2009年12月25日金曜日

正体現す小沢一郎

 正体現した小沢幹事長 今井久夫
 政策や人事、押し通す
 今年の永田町を総括してみると、何といっても民主党の小沢幹事長の突出が目立つ。まるで政局は小沢氏を軸に回転しているように見えた。
 以前の小沢氏はこんなタイプではなかった。何につけても表面に出ることを避け、黒子に徹するように心掛けていたものだ。それが政権交代以来ガラリと変わった。一部で予想されていたような副総理格としての入閣はさすがに受けなかったが、幹事長はむしろ乗り気だった。簡単にOKを出したのもそのせいだ。
 幹事長は副総理にくらべると地味なポストだ。また小沢氏は幹事長を何度も経験している。それだけに受け易く、かつ自信もあったに違いない。ここまではまだ以前の小沢氏らしさが残っていた。
 それ以後は小沢氏は百八十度変身した。政府は鳩山首相、党は小沢幹事長、互いに縄張りを尊重し、口を出さない。この役割分担の申し合わせもなんのその、小沢氏はたちまち政府の政策であれ、人事であれ、ことごとに干渉しはじめた。干渉するだけではない。押し通すのだ。政府の方針をひっくり返し、鳩山首相の顔を潰(つぶ)すことさえ平気だ。
 かくて、鳩山政権の主人公は鳩山首相ではなく、小沢幹事長だという見方が定着し、それが永田町の常識となった。その決定的出来事が小沢氏の皇室批判だ。少なくとも歴代自民党内閣ではそんなためしは一度もなかった。どの首相も天皇陛下を尊敬し、陛下の政治利用はタブー中のタブーだった。
 鳩山内閣はスタート100日目にそのタブーを破った。犯人は小沢氏だ。しかし鳩山首相は何もいえない。天皇陛下と中国の習近平副主席とのあの特例会見に際して、小沢氏の発言とその振る舞いほど国民をおどろかせたものはない。記者会見では悪鬼の如(ごと)き形相で、羽毛田宮内庁長官を罵(ののし)り、宮内庁の「一カ月ルール」をコキおろした。
 宮内庁長官は陛下の忠実な側近だ。宮内庁は宮中の一切の事務を処理する官庁以外のなにものでもない。それに噛(か)みついている。長官や宮内庁を非難するのは皇室そのものにクレームをつけるのと同じだ。小沢氏の思い上がりもいい加減にせよだ。何さまになったつもりだ、そういいたい。
 鳩山内閣のキーワードは政治主導だ。鳩山内閣は政治家が一番エラいと思っている。官僚を扱うこと虫ケラの如しというような光景さえ見かける。いままで威張りくさっていた官僚を思うにつけ、それは一種の痛快な対応でもあった。
 皇室批判が命取りにも
 しかし調子に乗り、行き過ぎるとイヤ味になる。政治主導は解釈とやり方によっては独裁主義と紙一重の差になりかねない。最近の民主党政権にはその兆しが見られる。そうなるとイヤ味では済まない。おそろしさを覚える。
 さて、小沢氏は皇室批判の反響にいささかあわてているようだ。それが態度に出ている。記者会見ではほほ笑みを忘れず、「ございます」言)葉を乱発し、愛嬌(あいきようを振りまわしている。しかしそんな小手細工では国民は承知しない。
 このところ鳩山内閣の支持率が急落している。ジリ貧どころかドカ貧の傾向さえないとはいえない、要警戒だ。鳩山首相の不決断や先送りが自分の足を引っ張っているのは確かだが、小沢氏の大ポカも見逃すわけにはいかない。小沢氏は遂に正体を現した。小沢氏の野心や思惑がどこにあるか分からない。しかし表に出ることを厭(いと)わなくなっただけでも大違いだ。皇室批判は命取りになるおそれさえ秘めている。
 後世の史家は平清盛や叡山の悪僧とともに小沢一郎の名を歴史に刻むかも知れない。いろいろな事件を引きずったまま今年も暮れようとしている。(政治評論家)
(静新平成21年12月25日「論壇」)

共産党渡辺氏擁立

 来夏参院選に渡辺氏を擁立
 共産党県委員会
 共産党県委員会は24日、来夏の参院選静岡選挙区(改選2)に党県常任委員の渡辺浩美氏(49)=三島市青木=を公認候補として擁立すると発表した。渡辺氏は県庁で記者会見し、「国政革新の重要性を地域の活動で実感した。国民の願う方向で政治を変えたい」と述べた。
 渡辺氏は三島市出身。静岡大教育学部卒業後、三島共立病院事務員などを経て党専従職員。2004年から党伊豆地区委員長を務めている。1996年の衆院選静岡7区に出馬し、落選した。同県委員会は「若手で行動力も論戦力もある」と擁立理由を説明した。
 来夏の参院選では、民主党県連が静岡選挙区の党公認候補に藤本祐司氏(52)を決定、比例代表には土田博和氏(60)の擁立を承認した。自民党県連は岩井茂樹氏(41)を軸に調整し、28日の県連大会で決定する見通し。
(静新平成21年12月25日(金)朝刊)

2009年12月10日木曜日

県連大会

 分裂後初の大会28日開催を了承
 自民県連県議団会議
 自民党県連は9日、党所属県議団会議を県庁で開いた。臨時県連大会を28日に開催し、内定した三役の承認や来夏の参院選党公認候補予定者を決める方針を了承した。
 党本部から参院選の候補者を年内に上申するように求められていることを説明。候補者推薦の依頼を市町支部長や県議などに通知し、臨時県連大会で機関決定するとした。複数の候補者が推薦された場合は、選対小委などを前倒しで開くという。
 県議会の自民系会派分裂後初めての合同会議となり、幹事長に内定している遠藤栄県議は「同じ党に所属する議員を一つにまとめていくことが仕事」と述べた。
(静新平成21年12月10日朝刊)

2009年12月1日火曜日

12月1日静岡政治ニュース

 自民衆院3区支部空席の支部長公募
 きょうから募集
 自民党衆院静岡第3選挙区支部は30日、柳沢伯夫氏の後継となる支部長の選考を公募で行うと発表した。受付期間は1~31日で、来年1月中旬に選考委員会を開いて決定する。
 今夏の衆院選で県内全小選挙区で公認候補が敗れた結果などを受け、公募の実施を決めた。
 選考委員会は塩谷立党県連会長と県議、市議ら10人前後で構成。書類と面接審査を行い▽清新・清潔▽広い見識▽信念と情熱ーなどの観点で審査する。
 対象者は25歳以上で県外在住者も応募できる。自薦、他薦は問わない。
 「政治に対する信条」をテーマにした論文(2千字以内)や履歴書など必要書類を自民県連に提出する。問い合わせは自民県連〈電054(255)0491〉へ。
(静新平成21年12月1日(火)朝刊)

 県議補選裾野市選挙区
候補者募集を正式発表 民主党県連など
 民主党県連と同県連の第5区総支部、県議会の平成21は30日、県庁で会見し、裾野市選出の原文雄県議(平成21)の市長選出馬に伴う県議補選に向け、後継候補者を公募すると正式に発表した。
 県連によると、原氏は12月7~10日に県議を辞職する見込み。市長選と県議補選は来年1月24日に同日選となる可能性が高く、早急に候補者を決定したい考え。
 党公認候補として立候補可能な政策立案能力を有する県内在住(3カ月以上)の人を募る。10日までに経歴書と論文を同総支部に提出する。総支部が経歴書と論文による1次選考、合格者による面接などの2次選考を行い、決定する。
 平成21の三ツ谷金秋会長は「平成21としても総力で支援したい。今回の公募がうまくいけば、次期統一地方選の手本になる」とした。
 問い合わせは同総支部〈電055(991)1269〉へ。
(静新平成21年12月1日(火)朝刊)

2009年11月29日日曜日

鳩山政権に失速感:高村薫

「鳩山政権に失速感」高村薫
【 たかむら・かおる氏1953年大阪府生まれ。国際基督教大卒。商社勤務の傍ら小説を書き始め、「マークスの山」で直木賞受賞。作品はほかに「照柿」「レディ・ジョーカー」「晴子情歌」「新リア王」などがある。最新作は「太陽を曳く馬」。】
 変革の意思見失うな
 この秋、政府が再びデフレ宣言し、日本経済はなおも深刻な景気後退が続く。鳴り物入りでスタートした鳩山政権は、なんとか明るさを見たいと願う生活者の切ない気分を背景に、60%台の高い支持率を維持しているが、期待と現実のずれは日に日に大きくなってもいる。歴史的な政権交代だっただけに、今日の失速感は小さくはない。
 2カ月前、有権者は鳩山政権に大きな期待をかけた。高速道路無料化といった公約の目玉については不支持が支持を上回り、4年間は消費税増税を凍結するという公約についても現実味を欠いているとする有権者が多かったが、それでも期待したのである。
 このことは、有権者が、低成長時代に入ったこの国の将来を心底不安視しており、目先の支援や減税よりも、むしろ根本的な構造変革を求めていたことを示している。
 ▼個々の能力不足
 さて、それでは発足以来の鳩山政権は、この有権者の思いにどう応えてきただろうか。最初に小沢一郎氏を幹事長に据えた鳩山由紀夫首相の判断に、直感的な違和感を覚えた有権者は少なくなかったと思う。
 今日、小沢氏は新人議員を一手に掌握して政策面での活動を封じ、旧来の地元密着型の国会議員の養成に余念がないほか、国会運営に逐一影響力を行使して、内閣がその声を聞くということが目立っている。有権者の当初の危惧(きぐ)は、当たったかたちである。
 また内閣の顔ぶれは、おおむね実務型ではあるが、無駄の排除と政治主導を掲げて霞が関に乗り込んだにもかかわらず、来年度予算案の編成では、所管する省庁の予算を守る姿勢を見せている。
 元野党議員がいきなり大臣となることに限界があるのは当然だし、有権者も見守る必要はあるが、どうなっているのだという感は否めない。
 こうした大臣たちの変節や右往左往を招いているのは、一つには官僚組織を束ねて変革してゆく個々の能力不足だが、国家戦略室や行政刷新会議、そして首相と党がばらばらであることも大きいだろう。首相の意思が見えず、政治主導を推進するための仕組み自体が機能しないところに、この政権の実態があると言えるかもしれない。
 そこにはまた、政権が選択した連立の枠組みも影を落としている。数を優先して、大きく方向性の違う政党と連立を組むことにも有権者の多くが抵抗を感じたのだが、案の定、郵政民営化の見直しや中小企業への金融支援、補正予算の規模、そして日米関係にかかわる沖縄の基地問題などで、国民新党と社民党の存在が今日の政権のばらばら感に拍車をかけている。とくに日本郵政の社長に元大蔵官僚が抜てきされた件では、有権者はあぜんとしたものである。
 ▼有権者の期待
 目下、来年度予算案の編成が迫っており、財源捻出(ねんしゅつ)のための事業仕分けで政権は手いっぱいのようではある。税収が30兆円台に落ち込むなか、当初の見込みも狂い、首相も国家戦略室も政策の優先順位を示せないまま、日々閣僚の発言がぶれ、ばらばら感はさらに強まっていると言える。
 また地方も産業界も株式市場も、内需拡大のための具体的な産業振興策の見取り図がないことに不満をつのらせ、現実に諸外国に比べて不況感は深まる一方でもある。
 こうした状況下、有権者が政治に望んだ根本的な変革の意思を、鳩山政権は見失いつつあるように見えることが、今日一番の問題であろう。たとえば先日、官房長官が官房機密費の情報公開を拒否したが、これは明らかに有権者の期待に反している。また、何事も十分な審議と説明を尽くすのが新政権の約束だったはずだが、中小企業向けの金融円滑化法案をわずか1日の実質審議で強行採決に付したのは、いったいどういう変節か。
 この政権が掲げた温室効果ガスの高い削減目標も、「コンクリートから人へ」の大方針も、そのための予算の見直しも、新しい時代を約束した政権の基本理念として意味があるのであり、これを下ろして政権の存在理由はない。必要なのは、原則を掲げて説明し続ける姿勢である。民意が鳩山政権をあたたかく見守る時期は、過ぎつつある。(作家)
(静岡新聞)

仕分け人(人民裁判人)名簿

仕分け人名簿
 行政刷新会議の作業グループ(WG)で事業仕分けを担当した国会議員、民間の評価者(仕分け人)は次の通り。(各府省の副大臣、政務官は除く)
 【統括】枝野幸男衆院議員
 【第1WG】津川祥吾衆院議員▽寺田学衆院議員▽亀井亜紀子参院議員▽青木宗明神奈川大教授▽安念潤司中央大法科大学院教授▽井沢幸雄神奈川県小田原市職員▽石渡秀朗同県三浦市職員▽石渡進介弁護士▽内田勝也情報セキュリティ大学院大教授▽翁百合日本総合研究所理事▽奥真美首都大学東京教授▽川本裕子早稲田大大学院教授▽田近栄治一橋大副学長▽辻琢也一橋大大学院教授▽富田俊基中央大教授▽新倉聡神奈川県横須賀市職員▽ロバート・フェルドマンモルガン・スタンレー証券経済調査部長▽福嶋浩彦中央学院大教授▽政野淳子環境行政改革フォーラム幹事
 【第2WG】菊田真紀子衆院議員▽尾立源幸参院議員▽飯田哲也NPO法人環境エネルギー政策研究所所長▽石弘光放送大学学長▽市川真一クレディ・スイス証券チーフ
・マーケット・ストラテジスト▽長隆東日本税理士法人代表社員▽海東英和前滋賀県高島市長▽梶川融太陽ASG有限責任監査法人総括代表社員▽木下敏之前佐賀市長▽熊谷哲京都府議▽河野龍太郎BNPパリバ証券チーフエコノミスト▽小瀬村寿美子神奈川県厚木市職員▽露木幹也小田原市職員▽土居丈朗慶応大教授▽中里実東大大学院教授▽福井秀夫政策研究大学院大教授▽船曳鴻紅東京デザインセンター社長▽松本悟一橋大大学院教員▽丸山康幸フェニックス・シーガイア・リゾート会長▽水上貴央弁護士▽村藤功九州大ビジネススクール専攻長▽森田朗東大公共政策大学院教授▽吉田あつし筑波大大学院教授▽和田浩子Office WaDa代表
 【第3WG】田嶋要衆院議員▽蓮舫参院議員▽赤井伸郎大阪大大学院准教授▽荒井英明厚木市職員▽市村清新日本有限責任監査法人シニアパートナー▽小幡純子上智大法科大学院長▽金田康正甫大大学院教授▽伊永隆中首都大学東京教授▽高田創みずほ証券金融市場調査部長チーフストラテジスト▽高橋進日本総合研究所副理事長▽中村桂子JT生命誌研究館館長▽永久寿夫PHP総合研究所常務▽西寺雅也山梨学院大教授▽橋本昭アグロス胡麻郷社長▽原田泰大和総研常務理事チーフエコノミスト▽速水亨速水林業代表▽藤原和博大阪府知事特別顧問▽星野朝子日産自動車執行役員市場情報室長▽松井孝典東大名誉教授▽南学横浜市立大エクステンションセンター長▽安田喜憲国際日本文化研究センター教授▽山内敬前滋賀県高島市副市長▽吉田誠三菱商事シニアアドバイザー▽渡辺和幸経営コンサルタント
(静新平成21年11月29日(日)朝刊)

自民静岡支部長問題

 自民、県内選挙区立て直し・・・
 空席の支部長選び難航
 県連三役辞職、県議会会派分裂…
 地元慎重、公募模索も
 今夏の衆院選県内8小選挙区で全敗した自民党。政権奪還に向け選挙態勢の立て直しが急がれる中、次の衆院選で公認候補が有力となる選挙区支部長選びが難航している。
 支部長は全選挙区とも現職衆院議員が務めていたが、落選や政界引退で空席に。8区は比例復活の塩谷立氏(59)が就任し、党本部が定めた「惜敗率70%以上で65歳以下」の基準でこのほど1区に上川陽子氏(56)、4区に望月義夫氏(62)を内定。残る5選挙区は県連三役辞職と県議団分裂のあおりを受けて選考作業は遅れ、公募の動きも出てきた。
 ▼「早期に後継者を」
 柳沢伯夫氏(74)の後任を選ぶ3区支部長は公募し、選考委員会を設置して決定する方針が固まった。関係者によると、候補者の条件として旧市町村ごとの支部や複数の市町議員の推薦が必要とされるなど「すぐに選対を組める体制と実績」が重視され、候補者の顔触れは限られるとの見方が大勢だ。
 5区も斉藤斗志二氏(64)の政界引退で公募が有力だが、機関決定には至っていない。5区幹事長の遠藤栄県議は「早期の後継者決定が理想」とした上で「党本部から指示がなく、県レベルの体制も整っていない。勝つための体制づくりにめどが立たない」という。
 6区は倉田雅年氏(70)が支部長再任に意欲をみせていたが、11月の駿豆広域の党支部会合で、党本部が示した年齢条件などの基準に触れ「もう難しいだろう」との見通しを示したとされる。新支部長の選任は公募の意見が挙がっているが「6区は地域支部が多く難しい。本気で応募する人がいるのか」(沼津市議)との懸念も強い。
 ▼身動き取れず
 7区は元自民の無所属城内実氏(44)に敗れた片山さつき氏(50)の処遇が焦点。片山氏は地元で政治活動を続けているが、党浜松市浜松支部の幹部は「党本部や県連の指示があるまで行動を起こす考えはない。公募なり、何か具体的な話があれば対応するが、それまで静観する」と説明。「(城内氏が)自民に復党すると思っていた党員も多い。動けない」(同支部関係者)、「党を出た城内氏が支部長になれば党が割れてしまう」(同)などの声が交錯する。
 2区は10月に島田市内で開いた党市町支部長会議で支部長の人選を話し合ったが、結論は出なかった。党本部が支部長選考基準を「惜敗率60%以上、65歳以下」に緩和したことで、原田令嗣氏(57)が新たに条件を満たした。原田氏を内定案に加えた党本部は30日までに同意するか否かの回答を支部に求めているが、2区支部幹事長の大石哲司県議は「大事な問題であり、地元としてただちに決められる段階ではない」と慎重な姿勢だ。
(静新平成21年11月29日(日)朝刊)

2009年11月25日水曜日

自民改革会議 結成届を議長に提出

 自民改革会議 結成届を議長に提出
 自民県議団も代表者変更届
 県議会最大会派の自民党県議団から分裂した18人の県議でつくる新会派「自民改革会議」の大場勝男代表が24日、会派結成届を浜井卓男議長に提出した。新会派結成は2005年3月の民主党・無所属クラブ以来。
 浜井議長は「決断して挙に出た。切磋琢磨(せっさたくま)して、よい県政をやる目的は同じ」と述べた。大場代表は「党再生のために結束して頑張っていく」と語った。
 議員総会も開き、年1本以上の議員提案条例を策定すると決めたほか、勉強会の開催など会派運営の在り方についても協議した。
 一方、自民党県議団は自民改革会議に所属しない22人で構成。同日行った議員団総会で代表に森竹治郎氏、代表代行に天野進吾氏、会計責任者(事務局長)に中沢通訓氏を決め、会派代表者変更届などを議長に提出した。
(静新平成21年11月25日(水)朝刊)

2009年11月22日日曜日

自民静岡県連

「自民県議団新会派」
 "知事与党"勢力図激変
 自民党県議団の分裂による新会派「自民改革会議」は19日、18人の勢力でスタートした。22人が参加した今月2日の発起人会以後、県議団で取りざたされた賛同者リストは一時、26人にまで膨らんだ。だが、自民党再生の旗印に賛同しつつも「川勝平太知事への対決姿勢が強すぎる」と懸念を抱いた県議が徐々にリストから姿を消した。
 結成総会の直前、当選4期の県議が県議団控え室に集まった。リストに名前があった4人は発起人代表の小楠和男県議ら
に「新会派には加われない」と離脱を伝えた。うち1人は、取材に対し旧会派にとどまる理由を「農林水産業に目配りをしている川勝知事を高く評価したいというのが、わたしの支援者の声だ」と述べた。
 知事選で川勝知事擁立会議に加わるなど、川勝知事に近い議員が残った自民県議団は22議席で第1会派を維持。知事を全面支援する民主系会派平成21と連携すれば過半数の勢力となり、"知事与党"をめぐる議会の勢力図は塗り変わった。
 ただ、新会派の大場勝男代表は設立会見で「野党だという考えはない」と重ねて強調し、川勝知事との協調姿勢も打ち出した。発起人として奔走してきた小楠氏は県議会6月定例会の代表質問で「自民党は知事野党になった」と川勝知事との対決姿勢を鮮明にすることで党の存在感を示していただけに、新会派の独自性発揮に課題を残す船出となった。
(静新平成21年11月20日朝刊)


