループが13日、県議会に対し、事業を検証する特別委員会の設置を陳情した。関係者が県議会を訪ね、多家一彦議長に文書を手渡した。
 グループは「原貨物駅に土地を売らない地権者の会」「郷土を愛する会」「さわやか沼津2012」。過去の経緯や党利党略にこだわることなく、社会経済環境の変化を踏まえ、県全体の問題としてすべての県議が関わって慎重に審議することを求めている。
 多家議長との面会は非公開で、関係者が終了後に記者会見した。このタイミングで県議会に陳情した理由については、川勝平太知事が7月までに事業の合意形成を図るとしている中で、6月定例会が始まることを挙げた。
 地権者の会と郷土を愛する会の加藤益久事務局長は「県議たちは(貨物駅移転予定地の)現場に足を運び、状況をしつかり見てほしい」と注文した。
 事業をめぐっては、知事が同地区へ貨物駅と歩道橋などをセットで整備する案を示している一方、反対住民らは待避線のみならば受け入れる譲歩案を伝えている。知事は住民らに「今が決断の時だと強く申し上げたい」などと促しているが、さわやか沼津の松下宗柏代表は「(譲歩案という)ボールを投げているのはこちら。決断するのは知事および県当局だ」と反論した。

(静新平成26614日朝刊)