「白鳥浩法政大大学院教授に聞く」
 政権交代地方影響の象徴
 自民党県議団が分裂に至った背景などを、県内の政治情勢に詳しい白鳥浩法政大大学院教授に聞いた。

 衆院選で政権交代して自民党が野党に転落したことが地方に影響を及ぼした。党の国会議員の数が激減し、党再生や政
権奪還の道筋が見えない状態で、地方政治が漂流を始めた象徴と言える。
 静岡県は民主党が支持した知事が誕生しただけに、自民党の地方組織のメルトダウン(溶解)がより加速しているのではないか。権力という求心力でまとまっていたたががはずれ、立ち位置が定まらず、一枚岩でいられなくなってしまった。
 今後は民主党との対立軸をつくらなければならない。政府の事業仕分けを見ても民主は哲学を持った政策が見えない面がある。県議会の自民系会派が首尾一貫の政策を打ち出せれば、その姿勢が県民に理解され国政にも反映することができるはず。
(静新平成21年11月20日朝刊)



 役員選考委体制
24日以降協議へ 自民党県連
 自民党県連は19日、県議団総会を静岡市内で開き、10月の三役辞任から空席状態が続く役員人事について、新たな三役を選出する選考委員会の体制を早期に固めることを決めた。
 自民党県議団、新会派の自民改革会議の両会派の代表者、赤堀佐代子県連筆頭副幹事長の計3氏で選考委員会の人数や日程などを決める。24日に自民改革会議が会派設立届を提出し、正式に設立するのを待って協議に入る。
(静新平成21年11月20日朝刊)


 自民党支部長選定 県連おおむね了承
 自民党県連は19日、先の衆院選で落選した小選挙区のうち党執行部が内定した県内支部長の選任案について、おおむね了承する方針を決めた。
 執行部は衆院選の惜敗率が70%以上、65歳以下とする基準を基に、県内については1区の上川陽子氏と4区の望月義夫氏を、次期衆院選公認候補の前提となる支部長に内定した。
 県連は市町支部や県全議員に選任案を通達し、19日までに文書で回答するよう要請していた。全国では計53人を内定。党本部は各都道府県連から同様に意見を求めて集約し、20日にも正式発表する見込み。
(静新平成21年11月20日朝刊)

2009年11月21日土曜日

民主・土田氏比例へ

静岡政治・経済
民主・土田氏比例へ 来夏参院選 現職対決回避方針
11/21 07:36 (静新webnews)
 10月の参院静岡選挙区補欠選挙で当選した民主党の土田博和氏(60)について、同党選対幹部が改選を迎える来年夏の参院選挙では比例代表候補として擁立する方針を県連側に伝えてきたことが20日、関係者への取材で分かった。
 方針が変わらなければ、既に党公認を得ている藤本祐司氏(52)との“現職対決”は回避される見通し。ただ、小沢一郎幹事長が2人区以上は複数候補を擁立する姿勢を示しているため、静岡選挙区(2議席)の候補が藤本氏一人に絞られるかは不透明な情勢だ。静岡選挙区への2人擁立について、党幹部の一人は「今後の検討課題だ」とした。
 参院補選の結果、同党は来年夏改選の参院静岡選挙区の議席を独占。意気上がる一方で、県連内には「現職同士のつぶし合いになるとしこりが残る」と来夏の選挙への対応を不安視する声もくすぶっていた。

2009年11月20日金曜日

県会自民分裂し新会派

県会自民分裂し新会派
18人が「自民改革会議」
県議会最大会派「自民党」(40人)から分裂してできる新会派の設立総会が19日、県庁で開かれ、18人が出席した。新会派名は「自民改革会議」。24日に議会事務局に届け出て正式に発足する。ただ、当初予想された最大会派となるには至らず、川勝県政への対応や議会での主導権を巡り、今後議会内で会派間の駆け引きが激しくなりそうだ。

 総会に出席したのは、1期目の6人全員を始め、4期までの若手・中堅議員が大半を占める。総会では、大場勝男氏(64)(掛川市選出)が会派代表に就任することが決まったほか、新会派設立の中心となってきた同党県連の小楠和男・前幹事長(48)(浜松市南区選出)と大石哲司・前政調会長(70)(牧之原市・榛原郡南部選出)がともに副代表に就いた。
 総会後、新会派のメンバーはそろって記者会見。大場代表は「県民の目線に立って、県民の幸せのために政策集団として努力していく」と会派の目的を説明。川勝知事に協調的な議員が旧会派にとどまったのに対し、新会派のメンバーは川勝知事に批判的とされる点について、大場代表は「(新会派は)知事に反対する勢力ではない。知事の応援団として、支えるべきは支え、行き過ぎるところはチェックする」と述べた。
 旧会派との違いについて、小楠副代表は「9月定例会で空港部廃止議案に対し一枚岩で臨めなかったことが、新会派設立の大きな理由。党の規約を守って活動することが(旧会派との)違いになる」と述べた。

 今月2日の新会派発起人会には同党の議員22人が出席したが、19日は4人が参加しなかったことについて、大場氏は「多い方がいいが、政治家の判断なので引き留めなかった」と語った。

 その後、自民党県連の議員団総会が静岡市内のホテルで開かれ、小楠氏ら県連三役の辞任を塩谷立・県連会長が正式に受理したことが報告された。新三役の選考方法は、新・旧会派の代表と、県連筆頭副幹事長の赤堀佐代子県議の3人で協議して決めることを申し合わせた。

 大場、小楠、大石氏以外の新会派メンバーは次の通り(敬称略)。
 田島秀雄、小野登志子、宮沢正美、杉山盛雄、天野一、山田誠、前沢侑、中野弘道、落合慎悟、藪田宏行、赤堀佐代子、大橋正己、竹内良訓、中沢公彦、鈴木利幸

(2009年11月20日 読売新聞)

2009年11月16日月曜日

自民党県議団分裂

 自民党県議団分裂
「政策提言で存在感示せ」
 静岡県議会の最大会派自民党県議団(40人)の若手、中堅を中心とする県議が19日、新会派を結成する。新会派に加わる県議は二十数人に達する見込みで民主党系の平成21(21人)や、もともとの自民党県議団を上回って最大会派になるとみられる。
 会派分裂は、知事選、衆院選の敗北や県空港部廃止への対応をめぐって県議の間に亀裂が生じたのがきっかけだ。県議が結束できないまま、会派を存続させても党再生にはつながらないと新会派結成に動いた。
 新会派も、自民党県議団も自民党に変わりないが、県議会の会派活動は別々の道を歩むことになる。両会派とも、まずは政策集団に脱皮することを求めたい。
 野に下っての会派分裂は自民党衰退の象徴という見方をされてしまいかねない。なぜ、新会派をつくるのか、支持者への丁寧な説明が必要だろう。
 長年、議席の過半数を握り、知事与党の座を占めてきた自民党県議団には、チェック機関としての立場が希薄だったことは否めない。知事部局の根回しで、自民党の意向をくんだ県の施策はほぼ提案通り実現し、県議会は事実上"追認機関"となっていた。
 自民党県議団は、川勝平太知事の県政運営に対し「是々非々で臨む」と強調してきた。しかしそれを実践するには、何よりも議会活動で存在感を発揮しなければならない。チェック機関本来の役割を果たすとともに政策提言を競い合うことが重要だ。
 県議会で、議員提案の政策条例が制定されたのは、4年前の「食と農の基本条例」がわずかに一件あるだけ。県議には政策の調査研究のため、1人当たり月額45万円の政務調査費が会派に交付されている。政策の提言、提案は議員の本分だが、それを怠ってきたと言わざるを得ない。県議会で主導権を握り続けてきた自民党の責任は重い。
 同党県議団は最大会派の強みを生かし、議長や副議長をはじめ、多くの常任、特別委員長、監査委員などの要職を占めてきた。会派の県議が多いこともあり、議会ポストや幹事長などの県連役員は当選回数を示す期数や東中西のバランスを重視してきた。
 こうした会派運営は県議の間にとかく「当選回数第一」という風潮を生み、政策をテーマにした党内論議などが活発化してこなかった一因になったのではないか。
 会派分裂で、来年行われる参院選をどう戦うのかという問題もある。二つの会派はよほど奮起しないと党再生はおぼつかない。
(静新平成21年11月16日「社説」)

2009年11月14日土曜日

沼津市平成20年度決算のあらまし

中国の文化大革命のつるし上げみたいだ。

 世論は味方だが・・・・・
 仕分け人は結果責任から逃れられぬ
 静岡新聞主筆 原田誠治
 真っ正面から踏み込み「廃止」を連発する事業仕分けに役人から「公開処刑だ」という声があがったと伝えた新聞もある。
 政府、民主党の行政刷新会議の事業仕分けはすさまじい。まるで劇場だと報じた新聞もある。
 税金の無駄遣い排除にもちろん異論ないが、1事業1時間という短い時間で無駄か否か決められるのか。そんなに単純な理念理由で事業が設定され、予算がはりつけられているはずがない。
 その処方箋(せん)によってどんな結果になるか、仕分け人は結果責任から放免されはしない。
 法廷の被告人質問のようだ
 世情はいつからこんなに冷酷になったのか。この目で確かめようと大勢集まるのは結構だが、官僚たたき、役人いびりの現場を見てやろうという社会的空気がある、という話は穏やかではない。
「まと質問に答えられない役人を見て溜飲(りゅういん)を下げた」「仕分け人の切り込みは小気味よかったね」の傍聴評に異様さが漂う。
 「公開」の場、衆目の前という舞台設定が仕分け人を異常に勢いづける。昂(たか)ぶって説明役の役人に噛(か)みつく場面が生まれる。独立法人・女性教育会館の6億円予算をめぐって女性参院議員が突っ込み、「利用者はどれくらいか」「そのうち宿泊はどの程度か」「一般人の宿泊はどれほどか」と速射砲のように質問をあびせつづけた。
 法廷の被告人質問のような畳みかけに会館の女性担当者が「待ってください。自分の質問ばかりで…私の説明も聞いてください」と泣きだしそうになった。
 さすがに傍聴者の中に「仕分け人は役人攻撃が目的なのか」「役人をいじめているみたいだ」と同情の声が上がった。
 職務権限はない民間仕分け人
 この事業仕分けには分からないところがたくさんある。
 まず、仕分け人と呼ばれる人たちの資格だ。民主党議員は国民の選挙によって選ばれた人たちで、しかも行財政に長けた人を充てたようだから文句はない。
 民間有識者はどうか。確かに立派な肩書きと専門知識を持ち合わせた人たちだが、行政刷新会議が恣意的に選任したもので、国民新党の亀井静香代表からクレームがついた小泉政権で金融庁顧問だった川本裕子早大院教授ら一部を除けば民主党シンパの集団だ。だから、厳密に「第三者」とはいえない。もちろん国民を代表しているともいえない。
 その民間人が国家の事業・予算の存廃、修正を決定づける力は何を根拠に与えられるのか。法律上の資格、職務権限がない人たちが三権分立の原則に沿って行政が立案した事業・予算の存廃を判定する根拠は何だろう。
 役人も目覚めよ無駄遣いの罪
 ついでながら、民間シンクタンクが判定者を務める地方自治体の事業仕分けも気がかりはある。
 地域の実情を知らない人たちがただ効率や金嵩の多寡で切り分ける。どんな事業、制度にも地域の事情や歴史的背景がある。それを無視した仕分けに市民の反発を受け中断した自治体もある。
 今回もその事業・予算につながる人たちの意見を後回しにしている。時間的制約があるのだろうが全くの"欠席裁判"だ。人にやさしい政治の看板が泣いてしまう。
 政治主導とは政治責任を貫くことだ。国の事業は長期的視点も必要だから存廃判断の処方箋づくりは政治家がやるべきだ。それも清新な意識の人たちこそ鋭い判断ができる。初当選の国会議員を外した小沢幹事長の判断は間違いだ。
 公開の場で税金の使途にメスが加えられるのは画期的だが役人への見せしめにしてはならない。民間仕分け人方式を貫くなら仕分けの基準づくりを急ぐことだ。
 役人は税の無駄遣いの罪深さに目覚めよ。仕分け開始に合わせ会計検査院に史上最多の無駄遣いを暴かれてはお話にならない。
(静新平成21年11月14日「大論小論」)

2009年11月13日金曜日

「自民県連三役辞任であるじ不在」

「自民県連三役辞任であるじ不在」
”本丸”役員室消滅の可能性
 会派分裂 利用法が焦点
 県議会最大会派・自民党県議団の控室の一つで自民県連三役が役員室として使っている部屋が、10月の三役辞任以降、あるじ不在の状態が続いている。県議団は路線対立から2会派に分かれる見込みで、自民の混乱ぶりを象徴するように、歴史ある役員室が消える可能性が高まっている。
 役員室は県庁本館にあり、1937年の建設当時は知事室として使われた。70年に知事室が東館に移った後、約40年にわたり自民会派が使用してきた。県連幹事長経験者は「議会をけん引してきた県議団、県連の双方にとって本丸といえる場所」と位置付ける。
 控室は会派の所属県議数に応じた面積配分で決まる。40人の大所帯だった県議団の控室は6室あり、二十数人が旗揚げする新会派と残留組の現会派とで再配分されるため、役員室をどう利用するかが焦点の一つ。県議会事務局は「新会派が設立された段階で、両会派で対応を協議してもらうしかない」という。
 役員室をめぐっては、どの自民県議も「党と県議会会派が一体だったから役員室として利用できた。会派が分かれる以上、役員室は返上するしかない」と見解はほぼ一致する。
 今後の利用法についてベテラン県議は「他会派の理解が得られれば、自民系両会派共通の応接室としての活用もある」と提案。中堅県議は「役員室も含めて、現在の自民党県議団の控室を物理的に二つに分ければよい」との考えを示す。
 新会派の設立総会は19日。その後、議員控室の再配分など12月定例会(30日開会)に向けた対応が会派代表者会議などで始まる。
 「役員室がなくなることは、言い方は悪いが自民本丸の落城。政権交代して自民が野党になった波が地方にも強く出ている」。ベテラン県議は党再生に向けた険しい道のりをぼやいた。
(静新平成21年11月13日(金)朝刊)

2009年11月11日水曜日

自民党公認問題

 高惜敗率落選者公認へ 谷垣総裁
 自民党の谷垣禎一総裁は9日、都内で講演し、次期衆院選の公認候補となる小選挙区支部長の選任に関し、比例区との重複立候補で落選した人についても「惜敗率が高く、本人に意欲があれば早く支部長にしようと思っている」と述べ、惜敗率が高い場合は、早期に支部長としたい考えを示した。
 谷垣氏はまた、現職119人に加え、高惜敗率の落選者を支部長に選任しても、支部長が空席のままとなる選挙区は100程度に上るとの認識を示した。これに関し大島理森幹事長は同日、「(現職以外は)ルールにのっとり今週中に発表したい」との考えを示した。執行部は現職がいない選挙区の支部長選任基準について「惜敗率70%以上、65歳以下」などとすることを検討している。
(静新平成21年11月11日(水)朝刊)

道路幅、自治体が決定。

 道路幅、自治体が決定
車線数や歩道設置も 通常国会で法改正へ
 国土交通省は10日、地方自治体が整備する都道府県道と市町村道の幅や車線数、歩道の設置などについて、自治体が地域の実情に応じて自由に条例で定められるよう道路法を改正する方針を固めた。来年の通常国会に提出する「新分権一括法案」に盛り込む方針。
 トンネルの高さや橋、高架の強度など、円滑で安全な交通を確保するために必要な最低限の項目を除いて自治体に任せる。「山中の道路でも両側に幅2㍍以上の歩道がある」などと批判される画一的な道路整備を見直すのが狙い。
 道路法の道路構造令は幅などを細かく規定しており、国交省は自治体が構造令に縛られずに整備できるよう「地形上の問題でやむを得ない場合は歩道を設置しなくてよい」などの柔軟規定も設けている。しかし自治体側が「構造令と同じでないと補助が受けられない」と誤解するケースもあり、規定を使い切れていないのが実情だ。
 このため国交省は、自治体の責任で整備する道路に限り、条例で幅などを定められるようにする。具体的には、構造令を参考基準として残したまま「条例で技術的基準を定めることができる」などの文言を道路法に加える方向で調整する。
 改正は、道路の構造基準を廃止するか条例に委任すべきだとする地方分権改革推進委員会の第3次勧告を受けた措置。
(静新平成21年11月11日(水)朝刊)

2009年11月8日日曜日

富士市長選

民主・自民相乗り、鈴木氏を推薦 富士市長選
11/08 07:46 (静新webnews)
 民主党県連と自民党県連は7日までに、任期満了(来年1月18日)に伴い12月13日に告示される富士市長選(12月20日投開票)に、3選を目指し出馬を表明している現職の鈴木尚氏(62)の推薦をそれぞれ決めた。
 同氏に対しては公明党も政策協定を結び、党本部に推薦を申請している。
 同市長選に出馬を表明しているのはこれまでのところ鈴木氏だけ。

2009年11月7日土曜日

自民新会派22人参加へ

自民新会派22人参加へ
県会最大会派に名称「党改革会議」など候補
 県議会最大会派「自民党」の分裂問題で、会派を離脱して新会派の結成を目指すメンバーの顔ぶれがほぼ固まった。所属する40人の議員のうち、6日時点で22人が参加するとみられ、1人だけだが第2会派「平成21」(21人)を上回って最大会派となる見通し。新会派名は「自民党改革会議」などが候補に挙がっている。1~4期の若手・中堅議員が約9割を占めることになりそうだ。

 6日までに固まった新会派への参加メンバーは、1~6期の男性20人、女性2人。1、3、4期からの参加者が多く、計17人を占める見通しだ。22人の平均年齢は58・9歳。7月の知事選で党県連の方針に反して川勝平太氏の擁立に動き、文書による注意処分を受けた5人の議員の中からも参加者が出る見込みだ。

 これに対し、旧会派メンバーは1~8期の男性17人、女性1人の計18人となる見込み。平均任期は5期とベテラン組が多く、平均年齢は63・4歳だ。

 自民党はこれまで単独で県議会の総定数(74)の過半数を占め、議会では川勝県政に対し野党の立場をとってきたが、先の県議会9月定例会では、党議拘束をかけて「反対」を決めたはずの県空港部廃止条例案に対し、所属議員の一部が造反して賛成に回るなど、川勝知事との協調を目指したとみられる動きが表面化していた。

 今回、旧会派に残るメンバーが川勝知事に協調的な議員が多いとみられるのに対し、新会派に参加するメンバーは川勝知事と距離を置くか、批判的。川勝県政に対するスタンスの違いがもはや覆いがたくなったことが、分裂の主な理由とみられる。

 一方、各議員の選出選挙区ごとにみると、同一選挙区に複数の自民党議員がいる10選挙区のうち8選挙区で議員が新・旧会派に分かれることになる。県内では、先の衆院選や参院静岡選挙区補選を通して自民党や支持組織の退潮・衰退傾向が浮かび上がった。こうした流れの中で、約1年半後の県議選を見据えて生き残りを図ろうとする思惑も、今回の分裂の背後に見え隠れする。

 新会派は19日に旗揚げ予定だが、それまで新旧両会派間で綱引きや切り崩し工作が水面下で続けられるとみられる。

(2009年11月7日 読売新聞)

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県議会:自民県議団、「単独過半数」が崩壊 知事は「少数与党」解消へ /静岡
 ◇30日開会 路線対立しこりも
 県議会の12月定例会は30日開会する。会期は12月21日までの22日間。川勝平太知事は就任後3回目の県議会で、自民党県議団の会派分裂で「少数与党」状態が解消される見通しとなった。一方、1966年以来守ってきた自民党県議団の「単独過半数」は崩壊。新たに旗揚げする会派が「反知事」を鮮明にすれば、現行会派は「知事与党化」をにじませる。路線の対立は感情のしこりも生んでおり、分裂劇は議会だけでなく、「党再生」がかかる県連運営の火種にもなりそうだ。【浜中慎哉、望月和美】
 □巨大会派が消滅
 6日夕、自民党県議40人のうち、2日に旗揚げを表明した同党新会派に合流しない予定の2~7期の14人が県議会内で会合を開いた。約30分間話し合い、「仮の代表」として森竹治郎県議(下田市・賀茂郡、7期)を選出した。
 過去、県議会の自民党県議団を大きく揺さぶったのは93年の旧新生党の結党だった。当時、自民党を離党した熊谷弘元通産相に近い同党県議11人が「新静会」の結成に走った。
 それでも当時の県議会の定数78に対し自民党は41人を擁し、単独過半数を維持。県議会での影響力も保った。ところが今回は様相が異なる。一部の離脱でなく、40人のうち20人以上が新会派に加わる見通しで、定数74の単独過半数37人以上をどちらの会派も確保できそうにないためだ。
 □勢い増す知事与党
 県が12月定例会に提出予定の主な議案は、2月23日を「富士山の日」に制定する条例案など。日本航空の静岡空港撤退問題や、県の事業仕分けの結果をどう来年度予算案に反映させるのか、などもテーマになりそうだ。
 知事与党は現在「平成21」(21人)と「民主党・無所属クラブ」(4人)の2会派で、平成21の三ツ谷金秋会長は「残留する自民党会派と同じスタンスで議案に臨み、問題点があれば一緒に協議したい」と期待する。
 自民党の現会派に残る意向の中沢通訓県議も「平成21も含め他会派との協調は十分ありうる」と連携をにじませる。公明党(6人)は明確な反対姿勢をとっておらず、川勝知事にとって議会対応はやりやすくなりそうだ。

県内政経記事

平成21年11月7日(土)県内静新政経記事
 自民県議団 新会派不参加組が会合
 代表に森氏就任へ
 県議会自民党県議団の分裂で結成される新会派に参加しない県議が6日、県庁で会合を開いた。結束して自民県議団を継承することを確認し、離脱者が確定して以降の会派代表に森竹治郎氏(下田市・賀茂郡)が就任することを決めた。
 会合には14人が参加し、2人は事前に欠席を伝えていたという。当面は会合などを開かず、新会派の動きを静観することを決めた。
 会議後に、代表代理を務める予定の天野進吾氏(静岡市葵区)、事務局を担当する中沢通訓氏(静岡市清水区・庵原郡)が会見した。中沢氏は「自民党再生にまとまるべき時期に、分裂は理解できない」と新会派の動きを批判。天野氏は「公明党も平成21も敵対視すべきでなく、県勢発展に向け(新会派より)わたしどもの方が連携しやすいのではないか」と述べた。

 「副議長平成21から」
 三ツ谷会長 自民分裂で方針
 平成21の三ツ谷金秋会長は6日、自民党県議団から分裂して結成される新会派誕生後の同党県議団(旧会派)との連携強化の方針に関連し、「旧会派から議長、平成21から副議長を出したい」との考えを明らかにした。
 これまで正副議長は単独過半数を占める自民が独占してきた。分裂後は新会派が最大会派になる見通しだが、平成21と自民県議団、民主党・無所属クラブで過半数を占め、正副議長選で連携すれば、ポストを分け合うことが可能になる。
 三ツ谷会長は自民県議団との連携について、「過半数が取れなければ意味がない」とし、最終的に新会派がどの程度の規模になるのかを注視する姿勢を示した。また、川勝県政の安定化に向け、公明党にも協力を働き掛けているという。

 30日から12月定例会 県議会議運
 県議会議会運営委員会(大場勝男委員長)が6日開かれ、12月定例会の日程を11月30日から12月21日までの22日間と決め
た。県人事委員会勧告などに伴う給与関連議案を11月末までに議決する必要が想定されるため、当初予定より開会日を1日繰り上げた。代表・一般質問は12月4、7~10日、常任委員会は14、15日に開かれる。

 民主県連が原氏推薦 裾野市長選
 民主党県連は6日、任期満了に伴って来年1月17日告示される裾野市長選(1月24日投開票)で、無所属で出馬を表明している県議の原文雄氏(66)11平成21=の推薦を決めた。

 地域医療再生基金 修正計画を国に申請
 県 交付の大幅減額受け
 2次医療圏単位の地域医療再生計画を支援する国の「地域医療再生基金」が補正予算の見直しで大幅に減額されたことを受け、県は6日、修正を迫られていた中東遠と志太榛原、駿東田方の計3医療圏の再生計画を、国に申請した。
 再生基金をめぐっては当初、県は100億円交付枠に中東遠医療圏の再生計画、25億円交付枠に志太榛原と駿東田方の両医療圏の再生計画を、申請する予定だった。しかし、補正予算見直しに伴い厚生労働省が一律25億円交付に改めたため、中東遠の計画は抜本的見直しが必要になっていた。
 中東遠の修正計画では掛川、袋井の両市立病院統合(2012年度開院予定)に伴う病院間の機能分担などを目的に、新病院に設置する「循環器・脳卒中センター、糖尿病拠点施設整備」に9億3千万円、磐田市立病院に整備する「腫瘍(しゅよう)センター整備」に2億2千万円などを盛り込み、全県事業として国内では少ない家庭医の養成に向けた研修と研修施設確保による医師確保対策に8億4千万円を充てる。新病院のハード整備の一部と、奨学金制度などを見直した。
 国は有識者会議を経て12月中旬に交付先を内示する予定。県医療室は「100億円枠がなくなったことは今も残念。各市と病院と協議して必要性のある事業を優先し、計画を見直した」としている。
(静新平成21年11月7日(土)朝刊)

2009年11月6日金曜日

新スキャンダル

国会で与野党が激しい論戦を繰り広げるなか、鳩山由紀夫首相と民主党の小沢一郎幹事長が、カネにまつわる新スキャンダルに見舞われている。小沢氏には政治資金パーティー券収入に関し、政治資金収支報告書に虚偽記載していた疑惑が浮上。鳩山首相は「秘書と議員は同罪」とする過去の発言が民主恒例の“ブーメラン”となって、四苦八苦しているのだ。党内からは「短命に終わった細川政権の二の舞いになるのでは」(中堅)との声も出ている。

記事本文の続き 5日の朝日新聞朝刊が「小沢氏団体 虚偽記載の疑い」と1面トップで報じた小沢氏に関する新疑惑は、要約すると以下の通り。

 〈小沢氏の関連政治団体『小沢一郎政経研究会』(政経研)は、2000-04年のパーティー券収入について、企業に政治資金規正法で定められた『1企業あたり1回のパーティー150万円』とする購入上限額を超える金額を要求し、支払いを受けた。しかし、政治資金収支報告書では、その企業名での記載は150万円以下で、支払いとの差額は、企業名の記載義務がない20万円以下の小口分に分散していた疑いがある。東京地検特捜部も同様の経緯を把握している〉

 収支報告書によると、政経研は毎年4回ずつ、「小沢一郎政経フォーラム」というパーティーを開催。収入は計約6億9000万円で、うち購入者名がない小口は約6億4000万円だった。当時の収支報告書を担当していたのは、元秘書の石川知裕民主党衆院議員。

 同紙によれば、企業側が同紙に回答した額が150万円を超えたのは4件で、企業名の記載が必要な20万円を超えて購入したが、その記載がなかったケースもあった。企業回答に比べ収支報告書の記載が過小だったのは少なくとも8件、630万円だったという。

 小沢氏をめぐっては資金管理団体「陸山会」をめぐる違法献金事件のほか、陸山会が04年に購入した土地の代金を翌年の収支報告書に記載していた問題で4日、市民団体が特捜部に石川氏ら3人に対する政治資金規正法違反容疑で告発状を提出する事態も起きている。

 自民党関係者は「民主党はマニフェストで、パーティー券を含む企業・団体献金の全面禁止を掲げたのに、政経研は10月30日にパーティーを開き、企業関係者も多くいたと聞く。矛盾していないか」と指摘する。

 一方の鳩山首相は連日、衆院予算委員会で炎上中だ。4日には03年7月、自身のメールマガジンで「秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべき」と語っていると指摘されたうえ、「政治団体の代表者が会計責任者の選任、監督について相当の注意を怠った場合は、50万円の罰金になる。罰金刑になれば議員生命にかかわる」と迫られると、首相は「その時に判断したい」とタジタジに。

 さらに首相は、偽装献金の原資が、鳩山家の資産管理会社が管理する資金だったことや、流用指示の書面に首相自身が署名した事実を明言。政治家による資金管理団体への1年間の献金上限額は1000万円とする規正法の「量的制限」を認識していたことも認めたのだ。

 自民党の大島理森幹事長は「本質にかかわる問題が出てきた。首相は中身を全部知っているはずだ。集中審議を求めて、全容を明らかにしていかねばならない」と意気込むが、果たして疑惑は解明されるのか。
(イザ版ニュース平成21年11月6日(金))
 

11月6日政治記事

 二階派が伊吹派に合流
 自民 自民党の二階派(会長・二階俊博選対局長)が5日、伊吹派(会長・伊吹文明元幹事長)に合流した。正式名称は現在の伊吹派の「志帥会」を継承。会長も引き続き伊吹氏が務め、二階氏は会長代行に。事実上、8月の衆院選で衆参計3人の小所帯となった二階派の救済合併で衆院選惨敗と野党転落で環境が激変、苦境にある派閥の現状を象徴する出来事となった。
 合流後の志帥会は衆参計18人となり、7派閥中、第4勢力となる。伊吹氏は発表の記者会見で「互助機関として助け合うには数が多い方がいい」と説明。二階氏も「次の選挙で同志が戦う際に協力していきたい」と述べ、ともに「選挙互助会」を強調した。
 最大派閥は町村派だが、衆院選後に小池百合子元防衛相、総裁選に出馬した西村康稔氏が退会。かつて派閥継承者に目された中川秀直元幹事長が10月末に「脱派閥の新しい政治の確立に向け力を尽くしていきたい」と退会した。

 自民県連 三役人事は19日以降
 自民党県連は5日、幹部らが都内で会合を開き、現在空席となっている県連三役の人事について、県議団から離脱した新会派が総会を開く19日以降に決定する方針を確認した。赤堀佐代子筆頭副幹事長らが塩谷立会長を訪ねた。
 塩谷会長によると、新会派による総会や新旧会派双方の代表者の決定を待って議員団会議などを開催し、県連大会で新三役を承認する流れになる見込み。会合では県議団分裂に至った経緯も報告されたとい
う。
 党県連三役は、県議会9月定例会の空港部廃止条例案をめぐって造反が出た責任を取り、辞表を提出した。県議団内でもあつれきが増し、分裂が決定的となっている。
 塩谷会長は「こうした事態になった以上、ばたばたしても仕方ない。いかに前向きに進むかだ」と冷静な姿勢を強調した。

 分裂の自民県議団発起人が規約協議
 県議会の自民党県議団(40人)を離脱して新会派設立を目指す発起人代表6人が5日、県庁で会合を開き、規約案を協議した。新会派の名称に「自民」の言葉を入れる▽「政策立案」「選挙対策」を検討するPT(プロジェクトチーム)の設置ーなどを決めたという。
 PTは会派として政策を考え、自民党市町支部などとの連携を図るのが狙い。新役員や会派名称などは19日に開く設立総会で決定する。
(静新平成21年11月6日(金)朝刊)

2009年11月4日水曜日

民主「脱官僚」怪しく

 民主「脱官僚」の旗怪しく 屋山太郎
 郵政社長は典型的「渡り」
脱官僚、地域主権の確立をマニフェストに掲げ大勝した民主党だが、脱官僚の旗が怪しくなってきた。脱官僚の入り口は天下り禁止、渡り根絶だが、鳩山内閣は日本郵政の社長に元大蔵省事務次官の斎藤次郎氏をもってきた。加えて副社長に足立盛二郎元郵政事業庁長官、坂篤郎前内閣官房副長官補を据えたのには唖然とした。党の象徴的政策でこのような公約破りをするようでは民主党の支持率が下がるのは当然だ。2日に発表された共同通信の支持率は前回より10%も下がったが、この約束破り人事が影響しているとみていい。
 亀井静香郵政担当相の独断人事だとか、斎藤氏は14年間も民間にいたなどと、鳩山首相は弁解している。しかし斎藤氏のケースは典型的な渡り人事であり、坂氏のケースはまぎれもない天下り人事だ。亀井氏の独断であろうがなかろうが、民主党が泥をかぶらねばならない。
 鳩山氏の政権運営手法は各大臣に自由にやってもらうということのようだが、首相は肝心要のところでは自ら断を下さねばならない。政権発足50日にしては政治が急速に動いている観がある。これは事務次官会議を廃止して各省を大臣、副大臣、政務官の政務三役会議で仕切っているからだろう。
 しかしこの体制は三役会議がその省の仕事を理解し、人事も掌握していることが前提だ。さらに政権全体の流れに沿っているかどうかの判断も不可欠だ。
 しかし亀井郵政担当相は民主党の掲げた脱官僚という大義に明らかに反して行動している。郵政改革の内容についても、元の官営にはしないというだけで郵政公社復活の兆しを見せている。本来、郵政事業と全く無縁のかんぽの宿も丸抱えし、郵便局員に老人の家に出向いて"声かけ運動"をさせようとの動きまである。福祉事業はまさに地方自治体の仕事であって、地域によって千差万別だ。それを中央集権的に福祉業務を郵便局に背負わせるのか。
 日本郵政を財務省が占拠したことによって、財務省の地方行政、金融、予算にかかわる権力は一段と肥大化した。民主党が小沢一郎氏に完全掌握されたのと同様、財務省の全官僚支配は復活どころかより強固なものとなった。
 道は一つ、全次官の更迭
 菅直人副総理が担当する国家戦略室は民間人や官界から改革派の人物をリクルートしようとした。ところが官界と対立したくないという松井孝治官房副長官(経済産業省出身)の横やりで人事が覆った。改革を願望する若手官僚はたくさんいるが、うっかり国家戦略室に入れば将来を危うくするとの機運に包まれている。「脱官僚」といい「政権をとったら局長以上の方の辞表を預かる」(鳩山首相)といっていたのに、選挙中に記者会見で民主党の農政を批判した井出道雄農水省次官まで留任させたのは大失敗だった。これで官僚はこれまで通り次官、局長の顔色さえ窺っていればいいということになった。大臣の意向に忠実でなければ任をはずされる、降格される立場に立たされてこそ、官僚の大臣に対する忠誠度が担保されるのだ。
 亀井氏は郵政肥大化にお墨付きを与えた。前原誠司国交相は日航(JAL)を国営化するが如くである。何十年も前からいわれたことだが、日航は民事再生支援法でも会社更生法でも助からない。破産法を適用してやり直すしかないのだ。鳩山内閣は脱官僚といいつつ、天下りを認め、巨大な国営企業を創り出す趣だ。この空気を一新するためには正月を期して全次官を更迭してやり直す荒業しかない。(政治評論家)
(静新平成21年11月4日「論壇」)

2009年11月3日火曜日

自民県議団が分裂

自民県議団が分裂 若手ら19日に新会派
 県議会最大会派の自民党県議団(40人)の若手を中心とした県議が、19日に新会派の設立総会を開くことが2日、分かった。1~6期の県議二十数人が賛同するとみられる。自民党籍は残すという。
 新会派は自民再生を前面に、「保守本流の自民の自覚と責任」「川勝県政への是々非々の立場」「政策集団としての活動」などを掲げる。
 静岡市内で2日開いた発起人会で方針を固めた。発起人代表は小楠和男、大場勝男、大石哲司、杉山盛雄、山田誠、中沢公彦の6県議が務め、新会派の名称や役員などについて協議する。
 発起人会後に会見した小楠県議は「自民党は野に下った。政権交代可能な政党として踏ん張ることが必要。地方組織としてアピールしていく」と述べた。
 自民県連では、知事選の候補者擁立作業や衆院選をめぐって県議を処分。また県議会9月定例会で空港部廃止条例案否決の党議拘束に反する動きが表面化するなど、県議団内のあつれきが激しくなっていた。

新会派「再生」アピール
 自民党県議団分裂 非賛同者「溝深い」と批判
 自民党県議団の若手県議らは2日、県議団総会終了直後、別会場に集まって発起人会を開き、新会派結成を決めた。自民再生をアピールする若手。一方で、賛同の意思のない県議らは「深い溝ができた」と会派分裂を批判した。
 「自民再生に向けた具体的な道筋が見えない。行動するしかない」。発起人代表の小楠和男県議は、当初想定していた会派内の政策集団ではなく、新会派結成に至った経緯を説明した。若手県議は「再生するには一から始める姿を見せなければいけない」と新会派の意義を強調した。
 関係者によると、発起人会に出席した県議は1期6人、2期2人、3期5人、4期6人、5期以上3人の計22人に上ったという。
 一方、賛同の意思を示していない県議の1人は「同じ党を支えてきた中で一方的なスタートという印象。突然の分裂劇は理解しがたい」と話す。別のベテラン県議は「割れた茶わんは元には戻らない。かみしもを着て若手と接し、腹を割って話す機会が少なかったわれわれにも原因はある」と語った。
 議員団総会は知事選以降の自民党県連内の混乱について意見を交わした。三役の辞意表明を受けて空席となっている新役員選考などの対応について、塩谷立県連会長と天野一県議団総会長らが5日に協議することを決めた。
(静新平成21年11月3日(火)朝刊)

2009年11月1日日曜日

旧田中派復活の民主

「旧田中派復活の民主」(政考政読)
 見えない首相の意志
 「初当選して意気込んで国会に来たら、派閥(自民党旧田中派)で『君らの仕事は、次の選挙で勝つことだ』と言われた。われわれは違う。新人議員からベテラン議員まで、一人一人が独立し、考え、行動する党だ」鳩山由紀夫首相が、1996年秋の旧民主党発足前後に、演説などで頻繁に訴えた言葉だ。
 13年後、民主党は悲願の政権交代を実現、鳩山氏は首相となり、旧田中派のオーナー故田中角栄元首相の秘蔵っ子である小沢一郎幹事長が党をまとめる。
 その小沢氏は、新人議員に「まず次の選挙で当選するための活動を」と訓示した。党幹部も競うようにつじ立ちなど選挙区での活動に取り組むよう指示、当選から臨時国会召集までの約2カ月間で、国会に来たのは数えるほどという新人議員もいる。
 選挙最重視の"小沢思想"が徹底する民主党の雰囲気は、まるで「旧田中派」が復活したかのようだ。だからこそ、「大学のサークル」とからかわれた民主党が、政権に就けたというのも事実だろう。
 だが、行政刷新会議で「事業仕分け」を担当するワーキンググループには、当初は政策に詳しい新人議員も参加することになっていたのに、党側が党の研修への参加を優先させるよう要求、結局見送りとなった。首相自らが「必殺仕分け人」と激励、作業にも着手していたのに、である。
 旧田中派の"伝統"には、「考え、決めるのは派閥幹部。それ以外の議員は黙って従う」もある。それが徹底されたからこそ「鉄の団結」と評されたのだが、若き鳩山氏が疑問を抱いていたことは、冒頭の言葉からもうかがえる。
 民主党は「政策決定の一元化」方針に基づき、政策調査会を廃止した。もちろん国会での法案審議はあるが、これも政府に入った"政策分野幹部議員"が考えるから、それ以外は賛成していればいいという仕組みにみえる。議論して当然の政策でさえそうなれば、党運営などがどうなるかは、推して知るべしだろう。
 自民党の政治を批判し、新しい政治をつくると訴え続けてきた首相は、本当に今の民主党の姿でよいのだろうか。
 初当選直後のレコードの自主制作と同様、「若気の至りだった。今は選挙が最優先と分かった」というのならば、残念だが仕方がない。
 でも、好ましくないと思いながらも、小沢さんに任せたからとか、鳩山政権の安定が大事だとかの理由で目をつぶっているのなら、あまりに都合が良すぎるのではないか。民主党の最高責任者である「鳩山代表」の考えを聞きたい。
(静新平成21年10月31日夕刊)

2009年10月28日水曜日

参院静岡補選 市区別投票率と得票(静新10月26日)




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参院補選で勝利した民主党 来年へ難しい課題残す

 参院補選で勝利した民主党 来年へ難しい課題残す
 参院静岡選挙区補欠選挙は、民主党公認の土田博和氏(59)が初当選を果たした。同党としては衆院選での勢いそのままに、県知事選挙の結果も含めれば、三選連続の勝利。しかし、今回補選の結果は、悩ましく、難しい問題を同党に突きつけることになった。
 民主党と自民党が一対一で争って、現状では自民党に分はないのは、衆院選静岡選挙区の結果が如実に物語る。県内小選挙区八つの区があるうち、無所属候補が当選した一つの区を除く全てで民主党が当選し、自民党は一つの区で比例復活した現職が一人だけという惨敗。今回補選も、この流れの延長上にあり、鳩山新政権の高い支持率も背景に、優勢のままの選挙運動を続けた。
 こうした有権者の期待や、追い風が吹いたままの状況など民主党にとつての有利な条件だけでなく、一方の自民党にとっては内部に大きな問題を抱えたまま向かわなければならない選挙だった。県知事選や県空港部廃止問題での造反や分裂、衆院選では県連会長の落選もあり、新会長のもと、組織が改まって初めて臨んだ国政選挙。候補者選定から擁立も時間があるとは言えない中で、党の中央と同様、態勢としては極めて厳しい環境にあった。
 加えて、これまで自民党を支援・支持してきた団体、組織の自民党離れ。推薦を受けることもできず、自由投票を決めた各団体からは組織だった応援もかなわなかった。
 しかし、そうした状況にもかかわらず、自民党公認の岩井茂樹氏(41)が四十万票余りを得たことは、来年に改選期を迎える参院本選で自民が議席を奪還するための手応えとしては十分だったと見ることもできる。
 今回補選の投票率は、沼津では三〇・五三%、県内平均でも三五・六四%という低さだったので、ここから直ちに今後を占うには早計だが、それでも敢えて見るなら、追い風の土田氏の得票五十六万七千票に対して、岩井氏の四十万四千票は今後へ向け、逆風の中にあっては善戦ではなかったか。
 岩井氏は、四年前の衆院選で小選挙区静岡六区の候補予定者として一旦は県連が名前を挙げている。党中央の方針で実現はしなかったため、実際に選挙を行うのは今回が初めて。
 これに対して土田氏は、二年前の参院選で無所属で立候補しており、今回が二度目の立候補だったものの、前回選では組織はなく、出馬表明も告示直前、独自の活動とならざるをえなかっただけに、今回が実質的な選挙とも言える。全県的な知名度では両者共に決して高いとは言えなかった。
 選挙結果は、勢いと組織の問題で明暗を分けたが、民主党にとって悩ましく、難しい問題は、来年の本選が現職二人の当選を目指すものになるということ。
 ここで当選した土田氏は、辞職した自民党参院議員の残任期となるため、来年の本選で改選期を迎える。民主党は党中央で、来年の参院選挙区選挙では複数選挙区(静岡県は定数二)に複数候補を立てたい意向を見せ、そうなれば、静岡選挙区では現職の藤本祐司議員と土田氏の擁立ということになるだろう。
 これに対して自民党も議席奪還を目指して候補者を立ててくれば、両党の激しい争いとなることは避けられない。その場合、今回の結果から考えて、土田氏の得票を、そのまま民主党の得票とすれば民主党の議席独占は極めて難しいということ。仮に今回の得票差がダブル、トリプルなどの大差だったなら、また違った見方ができた。
 本選では藤本氏の個人的な得票や支援団体・組織にも今回とは違う動きが出てくるだろうし、自民党も岩井氏を再び担ぐのか、白紙の状態から候補者を立てるのか、相手候補によっても変わってくる。
 さらに、政府・与党の動きや政策なども有権者の意識に大きく反映されることを考えれば、今の鳩山政権高支持率の状況が、どう変化していくのか。来年七月まで予断は許さず、議席を守る民主党にとっても、奪い取りにいく自民党にとっても、これからが正念場。
(沼朝平成21年10月28日(水)号)

検証:参院静岡補選 上:下

検証:参院静岡補選 上
「与野党逆転の攻防」
 民主 "連戦連勝"に高揚感
 「来夏2議席」慎重論も
 鳩山政権への評価が争点となった参院静岡選挙区補選は、民主党新人の土田博和氏(59)が初当選を果たし、民主党は知事選、衆院選と合わせ、3戦3勝を果たした。政権交代で逆転した与野党の攻防がどう変わったのか、探った。
 ◇
 選挙戦最終日の24日夜、土田氏はJR静岡駅南口の街頭演説で17日間の運動を締めくくった。土田氏や選対本部長の細野豪志衆院議員らが選挙力ーの車上で演説する間、県選出の党所属国会議員9人がずらりと前に並び、政権交代を果たした党の勢いを誇示した。
 世論調査で優勢が伝えられ、陣営には投票日を前に早くも戦勝ムードが漂った。ある党県連幹部は「自民党は誰が選挙をやっているのか見えなかった」と話す。公募で若い岩井茂樹氏(41)を擁立し、「党再生」を訴えた自民党だったが、細野本部長は「自民党再生というのは、本当に国民の関心事なのか」と指摘。「政策で民主党との違いがあるなら、積極的に打ち出してほしかった。争点が自民側から出ず、若干物足りなかった」と余裕を見せた。
 25日夜の投票終了直後、土田氏の「当確」が次々と報じられ、JR静岡駅前の事務所に集まった民主党関係者らは固い握手を交わして勝利を祝った。"連戦連勝"は党県連内に確固たる自信を築いた。
 民主に"死角"はないのか。民主県議の1人は「鳩山政権のご祝儀相場は年内まで。いずれ人気は沈静化し、自民の攻勢も強まる。来年夏の参院選はまったく違う状況の選挙になると覚悟すべき」と強調する。
 26日の記者会見で選挙戦を総括した岡本護党県連幹事長は、次の参院選に向けた課題に業界団体への対応を挙げた。補選では、県医師会が自主投票を決めるなど自民の支持基盤だった団体の間に、政権交代の影響がじわりと広がった。
 選挙戦中盤、自民からの推薦要請に「検討中」と繰り返していた一次産業の業界団体トップは「自主投票」をにおわせつつ、「自民の先生には恩義がある。民主の力量も分からない」と心情を語った。民主側も「業界団体は民主がどれだけ安定的政権か見ている」(細野本部長)と分析する。
 来年の参院選では、土田氏と現職の藤本祐司氏が改選を迎える。小沢一郎党幹事長は「複数区は複数候補を立てたい」との意向を示しているが、現時点で党県連の対応は「白紙」(岡本幹事長)。ある民主系県議は「今回選でも自民は40万票獲得した。来年の参院選で2議席独占できると思うのはおごりだ」と指摘した。
(静新平成21年10月27日「検証:参院静岡補選 」)

検証:参院静岡補選 下
「与野党逆転の攻防」
 自民 どん底から再生多難
 引きずった「与党感覚」
 参院静岡選挙区補選の投票が締め切られた25日午後8時すぎ。自民党公認の岩井茂樹氏(41)の事務所に姿を見せたのは県議や市議、スタッフら限られた人だけだった。並べられたいすは空席が目立った。
 政権交代後、初めての国政選挙。若手を立て、反転攻勢を目指した戦いだった。テレビから流れる民主党候補の当選確実の一報に「こんな選挙を経験することになるとは思わなかった。もう党の形をなしていない」。陣営幹部は野党転落の現実を前にしてため息が漏れた。
 自民党は伝統的に企業や団体の支援を得て支援者を大量動員し、票を固めてきた。だが、陣営は選挙戦当初からこれまでと勝手の違う状況を肌で感じていた。
 「企業団体を回っても手応えはない。これが野党の悲哀なのか…」(陣営幹部)
 8月の衆院選で集票の中心となる衆院議員は8人から1人に減った。連立与党を組んでいた公明党は自主投票。支持団体の"自民離れ"が追い打ちをかけ、民主への風は吹きやまなかった。
 選挙戦が中盤に差し掛かった13日。陣営のてこ入れで静岡入りした二階俊博党選対局長は県連役員らと選挙対策を協議した。「集会を開いて大演説会をやるばかりが選挙ではない。いろいろな形の運動を展開する」と柔軟発想の選挙戦略を求めた。
 谷垣禎一総裁もこの考えを率先した。3度にわたって県内に入り、自転車遊説を展開するなど、新生自民党の選挙を演出した。
 岩井氏は支援者の動員をかけずに、ハンドマイクやメガホンを手に人が多い場所を選んで街頭演説を繰り返した。「民主の若手のやり方を奪うような方法」(陣営)だった。
 牧野京夫自民県連副会長は「焼け野原で意気消沈していた中で、これまで自民に見られなかった選挙活動によって、立ち上がろうという姿勢は見せられた」とかすかな手応えを指摘する。
 「来年は参院選。4年後は、静岡県は衆院選と参院選、知事選とトリプル選挙の可能性がある。野党を自覚し、貧欲(どんよく)に1票を集める努力を今から始めないと。時間はない」。岩井氏の事務所に入って選挙戦を見続けた党本部職員は厳しい現実を受け止めた。
(静新平成21年10月28日「検証:参院静岡補選 」)

2009年10月27日火曜日

自民党県議団

 自民党県議団
 政策集団結成の動き 会派分裂の可能性
 県議会最大会派の自民党県議団(40人)の小楠和男、大石哲司両県議らが中心となり、今月中にも自民党再生を旗印に新たな政策集団の結成を目指していることが26日、分かった。新集団は自民党改革会議などの名称で十数人が参加し、会派分裂につながるとの見方もある。
 ただ、小楠氏らに賛同するベテラン議員の1人は「初めに新会派ありきではない。政策が大事」と述べるなど、新集団が県議団分裂の引き金になるのかどうかは、不透明な情勢だ。
 政策集団は基本方針に「保守本流を担う自民党」や「川勝県政に対する是々非々の立場」などを掲げる。小楠氏は「新しい自民党のイメージを打ち出すため、自分たちが行動する」と説明した。
 自民県連は、知事選で超党派で候補者擁立に動いた県議5人を、衆院選では公認候補以外を支援した1人をそれぞれ処分した。県議会9月定例会では空港部廃止条例案否決の党議拘束に反する動きが表面化し、参院補選告示前日に小楠氏ら三役は辞意を表明した。
 こうした混乱に、1期の若手県議を中心に「会派を割ってでも、自民党の立て直しを図るべき」との声が上がっていた。
 自民県連は26日、静岡市で選対会議を開催した。三役の後任選びや会派内の混乱をただす意見があったという。会議後、塩谷立県連会長は記者団に「前向きな議論をして一致協力することが一番良い」とし、11月2日にあらためて議員総会を開催する方針を明らかにした。
 会議には参院補選に公認候補として立候補し、落選した岩井茂樹氏が出席し、あいさつした。
(静新平成21年10月27日朝刊)

2009年10月24日土曜日

声からし最後の訴え

声からし最後の訴え 参院補選あす投票
10/24 14:47(静新webnews)
 参院静岡選挙区補選は24日、17日間の選挙戦最終日を迎えた。鳩山政権が誕生して最初の国政選挙だけに、候補者を擁立した民主、自民、共産の各党は党の存在感をアピールしようと大物を続々と投入、総力戦で臨んできた。全国的に注目を集める選挙戦に、どの陣営も必勝態勢で、締めくくりの遊説に出発した。
 共産党の元衆院議員平賀高成氏(55)は午前7時半すぎ、静岡市清水区の事務所に到着。スタッフと遊説日程を入念に打ち合わせた。「選挙期間中はずっとこのスタイルで通してきた」というシャツとジャケット姿。支援者から手渡されたタスキを肩にかけると、「建設的な野党として、政府の財源問題などを最後まで訴えていく」と胸を張った。
 事務所前で見送りの人たちと次々と握手を交わし、選挙カーに乗り込んだ。清水区内の交差点を皮切りに街頭演説をこなし、精力的に支持を訴えた。
 民主党の医療法人理事長土田博和氏(59)は午前8時から、地元御殿場市の事務所前で「ファイナル集会」と題した演説会を開催。約300人の支援者を前に「この選挙戦に劣らないほど医療現場は大変。医療改革を進めるため最後まで応援してほしい」と訴えた。
 消えた年金問題追及など舌ぽうの鋭さで人気の蓮舫参院議員も応援に駆け付け、「無駄を削り医療、年金に予算を回す作業が始まっている。一緒に改革を」とパワフルに声を張り上げた。土田氏は「頑張れ」の声援を背に受け、笑顔で選挙カーに乗り込んだ。
 自民党の富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)は早朝から浜松市南区の市中央卸売市場を訪れた。入り口で両手を大きく振り、来場者に深々と頭を下げた。「最後まで、持ち前の体力を生かして頑張ります」と上着を脱いで市場の中へ。
 慌ただしく動く業者らに駆け寄って「よろしくお願いします。岩井でございます」と声を掛けると、自民党再生を願う叱咤(しった)激励の声も飛んだ。岩井氏は「これまで聞いてきた声をしっかり受け止め、最終日に臨みます」と決意を新たにし、8時ちょうどに遊説カーに乗り込んだ。
 同補選には政治団体「幸福実現党」の党特別顧問矢内筆勝氏(48)も立候補している。

 参院補選が運動最終日迎える

 参院補選が運動最終日迎える
 参院静岡選挙区補欠選挙は、八日の告示以来十七日間にわたる運動が続けられているが、きょう二十四日、最終日を迎える。いずれも新人の平賀高成(55)=共産党、土田博和(59)=民主党、岩井茂樹(41)=自民党、矢内筆勝(48)=幸福実現党の四候補が、最後の訴えを行う。
 今回の補選は、七月に行われた県知事選挙に自民党の坂本由紀子氏が参院議員を辞職して出馬したことに伴うもので、神奈川県でも同様に民主党の参院議員が辞職して、みんなの党から衆院選に出馬したことによる補欠選挙が行われている。
 静岡県民にとっては、七月の知事選、八月の衆院選と続く今年三回目の国政選挙。選挙疲れが否めないところへきて、候補者決定から告示までの時間がなかった。また、平賀候補は衆院議員を経験し、土田候補は二年前の参院選に無所属で挑戦、岩井候補は四年前の衆院選で自民党県連から一旦は小選挙区静岡六区の候補予定者とされたりしているものの、土田、岩井両候補はプライベートには、これまで東部地区での活動が主で、全県的に見ると知名度は、もう一歩。このため、有権者の関心も盛り上がりに欠ける嫌いがあるが、渦中の候補者、各陣営、各党は必死。
 とりわけ民主党にとっては九月十六日の新政権発足後、初の国政選挙で、有権者の意識が、どう働くのか、有権者の判断は新政権への評価とも見られるだけに、支持の訴えにも熱が入る。
 また、衆院では安定多数を確保した民主党だが参院では単独過半数の状況にはない。党中央では来年七月の参院選における選挙区選挙で複数定数区での躍進を目指す中、この補選での当選者は来年の選挙にも出馬することになるため、落とすわけにいかないだけでなく、勝つにしても、どこまで得票できるのか、手の抜けない状況になっている。党幹部も相次いで県内入りし、候補者応援と支持を訴えている。
 一方の自民党にとっても、歴史的大惨敗を喫した衆院選から立ち直り、党の再生・復活に向けた谷垣禎一総裁による新体制での初めての国政選挙。巻き返しを図り、攻勢に転じるためにも、一つのきっかけにしたいところだが、同党にとっては厳しい状況が続く。
 衆院選での逆風は国民・有権者から吹いたが、この補選では、鳩山新政権が高い支持率を保つ一方で、古くからの支援・支持団体の自民党離れが言われる。加えて県内の事情として、県空港部廃止問題で県議会の自民党が割れ、選挙を支える態勢が不安視されるなど、内部や身近からの逆風が吹くような状況にある。
 運動も、きょう一日。各候補、最後の訴えに力が入る。
(沼朝平成21年10月24日(土)号)

2009年10月23日金曜日

沼津市議会閉会

 沼津市議会が閉会 33件を可決
 沼津市議会9月定例会は22日、最終本会議を開き、38億9900万円を追加し、一般会計総額を745億3600万円とする一般会計補正予算案、2008年度一般会計歳入歳出決算認定案、議員提案の「改正貸金業法の早期の完全施行等を求める意見書」など33件を可決し、閉会した。
〈静新平成21年10月23日(金)朝刊〉

2009年10月21日水曜日

参院静岡区候補者アンケート





静岡新聞平成21年10月20日(火)10月21日アンケート
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2009年10月19日月曜日

参院補選

参院補選 静岡、神奈川ともに民主優位
2009.10.19 00:15(産経msnニュース)

このニュースのトピックス:政権交代
 25日投開票の参院統一補欠選挙で、共同通信は16~18日の3日間、電話による世論調査を実施し情勢を探った。神奈川、静岡両選挙区とも民主党新人が優位に選挙戦を進めている。ただ投票する候補者を決めていない人が両選挙区とも5割余りに上り、情勢は変化する可能性がある。

 神奈川選挙区では、民主党候補が同党支持層の8割近くを固めた。無党派層の支持はまだ3割でさらに浸透を狙う。自民党候補も同党支持層の7割をまとめ、主投票を決めた公明党支持層の6割近くも固めたが、無党派層の支持は1割にとどまっている。

 静岡選挙区では、民主党候補が民主党支持層の8割を固め、ほぼすべての年齢層で他候補に大きく差をつけている。自民党候補は、自民党支持層の7割を固めたが、推薦を見送った公明党支持層には5割しか浸透していない。

【参院補選】様変わりの地方組織 過半数までM3、必勝期す民主 (1/3ページ)
2009.10.8 23:04

このニュースのトピックス:マニフェスト
 衆院選後初の国政選挙となる参院補欠選挙(神奈川、静岡両選挙区)が8日告示された。それぞれ4人が立候補、民主、自民両党は初日から幹部が現地入りして支持を訴えた。定数242の参院は122が過半数。国民新党などを加えた参院の民主党会派は過半数まであと3議席で、補選が民主2勝なら「マジック1」。来夏の参院選の目標でも、民主の改選議席53から「7」上積みで単独過半数となるだけに、民主党は負けられない戦いだ。投開票は25日。政権交代で、すっかり様相を変えた両党の地方組織は、暴風雨のなか選挙戦に乗り出した。


逆風に低姿勢

 「自民党には思いやりがなかった。自らに甘かった。マイナスからの出発かもしれないが、今まで悪かったことを正し、この戦いに挑んでいきたい」

 台風18号の強風が残る横浜市内。8日午前にホールで開かれた出陣式で、石破茂自民党政調会長のあいさつは、こんな反省から始まった。

 神奈川選挙区で自民党公認で立候補した角田宏子氏も思いは同じだ。11日、記者団から選挙の争点を聞かれた角田氏は「自民党、しっかりしろといわれていると思う」と語った。

 もう一つの補選、静岡選挙区で自民公認の岩井茂樹氏の応援に、大島理森(ただもり)幹事長はJR静岡駅前に立っていた。「今、私どもには雨も風も向かっている」。ようやく雨の上がった曇天の下でそう語った。

 今回の補選。自民党が対峙(たいじ)するのは、民主党ではなく「自民党自身」だ。その思いが県連全体を内向きにする。

 だが、「再生」への糸口は見えてこない。

 「伝統ある自民党に戻ることも必要だが、時代を切り取る革新的な感覚がないといけない」。角田氏の言葉にも迷いはみえる。

 自民党にいいニュースがないわけではなかった。静岡では県連の候補者公募に40人が殺到。「自民党も捨てたものではない」と喜びの声が出た。だが、冷静な自民党県議は「公募をすればこれだけ集まるのに、これまでの候補者選びが、いかに閉鎖的だったかという証拠だ」と語った。

 その公募で決まった岩井氏を見た民主党県連関係者は苦笑した。

 「若さといい、見た目といい、まるで、最近の民主党候補のような人を選んだんですね」


「前へ、前へ」

 対照的なのが民主党だ。政権与党として初めて国政選挙に臨む民主党は、「次」しかみていない。

 「来年夏の参院選で、比例代表に回っても勝てる人が条件だ」

 静岡選挙区で土田博和氏を候補者に選んだ理由を、民主党静岡県連の岡本護幹事長はこう説明する。

 補選で選ぶ参院議員の残り任期は9カ月余。来夏の参院選では民主党の現職議員とぶつかる。だが問題ない。9カ月後には、土田氏が比例代表候補となることが織り込み済みなのだ。

 しかも「医師の土田さんなら医師会の支持も見込める」。単なる候補者ではない。自民党支持だった医師会の「切り崩し要員」という戦略目的がある。

 「マニフェストのために全力で働きたい」。神奈川で民主公認で立候補した金子洋一氏の第一声は、政府与党の一員として活躍する自身の姿がもう見えているかのようだった。

 だからこそ「敗北」はあり得ない。民主党の党組織委員長に決まったばかりの細野豪志氏は地元静岡の出陣式で言い切った。

 「今、自民党は弱っている。だがこの選挙で自民を打ち破り、鳩山政権の基盤を強化しなければならない。絶対に負けられない」(中村智隆、田中万紀)


参院神奈川・静岡補選、ともに民主が先行
 読売新聞社は鳩山政権発足後、初めての国政選挙となる参院神奈川、静岡両補選(25日投開票)について、電話による世論調査と取材を基に情勢を分析した。


 神奈川では、民主党の金子洋一氏(国民新党推薦)が先行し、自民党の角田宏子氏が追っている。静岡は、民主党の土田博和氏(同)が優位に立っている。民主党が8月の衆院選で圧勝した勢いを維持している。ただ、両補選ともに有権者の3割近くは態度を決めておらず、情勢は流動的な面もある。

 神奈川では、金子氏が民主支持層の約7割を固め、社民支持層などにも支持を広げている。角田氏は自民支持層の8割をまとめ、自主投票とした公明党の支持層の約6割も固めた。

 静岡では、土田氏が民主支持層の約7割をまとめ、自民支持層の一部にも食い込んでいる。自民党の岩井茂樹氏は自民支持層の約7割を固めたが、自主投票の公明支持層からの支持は約5割にとどまった。

 調査は16~18日、神奈川、静岡両県の有権者を対象に無作為に作成した番号に電話するRDD方式で行った。有効回答は神奈川1002人(回答率60%)、静岡995人(同62%)。

(2009年10月19日06時39分 読売新聞)

土田氏を岩井氏追う
支持政党 民主50%自民19% 本社世論調査・上

 25日投開票の参院静岡選挙区補欠選挙について、読売新聞社は16~18日に世論調査を行った。これまでの取材結果を加味した情勢分析では、民主党新人の土田博和氏(59)が優位に戦いを進め、自民党新人の岩井茂樹氏(41)が追う展開となっている。共産党新人の平賀高成氏(55)と諸派新人の矢内筆勝氏(48)は支持に広がりがみられない。ただ、有権者の3割弱が誰に投票するかを明らかにせず、有権者の2割強を占める「支持政党なし」(無党派)層の動向などによっては、情勢が変化する可能性がある。

■候補者の戦いぶり

 土田氏は、民主党支持層の約7割を固めた。無党派層からの支持は2割強。8月の衆院選比例東海ブロックで民主党に投票した人の7割強が支持する。地域・都市規模別では県内全域に浸透し、従来保守地盤が強いとされてきた町村部を含め、岩井氏を上回る支持を集める。年齢層別でも幅広い年代に支持を広げ、50~60歳代の5割弱が支持。職業別では、商工自営・自由業で5割強、専業主婦で5割弱、給与所得者で4割強の支持をそれぞれ得ている。

 岩井氏は、自民党支持層の7割強が支持。連立政権のパートナーだったが、今回は自主投票を決めた公明党の支持層からの支持は約5割となっている。無党派層の支持は2割強で、土田氏と互角。衆院選比例東海ブロックで自民党に投票した人の6割強、公明党の約5割が支持する。年齢層別では20歳代と70歳以上で約3割が推す。職業別では農林水産業で5割強の支持をまとめ、土田氏を上回った。

 平賀氏は、共産党支持層の約9割を固めたが、無党派層など同党以外の支持層には浸透していない。

 矢内氏は全般的に支持を広げられていない。

■関心度、投票行動

 「大いに関心がある」が20%、「多少は関心がある」が41%で、計61%が関心を示したが、2007年7月の参院選静岡選挙区の際の同調査を14ポイント下回った。今年7月の知事選時より18ポイント減、政権交代につながった8月の衆院選時と比べると27ポイント減。大型選挙が続き、有権者の関心の盛り上がりが今ひとつとなっている状況がうかがえる。

 年齢層別では、60歳以上の年代で「関心がある」が70%台に乗ったが、30~50歳代は50%台にとどまった。20歳代は「あまり関心がない」「全く関心がない」が計約7割に上った。

 投票に行くかどうかについては、「必ず行く」が59%で、07年参院選時の同調査より10ポイントダウン。8月の衆院選時と比べると16ポイント低い。「なるべく行くつもり」は32%で、07年参院選時より8ポイント多い。

 ■支持政党・内閣支持率

 支持率が最も高かったのは民主党の50%。先の衆院選の調査時(36%)より伸びており、県内8小選挙区のうち7小選挙区で党公認候補が勝利した衆院選時の勢いが維持されているとみられる。

 これに対し、自民党は19%にとどまり、衆院選の際の26%よりダウン。民主に大きく水をあけられており、支持率でみる限り反転攻勢には至っていないと言える。

 「支持政党なし」は23%だった。

 鳩山内閣を支持するかどうかを聞いたところ、「支持する」が67%、「支持しない」が19%だった。「支持する」と答えた民主党支持層は9割強。自民党支持層でも3割弱が、公明党支持層も約2割が支持している。無党派層では5割弱が「支持する」だった。

 民主党や鳩山内閣の支持率は高く、自民党は低迷しているが、「自民党は再び政権をとることができると思うか」との質問には、「できる」が45%、「できない」が38%で、自民の復活の可能性を否定しない人が少なくないことも浮き彫りになった。

(2009年10月19日 読売新聞)

「関心ある」60・5% 衆院選下回る 参院補選
10/19 08:17
 静岡新聞社が実施した電話世論調査で、参院静岡選挙区補選に「関心があるか」を聞いたところ、全体の60・5%が「ある」と回答した。新人4人の激戦となった7月の知事選の74・7%、政権交代が焦点となった8月の衆院選の86・1%を大きく下回った。「関心がある」人の内訳は、「大いに」が18・7%、「ある程度」が41・8%だった。一方、「あまりない」は33・5%、「まったくない」も5・7%いた。
 年代別に見ると、若年層ほど低い傾向を示した。20代は「関心がない」が55・4%を占め、30代は46・9%だった。「ある」人は60代が74・8%と最も多く、70歳以上が72・4%。
 支持政党別では、民主と自民の支持層のそれぞれ74・2%、64・6%が「関心がある」とした。自主投票を決めた公明の支持層は71・5%、「支持政党なし」の56%が「関心がない」と回答した。

2009年10月9日金曜日

13日から政見放送

13日から政見放送 参院静岡選挙区補選
2009/10/09 (静新webnews)
 県選管は8日、参院静岡選挙区補選(25日投開票)の政見放送と経歴放送の日程を発表した。政見放送は候補者1人につき1回5分30秒。経歴放送はアナウンサーが1回1人30秒で伝える。放送日時は次の通り。
 【テレビ政見放送】NHK総合テレビ 14日午後6時25~51分、22日午前7時49分~8時15分▽テレビ静岡 20日午後2時5~35分▽静岡朝日テレビ 16日午前10時40分~11時10分▽静岡第一テレビ 13日午前9時30分~10時
 【ラジオ政見放送】NHKラジオ第一 16日午前7時20~46分、21日午後0時30~56分▽静岡放送ラジオ 17日午後4時30分~5時
 【テレビ経歴放送】NHK総合テレビ 20日午前11時54~57分
 【ラジオ経歴放送】NHKラジオ第一 13日午前11時55~58分、15日午後6時50~53分、22日午後6時50~53分

4氏の争い確定 参院静岡補選

4氏の争い確定 参院静岡補選
10/09 08:10 (静新webnews)
 参院静岡、神奈川両選挙区で告示された統一補欠選挙は8日午後5時、立候補の届け出が締め切られ、各4人、計8人の立候補者が確定した。民主党は参院でも単独過半数の足掛かりを得られるか、自民党が再生のきっかけをつかむのか、注目の選挙戦が25日の投開票日へ向けスタートした。
 静岡選挙区の立候補者はいずれも新人で、共産党の元衆院議員平賀高成氏(55)、民主党の医療法人理事長土田博和氏(59)=国民新推薦、自民党の富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)、政治団体「幸福実現党」の特別顧問矢内筆勝氏(48)。
 知事選、衆院選に続き、民主と自民が激しくぶつかる。9日には期日前投票が始まる。連合静岡は土田氏を推薦せず「緩やかな支援」にとどまり、公明党は、自民の岩井氏に対する推薦要請に対し「自主投票」を決定している。
 4候補は選挙戦初日、台風の余波で遊説予定が大幅に変更になった。平賀氏は静岡市の繁華街や公園などで演説。土田氏は静岡市で第一声を上げ、御殿場市の事務所での出陣式に臨んだ。JR浜松駅前で演説した岩井氏は鳩山政権を厳しく批判した。
 神奈川選挙区で立候補を届け出たのは、自民党の元横浜市議角田宏子氏(42)、共産党の党県常任委員岡田政彦氏(43)、民主党のエコノミスト金子洋一氏(47)=国民新推薦、幸福実現党の幹事長代理加藤文康氏(47)の4新人。

2009年10月8日木曜日

参院補選:民主VS自民、事実上の一騎打ち 神奈川、静岡


参院補選:民主VS自民、事実上の一騎打ち 神奈川、静岡
2009年10月8日 13時38分 更新:10月8日 14時2分(毎日webnews)



与野党が逆転した8月30日の衆院選から1カ月余。参院神奈川、静岡選挙区補選が8日告示され、いずれも、鳩山内閣の信任を得たい民主党と反転攻勢の足がかりにしたい自民党による事実上の一騎打ちがスタートした。

 神奈川選挙区の自民新人の応援弁士は石破茂政調会長。横浜市中区のホール内での出陣式で「ゼロからの、マイナスからの出発かもしれないが、くよくよしても仕方がない。今まで悪かったことをただし、自民党が駄目になれば、この国が駄目になる思いで臨んでいきたい」と決意を述べ、「自民党再生の第一歩を補選当選で幕を開けていただきたい」と支持を求めた。

 民主新人は台風の影響で同市中区の県連会議室に場所を変えて第一声。09年度補正予算の見直し作業に取り組む仙谷由人行政刷新担当相が駆けつけた。「衆院選では県連のみなさんが力を発揮して勝たせていただいた。この力をより実体的なものにするために、この選挙戦を戦っていただきたい。閣僚もできる限り微力を尽くしたい」とあいさつした。

 静岡選挙区で新人を擁立した民主は、台風18号の影響で誤算続きの幕開けに。出陣式は街頭演説会を予定していたが、JR静岡駅前のホテルに変更。さらに、応援弁士の菅直人副総理兼国家戦略担当相が「台風による鉄道の乱れ」(陣営関係者)で出席できないハプニング。同党の細野豪志選対本部長は「自民党は弱っているが、そんなにやすやすと崩壊には向かわない」と危機感をにじませた。

 一方、自民の大島理森幹事長は、静岡市葵区で党公認候補の応援に駆け回った。出陣式では県議や支持者ら約50人を前に、鳩山由紀夫首相の献金問題を念頭に置いて「(衆院選で)民主党は確かに勝利したが、政権交代で倫理観などの後退による不安が起こっている」と強調。「風はかすかに私どもに吹いている。今回は新たな自民党の戦いだ」と訴えた。

静岡参院補選「楽天政治」

静岡参院補選「楽天政治」

http://seiji.rakuten.co.jp/contents/election200910/shizuoka

2009年10月7日水曜日

「空港部廃止」可決 自民、複数が造反 県会本会議

「空港部廃止」可決 自民、複数が造反 県会本会議
10/07 15:42(静新webnews)
 県議会9月定例会は7日、最終本会議を開き、最大会派の自民党(40人)が党議拘束をかけて反対の姿勢を示していた空港部廃止条例案を原案通り可決した。採決は無記名投票で行い、複数の自民党議員が造反して賛成に回るなどした結果、賛成43、反対27、無効1で賛成が出席議員の過半数を上回った。議会事務局によると、知事提出議案の投票採決は初。他の議案を含めても1973年以来という。
 採決に先立つ討論で、大石哲司氏(自民、牧之原市・榛原郡南部)は条例案について「組織改編は唐突、理不尽であってはならない」として反対。これに対し、岡本信也氏(平成21、浜松市南区)は「スピード感を持って組織改編を断行すべき」と可決を求めた。
 条例案をめぐっては、自民党が「年度途中の空港部廃止は拙速だ」などとして反対する方針を決定。しかし、1日の総務委員会で、多数を占める同党県議のうち2人が造反して賛成に回ったため、可決された。
 2日には、県が2月に静岡空港付近の私有地の立ち木を誤って伐採した問題が、発覚から4カ月以上たって公表され、審議を終了していた企画空港委員会が再開される異例の事態となった。
 誤伐採問題を受け、自民党内にも「空港部存続は県民の理解が得られない」などの声があった。同党県連は本会議前に議員団総会を開催。小楠和男県連幹事長は「わが会派としては従来の決定方針通り、採決に臨む」と述べ、反対票を投じるよう求めていた。

 県空港部廃止条例案 空港部を廃止し、所管業務を企画部と建設部に移管する。空港利活用部門を担う企画部は、搭乗率アップや新規路線の開拓など就航促進策を担当する。施設整備や維持管理部門を受け持つ建設部には空港局を新設し、立ち木誤伐採問題など課題となっている地元対応も行う。川勝平太知事は2010年度当初の機構改革で、空港を最大限活用するための新組織の設置も表明した。現在の空港部は05年8月の設置。

参院補選あす告示


参院補選あす告示 静岡選挙区4氏出馬へ

10/07 08:08 (静新webnews)
 政権交代に至った8月30日の衆院選後、初の国政選挙となる参院静岡、神奈川両選挙区の統一補欠選挙が25日投開票へ向け8日、告示される。いずれも民主、自民両党の直接対決の構図。鳩山由紀夫首相、自民党の谷垣禎一総裁ともに就任してからの“初陣”となる。
 静岡選挙区で立候補を予定しているのは、いずれも新人で、民主党の医療法人理事長土田博和氏(59)=国民新推薦、自民党の富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)、共産党の元衆院議員平賀高成氏(55)、政治団体「幸福実現党」の党特別顧問矢内筆勝氏(48)の4人。
 鳩山氏は、税金無駄遣い排除などでスタートを切った政策遂行に評価を得て、衆院選大勝の勢いのまま、参院でも民主党が単独過半数に達する足掛かりを得られるのか。政権奪還を期す谷垣氏は、鳩山氏の政治資金虚偽記載問題、民主党の公共事業見直し政策などの追及で反転攻勢のきっかけをつかめるか、双方にとって試金石となる。
 公明党は両選挙区とも自民党候補を推薦せず、自主投票とする方針。

参院静岡補選
 自民、議席獲得へ全力 国会内会合で方針確認



 自民党は6日、8日告示の参院静岡、神奈川両選挙区補選(25日投開票)に向けて、国会内で参院比例区選出議員の会合を開き、各支援団体に働きかけるなどして議席獲得に全力を挙げる方針を確認した。大島理森党幹事長は「党を挙げて戦い、勝ち抜かなければならない」とげきを飛ばした。
 これに先立ち、党本部で東海ブロック両院議員会も開催。静岡選挙区に党公認で出馬する富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)の選対副本部長を務める牧野京夫参院議員(静岡選挙区)が現在の情勢を報告し、応援演説や電話作戦などへの協力を求めた。
 参院の会合では、尾辻秀久参院議員会長が「反転攻勢の第一歩にしなければならない大事な選挙だ」と強調し、必勝を期すよう指示。谷川秀善参院幹事長も「自民党復権の足がかりにしたい」と述べた。
 また、自民県連も県庁で選対会議を開催。塩谷立会長は「総選挙の厳しい状況を受けての補選。谷垣禎一新総裁の下、新生自民党のスタートとなる結果を目指したい」と述べた。衆院選は県内8小選挙区で全敗したため、「選挙区支部の機能が失われている。一致結束して選挙戦に臨むことが不可欠」と党県議団を中心とした体制強化を求めた。
〈静新平成21年10月7日(水)朝刊〉

2009年10月4日日曜日

 参院静岡選挙区補選の告示(8日)が迫った。


 参院静岡選挙区補選の告示(8日)が迫った。


 主な立候補予定者は告示前最後の週末の3日、繁華街でマイクを握り、支援者のあいさつ回りに時間を割くなど精力的に動いた。全面対決する民主、自民両党は候補者擁立が遅れただけに、短期決戦となる選挙戦の準備を加速させた。
 民主党公認の医療法人理事長土田博和氏(59)の陣営は同日午前、地元御殿場市で事務所開きを行った。民主国会議員、県議、地元医師会関係者らが駆け付け、「この地域から与党議員を誕生させよう」と結束を誓った。真新しい事務所では、スタッフが備品の整理や事務連絡などに追われた。
 1日に本格的な活動を始めたばかりの土田氏。3日、遊説に回った伊東市では「医療と介護の安心を提供し、若者が夢や挑戦する気持ちを持てるようにしたい」と訴えた。政権与党の「民主党候補」を旗印に、知名度不足を打破する。
 自民党から出馬する富士常葉大非常勤講師の岩井茂樹氏(41)は、静岡市で初の街頭演説に立った。肩からハンドマイクを下げ「自民は厳しい状況に置かれている。国民目線の政治を取り戻す」と力説した。商店主や市民に駆け寄って握手を求め、持ち味の若さをアピール。「とにかく時間がない。全力で県内を駆け抜けます」と額の汗をぬぐった。
 陣営は静岡市の事務所などでビラやポスターの準備など告示に向けた作業を本格化。自民県連も同市で県下支部代表者会議を開き、支援体制を確認した。組織を挙げて知名度アップに取り組む。
 いち早く出馬表明した共産党の元衆院議員平賀高成氏(55)は静岡市葵区の繁華街で演説。「国民の力で政治を動かし、新しい時代を前に進めるため重要な選挙」と強調し、鳩山内閣に是々非々で臨む「建設的野党」の必要性をアピールした。
 党決起集会が同市であり、県内各地の党員らが参加。平賀氏が決意表明し、選挙戦略を練った。党の役割を丁寧に説明するミニ集会を積極的に展開していくという。
 政治団体「幸福実現党」の党特別顧問矢内筆勝氏(48)は党本部のある東京都内で選挙準備などを進めた。(静新webnews10月4日)

2009年10月2日金曜日

マニフェストは金科玉条か:いまい久夫

 マニフェストは金科玉条か 今井久夫
 統一性のない行動理念
 鳩山内閣は生まれたばかりの政権だ。しかしそのスタートダッシュは目を見張らせるものがある。湯気の立っている各閣僚が、やたらと新政策や提言を試みている。大将格の鳩山首相までが国連に出かけてCO2ガス25%減を宣告した。存在感の薄かった日本の首相の意外な発言にむしろ各国代表の方が度肝を抜かれた感じだ。
 内政の方でも、予算の執行停止、組み替え、次官会議の廃止、天下りの禁止など、全部やり直しだ。ゼロからの再出発を辞さない。この勢いには国民の方もいささか圧倒されそうだ。とにかく中途半端ではない。野党として鬱積(うつせき)していた数々の思いが一挙に噴き出した形だ。
 やはりこれは政権交代のメリットとしかいいようがない。自民党政権では絶対に穴もあけられなかった壁がいまや音をたてて崩壊しようとしている。日本の歴史の一ページを飾る壮観というに足りる。
 しかし、そのやり方を見ると、短兵急に過ぎるところがある。各人がわれこそ手柄をひとり占めにせんと、勝手に名乗りを上げて敵陣に斬(き)り込んでいる。横の連絡もなければ、組織としての統一性もない。功名争い、初陣争いそのままだ。
 トップに立つ鳩山首相が一種の高揚感から地に足がつかない状態なのだから他は推して知るべしだ。
 行動理念もさまざまだ。動機についても、哲学に関しても説明がない。あるのは「マニフェストに書いてあるから」の一点張りだ。マニフェストはたしかに政権構想の柱に違いない。しかしこれを不磨の大典扱いし、金科玉条と信ずるのは大間違いだ。マニフェストは民主党の大衆迎合の選挙対策用文書にすぎない面を見逃すわけにはいかない。人智を集めて議論を重ねた跡もなく、展望も掘り下げも深みに欠ける。ただ現世御利益論に終始しているきらいを免れない。
 いわば杜撰(ずさん)な選挙文書にすべて準拠して、それで済ましてしまうという姿勢は政権政党らしくない。鳩山内閣としての主義主張を改めて国民に説明し、理解を求める必要がある。
 たとえばダム工事の中止だ。政権が変わり、マニフェストに書いてあるからといって、白紙還元を強行するのは民主国家とは縁遠い。独裁国といわれても仕方がない。地元住民が再考を願っても「マニフェスト」をタテに、横を向く。独立国の公約は、政権が変わっても約束は約束として不動のはずだ。それがつまり独立国の政策の継続性に外ならない。一政権の約束は国の約束だ。守らなければならない。

 国民目線の施策が本旨
 こんな問答を繰り返していると、地元住民を敵にまわすことになる。国民の目線で政策を考えるのがマニフェストの本旨だった。敵にまわしては元も子もない。鳩山政権はマニフェストを一方的に利用するばかりではなく、目下のすべての不合理、不都合を自民党と官僚のせいにして揮(はばか)らない。自民党政策の見直しも、官僚の征伐も、この一念から発している。しかし、自民党時代には民主党も随分政府提出案件に賛成している。官僚にもいろいろ世話のかけ通しだった。しかしひとたび政権を取ると掌(てのひら)を返すごとく辛く当たっている。どうも日本の風習になじまない。
 この分では益々(ますます)自民党の政権奪回の復讐心(ふくしゆうしん)を刺激し、官僚の面従腹背のいやらしさを助長するばかりだ。昔、大正デモクラシー華やかなりしころ、政友、民政の二大政党が政権交代していたが、政権が変わると内閣が一変するばかりか全国の知事が変わり、警察の署長から小学校の校長のクビまでが飛んだ。議会では外交問題を政争の具に供し、汚職暴きのドロ合戦がくりひろげられた。これでは折角の政党政治も二大政党対立も自滅していくより外はなかった。
 マニフェストを金科玉条と奉り、わるいことを全部自民党と官僚の責任にしていると、大正デモクラシーの二の舞いになる。民主党は助走を暴走化させてはならない。(政治評論家)
〈静新平成21年10月2日(金)「論壇」〉

参院補選出馬の岩井氏に公認証

















 参院補選出馬の岩井氏に公認証
 自民・谷垣総裁


 自民党は1日、参院静岡選挙区補選(25日投開票)に同党から出馬する富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)に公認証を交付した。谷垣禎一総裁が東京・永田町の党本部で手渡し、必勝を期して「一緒に頑張ろう」と激励した。
 交付式には、大島理森幹事長、尾辻秀久参院議員会長ら幹部も同席。岩井氏は、記者団に「あらためて身の引き締まる思いがした。党再生のために全力で頑張りたい」と決意を述べた。
 同補選では、民主党が医療法人理事長土田博和氏(59)、共産党が元衆院議員平賀高成氏(55)、政治団体「幸福実現党」が党特別顧問矢内筆勝氏(48)の擁立をそれぞれ決めている。

 自民県連 公明県本部に推薦要請
 自民党県連の塩谷立会長(衆院比例東海)と牧野京夫副会長(参院静岡選挙区)は1日、東京都内で公明党の大口善徳県本部代表(衆院比例東海)と会談し、参院静岡選挙区補選(25日投開票)に自民党公認で出馬する富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)への推薦を要請した。
 大口氏は「近く県の幹事会を開き、対応を協議したい」と述べるにとどめ、県本部幹部の意見を広く聞いた上で判断する考えを示した。
 会談は非公開。関係者によると、塩谷氏が大口氏に推薦依頼書を手渡し、補選での支援を求めたという。


 県選管 参院補選出馬予定4陣営を事前審査














 県選管は1日、参院静岡選挙区補欠選(8日告示、25日投開票)の立候補届け出書類事前審査を県庁で行い、出馬予定の4陣営が訪れた。
 事前審査を受けたのは民主党公認の医療法人理事長土田博和氏(59)、自民党公認の富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)、共産党公認の元衆院議員平賀高成氏(55)、政治団体「幸福実現党」の党特別顧問矢内筆勝氏(48)の各陣営。
 県選管担当者が届け出書や宣誓書、所属党.派証明書などの書類に記載漏れがないかチェックした。各陣営とも立候補表明から間もないため、選挙公報用原稿やポスターなどが間に合わず、告示日までに再び事前審査を受けるという。
〈静新平成21年10月2日(金)朝刊〉

2009年10月1日木曜日

03年報酬不正受給 土田氏が釈明

03年報酬不正受給 土田氏が釈明
「診療所に行政処分」
 参院静岡選挙区補選に出馬する民主党の土田博和氏(59)=御殿場市=は30日、理事長を務める医療法人が山梨県内で経営していた診療所が2003年に、病床数超過による診療報酬の不正受給で、保険医療機関の指定取り消しの行政処分を受けたことを明らかにし、「医師として患者を断れなかった。作為的な行為ではない」と釈明した。
 土田氏らによると、診療所は年中無休24時間で救急患者を受け入れていたが、患者が増えて超過が発生。監査で1998年~02年の超過を指摘され、5年間の指定取り消し処分を受けた。診療所は閉鎖し、診療報酬の不正受給額約9600万円を返還した。
 土田氏は「病床数超過の場合、診療報酬を2割減額して請求すべきことを法人が知らなかった。処分に従ったが、診療所は今年9月1日に再開した」と述べた。
〈静新平成21年10月1日(木)朝刊〉

2009年9月30日水曜日

自民党 新人岩井氏ら公認

自民党 新人岩井氏ら公認
自民党は29日の役員会で、参院神奈川、静岡両選挙区の補欠選挙に、いずれも新人の、元横浜市議角田宏子氏(42)と富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)を公認候補として擁立することを決めた。
(平成21年9月30日朝刊)

静岡政治9月29日の動き

静岡政治・経済 (静新webnews)

自民党県連 新会長に塩谷氏 「党危急存亡の時」
09/30 08:10
 自民党県連は29日、静岡市駿河区のホテルで県連大会を開き、斉藤斗志二会長の辞任に伴う新会長に塩谷立衆院議員(比例東海)を選任、参院静岡選挙区補選に富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)を擁立することを報告した。
 塩谷新会長は「党の危急存亡の時。衆院選の国民の審判を事実として受け止め、党の再生に向かいたい」と強調し、一致結束しての参院補選必勝を訴えた。
 岩井氏は「厳しい選挙戦になると肝に銘じている。明るい将来のため、静岡から党再生が始まることを証明したい」と決意を表明。塩谷会長らと「ガンバロー」を三唱した。
 大会には県内各支部から選出された代議員ら約320人が出席。党情報告に立った小楠和男幹事長は、知事選と衆院選で党公認候補が敗れ「責任の重大さを痛感している」と謝罪。谷垣禎一新総裁誕生を受け「政権奪還のために新生自民の出発にしたい」と協力を求めた。

土田氏を推薦せず 参院補選で連合静岡
09/30 08:04
 参院静岡選挙区補選(10月25日投開票)で、民主党が擁立した御殿場市の医療法人理事長土田博和氏(59)を、同党の支援団体である連合静岡が推薦しないことを決めたことが29日、分かった。来年夏の参院選への影響を考慮した結果といい、「緩やかな支援は行う」(吉岡秀規会長)方針だが、陣営には補選への影響を懸念する声も出ている。
 連合静岡は土田氏の公認決定前に、執行委員会で「来年の参院選で、既に推薦している現職の藤本祐司氏(静岡選挙区)と、全国で10人が立候補する産別の比例代表候補の当選を最優先する」とし、土田氏を推薦しないことを確認。一方で、地域ごとに党県連総支部との関係を踏まえ、ポスター掲示など土田氏への最低限の支援と投票の呼び掛けを行うことを申し合わせた。
 吉岡会長は藤本氏と産別の比例候補をセットで浸透させる運動が始まっているとし、「連合静岡は大きな組織。補選まで土田氏を支援し、終わったらすぐ藤本氏を支援するという切り替えは物理的に無理。候補者に問題があるわけではなく、補選の投票を呼び掛けるので、結果的に土田氏への投票につながる」と説明。既に土田氏本人と選対幹部に方針を伝え、了承を得たという。
 土田氏の選対本部長を務める細野豪志衆院議員(5区)は「連合は大切な仲間であり支援団体。信頼関係の下に実質的には支援していただいている」と強調する。
 しかし、民主党県連幹部の1人は「当然推薦があると思っていた。推薦なしでは労組からの支援に地域で差が生じ、運動に支障が出る」と懸念する。別の幹部は「今回の補選は衆院選で当選した総支部長が運動の中心。自立を促す意図があるのかも」と真意を測りかねた様子。一方、県東部の労組関係者は「政権交代を実現した直後の選挙。少し休もうという雰囲気は(組織内に)ある」と漏らした。

幸福実現党が矢内氏を擁立
09/30 08:08
 政治団体「幸福実現党」は29日、参院静岡選挙区補選に同党特別顧問矢内筆勝氏(48)を擁立すると発表した。
 県庁で記者会見した矢内氏は、「いじめ防止に取り組み、公教育を再生する」などと語った。矢内氏は福島県生まれ。早大大学院中退。NPO「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」(本部・東京)の会長を務める。
 参院補選では、民主党が医師土田博和氏(59)、自民党が富士常葉大非常勤講師の岩井茂樹氏(41)、共産党が元衆院議員平賀高成氏(55)の擁立をそれぞれ決めている。

2009年9月29日火曜日

自民県選出国会議員結束望む

 自民県選出国会議員結束望む
 他党は派閥脱却注視
 衆院選惨敗からの党再生を目指す自民党の新総裁が28日、谷垣禎一元財務相に決まったことを受け、県選出の同党国会議員は「今日から再出発だ」と決意を新たにした。一方、他党の県内議員は「古い派閥政治から脱却できるのか見守りたい」とし、新総裁の手腕を注視していく構えを示した。
 総裁選挙で西村康稔前外務政務官の推薦人となった塩谷立衆院議員(比例東海)は「決まった以上はみんなで協力してやっていく」と述べ、結果に従って谷垣氏を支えていく考えを表明。党内人事に関しては「若い人も執行部に入れ、『みんなでやろうぜ』という(谷垣氏の)言葉を具体化してほしい」と要望した。
 谷垣氏を支持した牧野京夫参院議員(静岡選挙区)は「党員は一つにまとまることを求めた」とし、世代を超えて一致結束する必要性を訴えたことが勝因と分析。党立て直しへの課題には10月に県内で行われる参院補欠選挙を挙げ、「新執行部が整ったら、直ちに手厚い支援を求める」と意気込んだ。
 民主党県連会長の榛葉賀津也参院議員(静岡選挙区)は「順当な結果」と冷静に受け止め、「互いに建設的な国会論戦ができれば」とエールを送った。一方で、「政権だけでなく、自民党が変わらないと日本の政治は変わらない」と強調し、谷垣氏の党運営のあり方をけん制した。
 公明党県本部代表の大口善徳衆院議員(比例東海)は「谷垣氏は財務相、国土交通相、党政調会長などを歴任した政策通」と評価し、「経済や雇用などの現場に根ざした政
策論を望みたい。若い世代をどう起用するかも注目だ」と述べた。

 県内政党
 自民「党再建の礎右に」
民主 共産「変わる要素ない」
 自民党新総裁に谷垣禎一氏が選ばれた28日、党県連は参院静岡選挙区補欠選(10月8日告示、25日投開票)に向けて「党再生の好機」と反転攻勢にかける意気込みを見せた。同じく補選に候補者を擁立する民主、共産両党は「自民が大きく挽回(ばんかい)できる雰囲気はない」などと受け止めた。
 自民県連の小楠和男幹事長は「党再建の捨て石ではなく、礎石となるように活躍してほしい。参院補選は最初の国政選挙で、党の顔として期待は大きい」と強調する。
 一方で、「自民(内部)には下野が分かっていない方々が多すぎる。現状を認識した上で、党再生に努めなければならない」と厳しさもあらわにした。
 「今までの自民党らしい人材。大きく変わる要素は感じられない」とするのは民主県連の岡本護幹事長。「与野党が競い合って国民のためになるのが政治。それにふさわしい野党になってほしい」と余裕を見せた。
 選挙の顔として新総裁効果が気になるが、「自民が大きく変わるという期待を国民に与えられなければ、支持が得られるとは思わない」と述べた。
 共産党県委員会の山村糸子委員長代理は「総選挙で(自民)大敗の要因は『構造改革』路線への国民の怒りだが、『基本的には間違っていない』という(谷垣氏が)新総裁に選ばれた。根本的な反省がなければ国民に前向きな対応はできない」と批判した。
〈静新平成21年9月29日(火)朝刊〉

参院補選 民主 土田氏が正式出馬表明

参院補選 民主 土田氏が正式出馬表明
 「医療改革声上げる時」
 御殿場市の医師で医療法人理事長の土田博和氏(59)が28日、県庁で記者会見し、参院静岡選挙区補欠選(10月25日投開票)に民主党公認で出馬すると正式に表明した。29日に党本部が公認を決定する。
 土田氏は出馬の理由について「日本の医療はWHO(世界保健機関)に世界一と評価されているのに、医師が現場から立ち去る現象が起きている。医療改革に声を上げなければならない時だと考えた」と語った。民主党から出馬する理由を「さまざまな記事やマニフェストを読み、自分の考えに一番近いと思った」と述べた。
 政策については、「医者は医療法と健康保険法に縛られている。二つの鎖につながれた医療にどういう弊害が生まれるかを国民に知ってほしい」と強調。医師・看護師不足への対応や、大卒者らを4年間で医師に育成するメディカルスクールの制度化などを主な政策として挙げた。
 土田氏は石川県生まれ。沼津東高、関西医大卒業後、1982年に御殿場市で整形外科病院を開業した。2007年の参院選に無所属で出馬し落選した。
 参院補選には、自民党が富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)を擁立。共産党県常任委員の元衆院議員平賀高成氏(55)も立候補を表明している。
〈静新平成21年9月29日(火)朝刊〉

2009年9月28日月曜日

県連は谷垣氏5票、河野氏3票 自民党総裁選


静岡政治・経済
県連は谷垣氏5票、河野氏3票 自民党総裁選 
09/28 14:58(静新webnews)


 自民党県連は28日午前、総裁選の党員投票の開票作業を静岡市葵区内で行い、有効投票をドント方式で配分した結果、県連の持ち票8票は谷垣禎一氏が5票(得票数8354票)、河野太郎氏が3票(同6363票)、西村康稔氏が0票(同1454票)となった。
 県内の党員・党友による有権者は3万2517人で、郵送により1万6295人が投票した。無効投票が124票。投票率は50・11%で、昨年9月の総裁選予備選を5・92ポイント下回った。
 開票作業は午前9時半にスタート。約30人のスタッフが投票はがきを候補者別に仕分け、100票ずつの束にして積み上げた。作業に先立ち、県連選管委員長の小楠和男幹事長は「党員の総意に基づいて行われる総裁選が党再生のスタート」と述べた。

2009年9月26日土曜日

参院2補選…民主・自民、負けられない事情

参院2補選…民主・自民、負けられない事情

 鳩山政権発足後、初の国政選挙となる参院神奈川、静岡両補選(10月8日告示、同25日投開票)の民主、自民、共産各党の候補者が出そろった。
 民主党にとって両補選は、鳩山新政権の「信任投票」の意味合いを持つうえ、参院での過半数確保に向けたステップとなるだけに、負けられない戦いだ。一方、反転攻勢のきっかけとしたい自民党も、総力戦で臨む構えだ。
 両補選は、自民党の坂本由紀子・前参院議員の静岡県知事選出馬と、みんなの党(参院議員当選時は民主党)の浅尾慶一郎衆院議員の衆院選出馬に伴って行われる。

 民主党は、神奈川では元内閣府課長補佐の金子洋一氏(47)を公認した。県連が経済協力開発機構(OECD)での勤務経験や民間団体での多重債務支援の経験などを評価し、公募に応じた20人から選んだ。
 静岡では、医師の土田博和氏(59)を擁立する。党内には「福祉や医療に精通し、医師会など自民党支持層の切り崩しができる」という期待がある。
 民主党は両補選について、「負ければ、せっかく順調に滑り出した鳩山政権の勢いに水を差すことになる」と見ており、2勝することを大前提としている。
 完勝を目指すのは、国会対策上の事情もある。現在、参院では国民新党や新党日本などと統一会派を組んでいるが、人数は118人と過半数に4人足りず、社民党を合わせてなんとか過半数を確保している。両補選に勝利すれば、過半数がそれだけ近づくわけだ。

 一方、自民党は神奈川で前横浜市議の角田宏子氏(42)、静岡で富士常葉大非常勤講師の岩井茂樹氏(41)の擁立を内定した。
 25日には、補選のテコ入れを兼ねて浜松市で総裁選の遊説を行った。谷垣禎一・元財務相は演説で、「41歳の岩井さんがじきに(公認)決定される」と岩井氏の若さをアピールした。
 党はこれまで、補選には参院比例選出の議員を大量に投入し、業界団体を引き締める組織戦を展開してきた。また、岩井氏の父の国臣氏は旧建設省出身の元参院議員で、建設業界の支援を受けていた。
 しかし、党の選対関係者は「野党になった今、業界頼みの選挙はあてにならない。静岡も神奈川も、40歳代という候補の清新さを打ち出す」と語る。先の衆院選で、民主党の若手や女性の候補に苦杯を喫した経験も影響しているようだ。
 公明党は、両補選で自民党に協力するかどうかは、「検討中だ」としている。公明党内では、自民党候補の推薦を求める意見の一方で、自主投票にすべきだという声もあり、告示直前まで結論が出ない可能性もある。
(2009年9月26日06時35分 読売新聞)

岩井茂樹氏記者会見


参院補選 「党再生静岡から」
 自民、岩井氏出馬表明 観光や環境に力

 富士常葉大非常勤講師の岩井茂樹氏(41)=沼津市=が25日、静岡市内で記者会見し、参院静岡選挙区補欠選(10月8日告示、25日投開票)に自民党から出馬すると表明した。
 会見に先立ち、自民県連は総務会で岩井氏擁立を了承した。26日に党本部に公認申請する。
 自民県連の公募で選考された岩井氏は、出馬に当たって「激しい逆風の中での選挙戦が続いている。自民再生は静岡から始まると発信したい」と語った。政策については「候補決定をもらったばかりで、詳細を言える状況ではない」としながらも、観光や環境分野に力を注ぎたいとした。
 知事選、衆院選と自民候補が敗れている状況には「自民は国民と寄り添っていなかったことが国民の政治不信を招いた」と指摘。党再生に向けて「若い力を取り入れたり、地域の声が中央に反映するシステムを取るべき」と述べた。
 岩井氏は名古屋市生まれ。名古屋大大学院修了。建設会社に勤務した後、国会議員秘書などを務めた。2005年の衆院選で静岡6区から立候補を目指したが断念した。元参院議員で国土交通副大臣を務めた岩井国臣氏の次男。
 参院補選には民主党県連が御殿場市の医師土田博和氏(59)の擁立を決め、共産党県常任委員の元衆院議員平賀高成氏(55)も立候補を表明している。
〈静新平成21年9月26日(土)朝刊〉

2009年9月25日金曜日

参院静岡補選に岩井氏擁立 自民県連

参院静岡補選に岩井氏擁立 自民県連
09/25 20:00 (静新webnews)

 自民党静岡県連は25日、総務会などを開き、10月25日投開票の参院静岡選挙区補選に富士常葉大の非常勤講師岩井茂樹氏(41)を擁立することを決めた。26日にも党本部に公認申請する。
 岩井氏は記者会見で「自民党を再生させないといけない。再生は静岡から始まる」と意気込みを語った。
 2005年の衆院選で、県連が静岡6区から岩井氏の擁立を内定したが、党本部が倉田雅年元衆院議員を公認したため、岩井氏は出馬を断念した経緯がある。
 補選には民主党県連が医師土田博和氏(59)の擁立を決定。共産党は元衆院議員平賀高成氏(55)が立候補を表明した。

自民岩井氏を擁立へ

自民岩井氏を擁立へ
主要政党、顔ぶれ固まる

 自民党県連は24日、10月8日告示、25日投開票の参院静岡選挙区補欠選挙(欠員1)で、富士常葉大非常勤講師の岩井茂樹氏(41)(沼津市)の擁立を内定したと発表した。民主党県連も同日、医師の土田博和氏(59)(御殿場市)の擁立を正式決定。鳩山新政権の発足後、初めての国政選挙まで約1か月と迫り、先に候補者擁立を発表した共産党と合わせて主要政党の候補者3人が出そろった。

 選考委員長の牧野京夫参院議員は24日、記者会見し、岩井氏を選んだ理由について、「自民党再生への思いや自己PR、過酷な選挙に耐えられる精神力などを総合的に評価した」と語った。小楠和男・県連幹事長は「自己アピール力を強く評価した」と述べた。岩井氏は同日、自民党県議らの会合の場に姿を現し、「死ぬ気で頑張ります」と決意表明したという。

 自民党県連によると、今月15~19日、候補者の公募を受け付け、県内外から男女計40人の応募があった。県選出国会議員2人と県連三役らでつくる選考委員会が書類審査で5人に絞り込み、22日の面接審査で岩井氏を推薦。24日の常任選対委員会などで了承された。25日の総務会で最終決定した後、党本部に公認を申請し、同日、岩井氏自ら記者会見を開き、出馬表明する。

 岩井氏は、名古屋市出身。名古屋大大学院を修了後、東京の建設会社に勤務し、2004年から参院議員だった父・岩井国臣氏の秘書を務めた。05年の衆院選で静岡6区から出馬を表明し、県連の推薦を得たが、党本部が倉田雅年・前衆院議員(70)を公認したため、出馬を断念した経緯がある。

 一方、民主党県連は24日、静岡市内で常任幹事会を開き、土田氏の擁立を正式に決め同日、党本部に公認を申請。土田氏は近く、立候補表明の記者会見を開く。

 常任幹事会後、県連会長代行の藤本祐司参院議員は擁立理由について、「全国的に医療問題はまったなしだが、医師不足解消や医療制度改革に向け、現場の声を反映させることが期待できる」などと述べた。

 同席した岡本護・県連幹事長は「医療関係団体など、我々が今まで得られなかった支援も期待できる」と述べ、従来、自民党を応援してきた医師会などの支援を得られる可能性があることを挙げた。土田氏は幹事会に出席した後、記者団に「身が引き締まる思い。医療や福祉を中心に訴えたい。民主党とは理念が一致している」と述べた。

 参院補選を巡っては、共産党県委員会が、元衆院議員で同党県常任委員の平賀高成氏(55)(浜松市)の擁立を表明している。

(2009年9月25日 読売新聞)

参院補選まで1カ月

参院補選まで1カ月
「民主、自民対決再び」
共産含む3陣営しのぎ 県東部当惑の声も





 鳩山内閣発足後、初の国政選挙として注目を集める参院静岡選挙区補欠選(10月8日告示)の投票日まで残り1カ月。民主、自民両党県連は24日、それぞれ常任幹事会、選対小委員会などを開き、民主は医師土田博和氏(59)=御殿場市=、自民は富士常葉大非常勤講師岩井茂樹氏(41)=沼津市目の擁立を決定。先に出馬表明した共産党の元衆院議員平賀高成氏(55)=浜松市=と合わせ、民主、自民の対決に共産が加わる選挙戦の主な構図が固まった。
 「鳩山首相の初陣を飾る」と意気込む民主。対する自民は「若々しい候補者を立て、民主の"売り"を奪い取った」(自民県議)。同一日程の参院神奈川選挙区補欠選とともに、来夏の参院本選挙の前哨戦ともなる。
 民主県連の岡本護幹事長は「参院の特性から、若さにこだわる必要はない。医療現場で活躍する医師だという点が(擁立の)決め手となった」と説明。さらに「医師会にも支持を求めたい」と述べ、自民党の支持基盤にも切り込みたい考え。県連には「簡単な選挙ではない。投票率アップが課題」との声も。
 一方の自民県連。同党議員の欠員回復の選挙だが、党内で正式な立候補の意思表明はなく、初の公募に踏み切った。短期の募集に40人の応募があり、小楠和男幹事長は「自民党への期待感の強さを裏付けた」と手応えを強調。県議団にあいさつに訪れた岩井氏は終始、硬い表情だったが、党本部の全面支援も期待できるという。
 共産の山村糸子県委員会委員長代理は「共産党が果たすべき役割を語る絶好のチャンス」とし、新政権に是々非々で臨む「建設的野党」の立場を訴えていく構えだ。
 土田、岩井両氏の地元となる県東部からは期待とともに、当惑の声も挙がる。
 土田氏を支援する御殿場市の会社社長は「前回(出馬した)参院選は無所属だったが、今回は民主党の力が借りられる」と期待。だが東部の連合静岡幹部は「来年の本選で(裾野市の)藤本祐司参院議員と産別比例候補を当選させることが最優先」と、補選への対応の難しさを語った。
 岩井氏は2005年の衆院選6区出馬断念後、沼津JCや「東駿河湾まちづくり研究会」などに入り、地道な活動を続けてきた。ただ、沼津市の自民党支部幹部らは「本人からも県連からも何も相談がなかった」と戸惑いを隠さない。
〈静新平成21年9月25日(金)朝刊〉

2009年9月24日木曜日

自民、岩井氏擁立へ 参院静岡補選


自民、岩井氏擁立へ 参院静岡補選
2009年9月24日(中日新聞)

 参院静岡選挙区補欠選挙(10月8日告示、同25日投開票)で、候補者を公募していた自民党静岡県連が、2005年の衆院選で静岡6区から擁立を目指した岩井茂樹氏(41)=沼津市=を候補者に内定したことが23日、分かった。
 党県連は参院補選の候補者を15~19日に公募し、約40人の応募があった。県連は県内選出の国会議員、県連三役ら7人でつくる選考委員会で、書類審査と面接を実施し、23日、岩井氏に絞り込んだ。24日開催する県連の選対委員会で発表し、後に総務会で正式に決定する。
 岩井氏は名古屋市出身。名古屋大大学院を経て、建設会社に勤務し、参院議員秘書なども経験。05年9月の衆院選では、静岡6区の候補として県連の推薦を受けたが、党本部が前衆院議員の倉田雅年氏(70)を公認決定したことから、出馬を断念した。岩井氏は岩井国臣元参院議員の次男。
 同参院補選では、共産党が党県常任委員の平賀高成氏(55)、民主党が御殿場市の病院理事長土田博和氏(59)の擁立を決めている。

自民、岩井氏を内定

自民、岩井氏を内定 公募から選考 参院補選候補
09/24 15:09(静新webnews)



 自民党県連は24日までに、参院静岡選挙区補欠選(10月8日告示、25日投開票)の候補者として、富士常葉大非常勤講師の岩井茂樹氏(41)=沼津市=の擁立を内定した。同日午後の選対小委員会と常任選対で決定し、25日の総務会で了承を得た上で、党本部に公認申請する。
 県連幹部は岩井氏を内定した理由について「若さと政策をアピールする能力が優れている。新生自民党の候補者としてふさわしい」と述べた。
 自民県連は候補者を公募し、女性を含め40人から応募があった。応募者の年代は30代から60代で県外在住者が半数を占めた。県選出国会議員2人と県連3役、女性部長、青年局長の計7人が選考委員を務め、書類選考で選出した5人に面接を行い、岩井氏を選んだ。
 岩井氏は名古屋市生まれ。名古屋大大学院修了。建設会社に勤務した後、国会議員秘書などを務めた。静岡6区から立候補を目指した2005年の衆院選では、県連が候補に内定し党本部に公認を申請したが、倉田雅年氏(70)の4区からの国替えにより出馬を断念した。父親は元参院議員で国土交通副大臣の岩井国臣氏。
 参院補選では、共産党県常任委員の元衆院議員平賀高成氏(55)が出馬を表明し、民主党県連は24日の常任幹事会で御殿場市の医師土田博和氏(59)の擁立を決めた。

2009年9月23日水曜日

25%削減

温室ガス25%削減もいいが、議員給与25%削減もお願いしますよ。


2009年9月22日火曜日

亀井大臣:社長のクビとってね。


米政権に匹敵する鳩山内閣 佐藤隆三

 米政権に匹敵する鳩山内閣 佐藤隆三
 期待と失望が米国の原動力
 「日本人にも政治への期待感がこんなにあったのだ」。これは鳩山政権発足の翌日に、米国から帰国した際に感じた日本国内の強烈な印象である。えも言われぬ高揚感が至る所に瀕(みなぎ)っていたのだ。
 約半世紀間、日米を往復してケネディ大統領就任からオバマ大統領のホワイトハウス入りを目の当たりにしてきた。その都度体感した米市民の興奮ぶりに、政治への期待と失望のサイクルこそが米国政治を突き動かす有権者の巨大なエネルギーなのだ、と痛感した。ひいてはこのエネルギーが経済や外交にも波及する。つまり政権交代が米国の力の源である。
 とはいえ、政権交代が米国を常に正しい方向に導いてきた、とは言い難い。ジョンソン政権によるベトナム戦争への深入り、ニクソンのウォーターゲート事件、そしてブッシュのイラク戦争も米国を誤った方向に導いた。だがそのたびに米国民は、次期こそは、の期待と希望で軌道修正に立ち上がってきた。これが米政権交代の意義である。
 日本では事実上4年前に一種の政権交代が起こった。小泉政権の発足がそれだ。小泉内閣はいわば自民党から分裂した「小泉党」が作った政権であった。有権者はあの時にすでに自民党から離れて、別の党による政権交代を求めていた。だから「自民党をぶっ壊す」と言った小泉氏に野党的新風を感じ、当時の日本には一時的に閉塞(へいそく)感打破の高揚感が溢(あふ)れた。だが、筆者自身はその米国模倣の経済政策に危うさを感じ、あの疑似政権交代を支持する気にはなれなかった。
 安倍、福田、麻生と続いた3代の内閣は、小泉党・小泉政権の負の遺産を相続し苦しんだ。サプライズ人事や人気だけで首相を選ぶ手法で小泉政権を真似たが、自民党の旧弊をそっくり残した残骸政権にすぎなかった。
 では、あのまま小泉党政権、あるいは小泉政権と同じ政策を続ける内閣が存続していたらどうなっていたか。結果は、より悲惨な経済格差が国民を苦しめていたであろう。その理由は小泉政権の矛盾は、官から民へを主張しながら官を優遇し続け、民だけに競争を押しつける変則的市場主義だったからだ。タクシー台数だけ増やす規制緩和政策はその好例である。
 弱者への政策不可欠な日本
 鳩山民主党政権は、小泉及び自民党残骸政権の矛盾に対する有権者のノーが選んだものだ。4年前に刷新への期待を担って誕生した小泉及び自民党残骸内閣に代わり、官を脱し民に温かい競争主義を求める政策を国民が期待した民主党政権である。新内閣の人事を見る限り、麻生お友達内閣と比べて現在の日本が提供できる最高の人材を要所要所に据えた、と言える。米オバマ政権の閣僚たちとも互角に渉(わた)り合える人たちだ。
 競争と切磋琢磨(せつさたくま)は社会の発展や向上のために必要だが、弱者への温かい政策はいまの日本に不可欠である。バラ播(ま)きとされる、育児教育や医療及び農業支援は、米国との比較においても当然の支出である。米国公立高の教育はほとんど無料である。日本の民主党政策は、消費だけを伸ばす、と批判されるが、GDP比で先進国中最低の日本の消費を増やすことが内需拡大の第一歩である。
 今回の政権交代にも失望や不満が遠からず生まれるだろう。混乱と試行錯誤も繰り返すだろう。だが鳩山新内閣は政権交代時の「身震いするような」感激を持ち続けてもらいたい。(ニューヨーク大名誉教授)
(静新平成21年9月22日「論壇」)

2009年9月20日日曜日

「二大政党制と政権交代」橋爪大三郎

「二大政党制と政権交代」橋爪大三郎
 参院を比例代表制に
 民主党が圧勝した。戦後初の、選挙による本格的な政権交代だ。小選挙区制が、やっと設計どおりの性能を発揮した。8月30日は、戦後政治の転換点として、歴史に刻まれるだろう。
 二大政党制と民意による政権交代が定着すれば小選挙区制は大成功。ただ今回、問題点も浮かびあがってきた。
 振り子の幅
 まず第一に、振り子の幅が大きすぎる。4年前は小泉旋風。今回は民主党への追い風が吹き荒れた。有権者が少し態度を変えるだけで、議席が大幅に増減する。1票の手応えに満足しないで、有権者も、小選挙区選挙の性質を学習し、もう少し賢明に投票すべきだ。
 これだけ振れ幅が大きいと、現職議員がごっそり落選する代わりに、大量の新人(チルドレン)が当選してくる。世代交代は必要だ。でも度を超すと、政治家の質が悪くなる。リスクが大きすぎて優秀な人材が政治を目指さなくなるからだ。
 第二に、少数政党の存在理由をどう考えるか。公明党は今回、八つの小選挙区で全敗した。比例区のおかげでそこそこ議席を保ったが、単純小選挙区制だったら、第3党以下は消滅だ。
 自公連立は、自民党の小選挙区対策だった。3~5議席を争う中選挙区では、投票数の15%も固めれば当選。だが小選挙区では50%が安心ラインだ。そこで自民党は公明党の集票力に期待して手を結び、支持率が低下するなか10年間政権を保ってきた。でも今回、公明党の集票力は、有権者のひき起こす「風」にかなわないことが明らかになった。
 小党のジレンマ
 連立は、議席の少ない政党も政策に直接影響力を及ぼせるので、小党に有利である。逆に言えば多数党に不利。マニフェストを読んで投票した大多数の有権者の意思を、小党が連立協議でひっかき回せば、民主主義の原則に反してしまう。与野党が伯仲して小党がキャスチングボートを握るのは、二大政党制でありがちとは言え、望ましい現象ではない。
 連立にからまない第3党以下は、政策を実現するチャンス、つまり存在理由が問われる。でも連立にからむと、第1党に票を投じた多数者の意思を、少数者が損なったと言われてしまう。解きがたいジレンマだ。
 第三に、これと関連するが、二院制は衆院の小選挙区制のもとでうまく機能できるのか。
 衆院で単独過半数を占めた民主党が、社民、国民新党と連立するのは、参院でも過半数がほしいから。「ねじれ国会」で苦しんだ自民党の二の舞いは嫌なのだ。戦後、自民党が両院で多数を占めていたあいだ、ねじれはなかった。今後は、衆院で与野党が逆転するたび、ねじれを覚悟しなければならないのか。
 チェック機能
 だが待ってほしい。二院制はもともと、衆院の暴走を参院がチェックするためのものだった。とすれば、ねじれは正常な姿だと言えないか。
 民主党は、衆院の比例区を180から100に削減するとしている。二大政党制に向けて、さらに半歩前進だ。でもそれなら、参院の選挙制度はむしろ比例代表制に改めたらどうか。小選挙区制は政権選択に、比例代表制は少数意見の尊重に、向いているからだ。
 これまで参院は衆院のコピーで、憲法の期待するチェック機能が働いてこなかった。ねじれを解消するよりも、衆院の優位と参院のチェック機能が調和する、うまい仕組みをゼロから超党派で考えるほうがよいと思う。
 民主党がどのような政権をスタートさせるか。民主党は来年の参院選に勝利し、両院の安定多数をめざすだろう。だが、民主党の圧勝を境に、風向きは変わったと思う。119議席の自民党は、解散が怖くない。これからは攻め放題だ。
 民主党は国会で、時間をかけ、とことん政策論争をしてもらいたい。そして時には、重要法案の修正に応じる。法案の賛否にいちいち党議拘束をかけるのもやめる。そういう健全な議会運営の慣行を育て、自民党と協力できるなら、いま小手先の連立に走る必要はないはずである。(東京工業大教授)
(静新平成21年9月19日「論考09・9月」)

2009年9月19日土曜日

鳩山新内閣発足


識者評論「鳩山新内閣発足」㊤
「脱官僚依存」の危機 評論家 立花隆氏
 党組織の権力強大化
 鳩山新政権が成立した日、真夜中にはじまった新閣僚の記者会見を見て、途中からウンザリするとともに、こりゃダメだと思った。「これは明治維新以来の革命だ」だの、「新しい歴史が切り開かれた」だの、もっともらしい美辞麗句がさかんにならべられたが、その革命の実体がさっぱり見えてこない。
 政権交代が事実上確定したのが、もう2週間以上も前だというのに新政権への移行が何も準備できていないのだ。国家戦略局という新しい組織。そこで予算編成の大枠から、あらゆる国家的グランドデザインを練るという。
 担当の副総理菅直人は、どういうスタッフで、この組織を運営するのかと問われて、新組織だからスタッフは事実上いない(民主党の担当職員が若干)と白状せざるをえなかった。予算を直接担当する財務省との線引きを問われると、財務大臣とよく話し合うとしか答えられなかった。国家戦略局は、小泉内閣の経済財政諮問会議(廃止する方針を表明)に代わるものなのか、と問われると、原理的に全くちがうという理念的な説明しかできなかった。
 具体的な話ができず、理念的な答弁しかできなかったのは菅直人だけではない。既存の組織を持つ大省庁の担当大臣も同じだった。みな具体的仕事を担当する事務方の役人と事前の打ち合わせが何もできなかったから具体的な話ができないのだ。
 鳩山内閣がスローガンとしている「脱官僚依存」を実現するために、官僚と事前の打ち合わせをしないように強いお達しが出ていたのだという。
 聞いて唖然(あぜん)とした。どんな仕事も、現場の担当者との打ち合わせ抜きにいい仕事ができるわけがない。大臣になったらすぐに事務方と打ち合わせて、もっと中身があることをしやべるべきだった。
 少数のベテラン政治家は自分の言葉で中身があることをしゃべったが、多くのダメ大臣たちは、「これからやるべきことはすべて、マニフェストに書いてあります。私はマニフェストでお約束したことを忠実に実行していくだけです」の一言をいろんなバリエーションでしゃべっただけだった。こいつらアホかと思った。民主党は何か根本的なところでかんちがいしているのではないか。官僚と事前打ち合わせをさせたら官僚のマインドコントロール下におかれてしまうと心配したようだが、そういう低レベルのダメ政治家を大臣に任命したからこんなことになるのだ。お粗末人選をタナに上げて、もっぱら官僚を諸悪の根源視したのは筋ちがいだ。官僚は行政のプロであり、行政組織とは官僚の集まりそのものである。総理大臣は行政組織の長なのだ。官僚の長が脱官僚をいうなど大まちがいだ。大臣もいい仕事をするには、官僚を敵にまわすのではなく、公僕としてもっともっと働かせることを最優先すべきだ。
 だいたい、マニフェスト、マニフェストとしかいえない政治家たちは、一見「脱官僚依存」したようで、マニフェストを作った「党官僚」への依存を強めただけではないのか。政治家にとって一義的に重要なのは、自立心であり、自分の考えを持つことだ。議員の党官僚への過度の依存は党官僚組織を強大化し、かつてのスターリンのような党書記長職の権力を一方的に高めてしまう。これはキケンだ。
(静新平成21年9月18日夕刊)
識者評論「鳩山新内閣発足」㊦
永久闇将軍的権力の確立 評論家 立花隆
 角栄超える小沢幹事長
 民主党の場合、スターリン的な党組織の専制政治化がすでにもたらされているのではないか。この場合、書記長ではなく幹事長と呼ばれているが。
 今回の選挙の最大の立役者として、幹事長小沢一郎の功績が大きく評価され、参院選も彼が中心的に仕切ることになった。すでに民主党内の小沢の影響下にある議員の数は150人になんなんとして、ゆうに一つの政党以上になっている。日本の政治史上、これにならぶ数の力を一身に具現したのは、全盛時代の田中角栄だけである。あの時代、田中は自民党の総裁すなわち日本国の総理大臣の首を次から次にすげかえ、希代のキングメーカーといわれた。
 この勢いで参院選でも小沢の勢力がふえると、小沢は民主党の代表の首を自由にすげかえることが可能になり、民主党を足場にした小沢の永久闇将軍的権力が確立することになる。田中の秘蔵っ子といわれた小沢の政治家のモデルは田中角栄である(とくにその政治力の行使の仕方において=自分の思い通りに政治を動かそうとする欲望の強さにおいて)。そこまでいくと、小沢は師をしのぐことになる。
民主党のプランによると、官僚組織の中に多数の政治家を副大臣とか政務官などの形で送りこむことになる。それと、国会の各常任委員会を多数派として支配することを通じて、官僚組織を完全にコントロールできる体制をととのえるのだという。
 そうなると、世界最強といわれた日本の官僚組織が小沢の完全コントロール下におかれるわけだ。そのような未来を予知させる事態がすでに出現している。官僚の力をそぐために、事務次官など官僚組織のトップが独自の記者会見をすることが禁止された。官僚の情報発信力を奪ってしまうわけだ。官僚組織のトップたちの集まりであった事務次官会議もつい最近廃止された。官僚たちの内部的自己調整機能を奪うわけだ。
 事務次官会議を仕切るのは事務方の官房副長官で、影の総理大臣と呼ばれてきた。麻生政権最後の官房副長官は元警察庁長官の漆間巌で、彼は、民主党代表だった小沢の西松建設からの献金問題が起きたとき、「この事件は自民党には波及しない」とのイレギュラー発言をしたことで、民主党(つまりは小沢一郎)の怒りをかっていた。今回事務次官会議廃止でクビを取られたのもそのせいだろうといわれている。
 西松建設事件の影響は他にもある。あのとき、小沢に民主党代表を辞任すべしとアドバイスした民主党長老が一人は渡部恒三、もう一人は藤井裕久だった。渡部は今回の人事で衆院議長確実といわれたのに外された。藤井は財務大臣確実といわれたのに一時は外されかかった。それもあの辞職勧告のためといわれた。
 ともかく、今回の人事で閣僚人事も、党役員人事も基本的に小沢の圧倒的な影響下で決されていったと伝えられている。これから民主党の政治家たちはみな小沢の影響下におかれざるをえないし、日本の官僚組織のすべても小沢の意向を気にしながらことを決めていくことになるだろう。岩手小沢王国で起きたことがこれから全国規模で起きていくことになるのではないか。
 そんな世の中になったらたまらんなと思う。一見清新な鳩山政権の誕生も素直には喜べない。
(静新平成21年9月19日夕刊)

「政務三役」県内4氏が意欲


 鳩山内閣担う「政務三役」 県内4氏が意欲
 鳩山内閣発足に伴う新政権人事で、それぞれ総務省と防衛省の副大臣に決まった民主党の渡辺周氏(衆院静岡6区)と榛葉賀津也氏(参院静岡選挙区)は、18日夕に皇居で行われた認証式に出席し、正式に就任した。また、同党の田村謙治氏(衆院静岡4区)と藤本祐司氏(参院静岡選挙区)が同日、官邸で鳩山首相からそれぞれ内閣府政務官、国土交通政務官の辞令交付を受けた。
 民主党は、各府省の大臣、副大臣、政務官の「政務三役」が一体的に政策を立案、決定する政治主導で霞が関改革を行う方針を打ち出しており、副大臣、政務官両ポストの職責は従来に増して重くなる見通し。
 渡辺氏は「密な連携が不可欠。一丸となって地方分権を推し進め、地方に活性化をもたらしたい」と意欲を示した。同省は消防庁も所管していることから「(東海地震など)大地震の防災体制を積極的に確立させる」とも話した。
 榛葉氏は、直前まで務めていた参院外交防衛委員長からの"昇格人事"となった。自身の起用について「想像もしなかった」と表情を引き締め、「現場の自衛官がより一層誇りを持って仕事ができる環境を整え、国民に信頼される防衛省を築きたい」と語った。
 財務省出身の田村氏は金融担当が有力といい、「与えられた仕事をまっとうし、脱官僚依存を実現させたい」。藤本氏も「自分の専門性を生かしながら、責任ある与党として国民の期待に応えたい」と抱負を述べ、新政権を全力でもり立てていく姿勢を強調した。
(静新平成21年9月19日(土)朝刊)

2009年9月18日金曜日

参院補選 民主、土田氏擁立へ 御殿場の医師


参院補選 民主、土田氏擁立へ 御殿場の医師
09/18 14:43(静新webnews)
 参院静岡選挙区補欠選(10月8日告示、25日投開票)で、民主党県連が同党公認候補として御殿場市の医師土田博和氏(59)を擁立する方針を固めたことが18日、分かった。県連は党本部と最終調整の上、24日に常任幹事会を開いて正式決定する見通し。
 関係者によると、県連の榛葉賀津也会長、岡本護幹事長らが17日に都内で土田氏を交えて会議を開き、擁立を内定、小沢一郎党幹事長にも面会して報告したという。土田氏は医療や教育の改革などを訴え、2007年の参院選に無所属で出馬して落選した。
 国民生活を優先する党の政策と、土田氏の政治的な主張に一致する部分が多いとの判断が働いたとみられる。候補者の選考過程では、党所属県議ら数人の名前が挙がっていた。
 土田氏は石川県生まれ。沼津東高、関西医科大卒業後、1982年に御殿場市に整形外科病院を開業した。
 県連は今月8日の常任幹事会で、遅くとも今週までの候補者決定を目指すことを確認。榛葉会長は小沢幹事長から同補選について、「安定した参院運営のため、必ず(議席を)取らなければならない」と直々に指示されたという。
 同補選では、共産党県委員会が元衆院議員の平賀高成氏(55)の擁立を発表。自民党県連は候補者を公募中で29日の臨時県連大会までに決定する。

2009年9月16日水曜日

静岡政治

 総裁選の投票用紙 自民県連が発送準備
 18日告示の自民党総裁選に向け、自民党県連は15日、党員投票用の往復はがきを党員、党友に発送するための準備作業を静岡市内で行った。約40人が、往復はがきにあて名シールを張り付けた。
 対象は8月31日までに党員、党友の手続きをした約3万2千人。地方票300票のうち、県内分は各都道府県に割り当てられる3票に加え、残りは党員数に応じて配分されるため、7票前後になるという。総裁選実施が確定し次第、はがきを発送する。投票日前日の27日到着分まで受け付け、ドント方式で候補者に配分する。
 県総裁選選管委員長の小楠和男県連幹事長は「総裁選は地域の声が反映され、国民全体が注目している」と述べた。

 参院補選に独自候補 共産党県委
 共産党県委員会は15日の総会で、参院静岡選挙区補欠選(10月8日告示、25日投票)に独自候補を擁立する方針を決めた。県委員会幹部を軸に詰めの選考作業を行っている。
 民主党県連は先の常任幹事会で、党本部と連携して候補者を擁立する方針を決めている。自民党県連は候補者を公募中で、29日の臨時県連大会までに決定する。
(静新平成21年9月16日(水)朝刊)

2009年9月15日火曜日

参院補選、自民が公募を決定 県連きょう会見

参院補選
 公募「自民再生へ期待」 県連、19日まで受け付け
 自民党県連は14日、参院静岡選挙区補欠選(10月8日告示、25日投票)の候補者を公募すると発表した。受付期間は15~19日で、29日の臨時県連大会までに決定する。県庁で記者会見した小楠和男幹事長は「清新で有為な人材を得たい。自民再生のために汗をかき、努力する人を期待したい」と述べた。県連として公募を実施するのは初めて。
 8月の衆院選県内全小選挙区で党公認候補が敗れた結果などを受け、公募を決めた。民主党を中心とする連立政権誕生後の初の国政選挙となることから、小楠幹事長は「地方組織も変わらなければいけない。"再生自民"を地方から打ち出していく必要がある」と強調した。
 選考委員会は党所属国会議員2人と県連3役、青年局長、女性部長の計7人で構成し、書類審査と面接審査を行う。公募で候補者が決定できなかった場合、「その時点で対応を考える」(小楠幹事長)という。
 対象者は30歳以上で県外在住者も応募できる。自薦、他薦は問わない。「政治に対する信条」をテーマにした論文(2千字以内)などを提出する。申請書と履歴書は県連ホームページからダウンロードできる。
 問い合わせは自民党県連〈電054(255)0491〉へ。
(静新平成21年9月15日(火)朝刊)


参院補選、自民が公募を決定 県連きょう会見 
09/14 07:43 (静新webnews)
 自民党県連は13日、参院補選(10月8日告示、25日投票)の候補者擁立を協議する3役会合を浜松市で開き、候補者選考を公募により進める方針を決定した。小楠和男幹事長は、会議後「方向性は固まった」と述べた。14日にも会見を開き、公募の手続きなどを公表する。
 会合では知事選、衆院選の敗因を分析。参院補選を候補者擁立作業を含め、地方からの党再生のスタートと位置付けることで一致。党の将来像を明確にした上で、清新な人材を幅広く求めていくことにしたという。
 会合は、県連会長就任が内定している塩谷立衆院議員(比例東海)の事務所で行われた。牧野京夫参院議員(静岡選挙区)も同席した。
 県連は13日までに、三島、静岡、浜松の3市で、支部役員らと地域の政策課題や政治情勢について意見を交わす政調会の地区会合を開いた。出席者によると、各会合では知事選や衆院選の十分な総括を求める指摘が相次いだほか、参院補選について公募を提案する声もあったという。

2009年9月12日土曜日

自民静岡県連

自民県連 参院補選公募も検討
 29日に党大会 会長塩谷氏就任へ
 自民党県連は11日、役員会と議員総会を開き、空席となっている会長を選任する臨時党大会を29日に静岡市で開催し、10月25日投票の参院補選の候補者を、同大会までに決定する方針を固めた。補選の候補者擁立は公募による選考も含め、執行部が引き続き協議する。県連会長人事は国会議員での互選となり、塩谷立衆院議員(比例東海)が就任する見通しとなった。
 総会後に会見した小楠和男幹事長は、補選の候補者について「具体的な名前は出ていないが、自民党再生にふさわしい若い人をという意見があった」と報告。その上で「補選に出馬した人が来年の参院本選挙の候補者として一番有力」との考えを示した。
 先の全国幹事長会議で党本部が静岡と神奈川の参院補選を「反転攻勢の場」と位置付けたごとに、小楠幹事長は「県連組織は知事選と衆院選の連戦、連敗で疲弊している。(選挙活動の)母体となる選挙区支部すら機能しない支部が出始めている中で、戦うには難しい状況」と述べ、候補者擁立作業の難しさを指摘した。
 県連会長を国会議員に要請したことは「国政選挙を戦う上で党本部とのパイプが必要」と理由を説明した。会長の任期は来年5月の県連大会までとなる。
 また、元県連幹事長の浜井卓男県議会議長(浜松市西区)が衆院選期間中に7区の無所属候補を応援したとして、党紀委員会を16日に開くことも決めた。
(静新平成21年9月12日(土)朝刊)

2009年9月11日金曜日

西伊豆町・松崎町・東伊豆町

西伊豆町長 補正額を大幅に縮小14日提出 臨時交付金事業など見送り
 西伊豆町の藤井武彦町長は10日、3日の9月定例会で否決された本年度一般会計補正予算案を大幅に縮小した修正案を、14日の定例会最終日に提出する方針を固めた。
 修正案は義務的経費や8月の地震災害復旧事業費(2020万円)などが中心で、補正規模は約7560万円と当初案の約半分。低公害車導入費や防災行政無線難聴対策整備工事費などが含まれる政府の地域活性化・経済危機対策臨時交付金事業(4880万円)や、子育て応援特別手当事業(720万円)、鳥獣害対策に充てる林業振興費(90万円)などの予算化が見送られる見通し。
 藤井町長は「議決を軽視することはできない」とした上で、「当初案に賛成した議員5人からの要望もあり、緊急性の高い項目を盛り込んだ」と説明した。3日の定例会では、580万円の低公害車導入費をめぐり車種や購入目的が明確でないことに批判が集まり、当初案の採決は賛否同数となり、議長採決で否決されていた。

 松崎町議会5議案を可決
 松崎町議会9月定例会は10日、本会議を開き、政府の地域活性化・経済対策臨時交付金に関連した浸水対策基本計画策定事業費などを盛り込んだ1億1000万円の一般会計補正予算案など5議案を原案通り可決した。

 東伊豆町議会 4議案、原案通り可決
 東伊豆町議会9月定例会は10日、前日に引き続き3氏が一般質問を行ったほか、出産一時金を増額する町国民健康保険条例の一部改正案など4議案を審議し、原案通り可決した。
(静新平成21年9月11日(金)朝刊)

2009年9月10日木曜日

次期衆院選 柳沢氏、3区出馬断念

次期衆院選 柳沢氏、3区出馬断念
 政治活動は継続 後継選び課題
 
 衆院選の結果を総括する自民党静岡3区支部(柳沢伯夫支部長)の常任幹事会が9日、袋井市内で開かれ、会議後、柳沢氏は次期衆院選への出馬の意欲を問う静岡新聞社の取材に「何があるか分からないが、タイミング的に考えにくいということに尽きる」などと述べ、3区からの立候補を事実上断念する考えを示した。
 今後、焦点となる3区の後任候補者選びについて、柳沢氏は「私から意見を言う立場にはもうないと思う。聞かれれば言うし協力もしたいが、聞かれないのに言うのは差し控えるべき」と述べた。
 柳沢氏は袋井市内の本部事務所を近く閉鎖し、3区支部の残務整理は磐田市内の事務所に集約する。新たに東京都内に事務所を構え、「生きた情報を地元に伝えるのは使命」(柳沢氏)として政治活動は続ける。
 幹事会に出席した県議の1人は、柳沢氏の進退の判断について「東京に事務所を構えるというのは完全な政界引退ではないと思うが、年齢に対する一般の見方や世代交代論などもあるのでは」と述べた。
 柳沢氏は旧大蔵省官僚を経て1980年6月衆院選に初当選し、8期の間に旧国土庁長官や金融担当相、厚生労働相などを務めた。
(静新平成21年9月10日(木)朝刊)

2009年9月8日火曜日

 参院静岡補選

 参院静岡補選
 候補者選定悩む民・自
 民主「つぶし合い回避を」
 自民「体制立て直し先決」
 来夏の本選視野に
 参院前職の知事選出馬に伴って行われる参院補欠選挙(10月25日投票)をめぐり、民主、自民両党の県内関係者が候補者選定に頭を悩ませている。告示まで1カ月と準備期間が短く、それぞれに"お家事情"を抱えているためだ。天下分け目の衆院選が幕を閉じ、世間の関心は鳩山新政権の人事に移ったが、県内での民主党と自民党の対決は続く。
「次も必ず勝たなければ。負ければいきなり『鳩山政権に暗雲』と言われる」。県選出の民主党衆院議員の一人は、衆院選圧勝にも気を緩めず先を見据える。次期参院補選は新政権誕生後に行われる初の国政選挙で、全国的な注目を集めることは必至。政権運営を軌道に乗せるためにも補選勝利は至上命令というわけだ。
 一方で、来年の参院選をにらんだ候補者選定の必要にも迫られている。補選を制すれば来年改選を迎える現職が2人となり、静岡選挙区の2議席をめぐってつぶし合いになりかねないとの懸念があるからだ。ある県連関係者は「基本線は本選で比例区に回ってもらえる候補。それには知名度が欠かせないが、今からお願いできる人がいるかどうか…」とこぼす。
 今回争うのは自民党が持っていた議席。民主党は参院で過半数を握っていないため、「どうしても取りたい」(同党中堅議員)。別の衆院議員は「県民に党内事情は関係ない。とにかく勝てる候補を出すだけ」と強調する。
 対する自民党は、衆院選惨敗の影響が色濃く残る。当初は、県選出国会議員が7月に開いた会合で、9月上旬までに候補者を決定する方針を確認していた。しかし、衆院選の結果、9人いた衆参国会議員が2人に激減。県連会長も辞任して空席となり、「補選の対応よりも県連の体制立て直しが先決」(県連幹部)という状況に追い込まれた。さらに、麻生太郎総裁も敗戦の責任を取り辞任の意向を表明。総裁選は28日投開票となり、参院補選の指揮を執る新執行部の発足は9月末までずれ込む見込み。県選出議員の一人は「党本部がガタガタでは、相談するのにも困る」と苦しい胸の内を明かす。
 県連は、補選の候補者を来年の本選にも出馬させることを視野に擁立作業を進める見通し。県内で民主党との一騎打ちになれば、現状では苦戦を強いられる可能性は高い。しかし、ある県連幹部は「とにかく不戦敗は絶対あり得ない。来年につながる選挙にしなければ」と危機感を募らせる。
(静新平成21年9月8日(火)朝刊)

沼津商議所市に要望


 沼津商議所が市長に
東駿河湾環状道路建設促進を求める
 沼津商工会議所は7日、栗原裕康沼津市長に、未年度の市商工行政に対する要望書を提出した。中心市街地の活性化など交通運輸や観光、工業など、要望は各分野で22項目にわたる。このうち東駿河湾環状道路西側区間原町-沼津インター間)の建設促進など7項目を新たに盛り込んだ。
 新規要望はこのほか、浜松市が導入した「経営セーフティ共済掛金助成制度の創設」、沼津の新名物として愛好家に人気を集めている「沼津港の夕日のPR」など。静岡空港を機に新たな観光ルート設置といった観光振興策、沼津地域中小企業支援センター設置も継続事業として要望した。
 後藤全弘会頭が「各部会での議論や意見を集約した。地域活性化のため必要と思われる事業の実現に向け積極的支援を期待している」と述べ、栗原市長に要望書を渡した。
(静新平成21年9月8日(火)朝刊)

 予算時期迎え商議所が市に要望
「政権代わり見通しの難しさ指摘」
 商工会議所(後藤全弘会頭)は七日、「商工行政等に関する要望書」を栗原裕康市長に提出した。後藤会頭をはじめ、副会頭ら七人が市役所を訪れ、後藤会頭から栗原市長に要望書が手渡された。市の来年度予算編成に向けての十九項目(うち新規七項目)で、地域活性化に向けて内容をまとめた要望。
 要望書を受け取った栗原市長は「庁内で検討しできるだけ応えるようにしたいが、政権が代わり今後どうなるか見えないところが多い」として、第二東名へのスマートインターチェンジ導入の要望を例に難しさを指摘。
 「民主党の商工行政は、マニフェストを見ても大した目玉はない。そういうことを含めて特に国、県との連携が多いので、様子を見ながら(国、県と)打ち合わせをしていきたい」とした。
 さらに、県と市が進めているコンベンションセンター建設について「川勝(平太)知事が『県産材を使え』ということで、『丸太を使えばいい』と思ったが、『森みたいにしろ』と言われ、お金がかかることから…」。
 また、「来年度予算編成に向けて(民主党が)概算要求を見直すと言っている。そうなると県も見直し、当然、私達(市)もそうなるから」と見通しが定まらない様子を示唆した。
 要望の新規項目は「来街者に分かりやすい沼津駅(南口)交差点地下道案内表示の改善及び清掃」「東駿河湾環状道路西側区間(原町~沼津IC)の建設促進」「東名愛鷹パーキングエリア並びに、第二東名高速道路沼津サービスエリアへのスマートインターチェンジの導入」「沼津港の夕日の仕掛けづくりや周知」「沼津ブランド認定制度運営に対する支援」「経営セーフティ共済掛金助成制度の創設」「エコアクション21取得企業に対する助成金の創設」。
 「沼津港夕日」では、夕日が波で揺れる海面に反射し「タコ(蛸)」に見え観光に使えること、「経営セーフティ共済掛金」では連鎖倒産防止などのための共済掛け金の一部を助成してもらうこと、「エコアクション21」では、ISO取得よりも容易に取り組めるエコアクション21取得の支援を求めている。(沼朝平成21年9月8日号)

2009年9月5日土曜日

小選挙区の区割り

「小選挙区の区割り」
 単なる数合わせ見直しを
 政権選択選挙と位置付けられ、民主党が政権交代を実現した今回の衆院選。マニフェストの浸透、インターネットの活用、集票組織の弱体化…。取材を通じて、選挙の質も劇的に変化しているように感じた。ネット選挙"解禁"など選挙制度の見直しに向けた議論は進むだろうが、小選挙区の区割りにも目を向けてもらいたい。
 同じ行政区に2、3の選挙区が混在する地域は「平成の大合併」によって、浜松市や富士市をはじめ全国的にも増えた。今回取材した伊豆の国市は、旧伊豆長岡町が富士市や御殿場市と同じ5区、旧韮山、大仁町が沼津市や伊東市と同じ6区で、前回に続き選挙区が二つに分かれた。
 4年前の衆院選は富士支局で取材した。工場の多い富士市と温泉地の旧伊豆長岡町では生活圏どころか明らかに地域性が違う。当時も、富士市が三島市と同じで富士宮市と異なる選挙区ということに違和感はあったが、伊豆の国市の場合も、伊豆箱根鉄道沿線で三島市と結び付きの強い旧韮山、大仁町が沼津市と同じ6区。5区と6区の区割りについて、納得のいかない県東部の有権者は多いのではないか。
 5区の端に位置する旧伊豆長岡町は、選挙期間中にほとんど候補者が入らず、選挙戦は盛り上がりに欠けた。多くの市民から「選挙区の端っこだから、候補者に関心を持たれない」「地域の実情に合っていない」との声が聞かれた。狩野川治水や伊豆長岡温泉の観光振興といった伊豆長岡地区の課題は、人口規模の大きい地区に比べて、優先順位が低くなるのではという懸念はつきまとう。
 さらに、自民党も民主党も各区に党支部や後援組織を置き、個別に選挙運動を展開。「合併後の市に一体感が生まれない」という指摘もある。自治体にとっては、5区と6区で開票作業を別々に行うため人員や労力の面で大きな負担となる。
 来年の国勢調査の結果を基に、総務省の衆議院選挙区画定審議会が区割りを見直す。単なる数合わせの区割りではなく、民意を政治にどう反映させるのか、そのために国会議員はどのような役割を果たすべきなのか、という視点を持つことが大事だ。区割りの大前提となる議員定数も含めて、時代や実情に合った選挙制度を目指して議論する必要がある。
(大仁支局・大橋弘典)
(静新平成21年9月5日「湧水」)

2009年9月4日金曜日

民9自1の波紋:1

 衆院選しずおか
「民9自1の波紋」1「自民敗北の予兆」
 「もっと若者いないと」
 民主党が県内でも大躍進した衆院選から一夜明けた31日。民主新人に敗れた自民党の柳沢伯夫氏(74)は袋井市の事務所で、主な支援者にお礼の電話を掛けた。前夜の敗戦の弁で、目を潤ませ「残念というほかない」と頭を下げた柳沢氏。8回の当選を支えてきた強い保守地盤の3区でも、自民が歴史的敗北に至る予兆はあった。
 投票日が迫った8月27日、柳沢氏は出身地の袋井市内での集会で、支持者に心情を吐露した。
 「ミスばかりしてきた自民におきゅうをすえないと、というのが国民のみなさんの"ムード"。敗北の覚悟をしている」 あまりに率直な危機感の訴えに、満席の会場は静まり返った。
 柳沢氏は続けた。「戦う相手がいない。ムードですから」 柳沢氏は景気回復と経済成長のための政策を地道に訴えた。ただ、陣営には昔ながらの選挙運動の手法も敗因となったとの指摘がある。
 年配者が目立った集会もその一つ。袋井市内で20日に企画した若手決起大会で柳沢氏は「若者と政治を結、び付ける機会をこれまであまり持ててなかった。率直に言って申し訳ない」と弱点を認めた。掛川市内で23日に行った集会でも、掛川市議の一人は「もっと若者がいないと」と、満席を喜ぶよりも、支援者の高い年齢層に表情を曇らせた。
 掛川市役所に、期日前投票のため訪れた60歳代の男性。支持政党は自民党だが「自民は今の国民生活の本当の窮状を分かってない。4年間待てないし、今回は民主の『生活第一』に懸ける」と述べ、民主候補に1票を入れた。
 31日朝。4区の自民党の望月義夫氏(62)の選対に入り、望月氏を全面支援してきた静岡市清水区の会社社長は「民主党圧勝、政権交代」を報じる新聞を手に、ため息をついた。
 「従来型の組織選挙じゃ駄目だった。市民の目線で、大衆を巻き込んだ運動が必要だった」 望月氏苦戦は陣営も心得ていたが、総決起大会には3千人以上を集め、個人演説会も反応は良かった。動員では同区の民主候補を寄せ付けなかった。ただ、自民党静岡市清水支部の元役員は、党が誇る動員力を冷静に分析した。
 「いつも1票を入れてくれる人が"顔合わせ"する儀式になっているのかもしれない。票の広がりにつながらなければ意味がない」
 1区の県都決戦で敗れた自民上川陽子氏(56)。選挙区全域を歩くローラー作戦など陣営の実動部隊を担った女性部の幹部は30日夜、テレビの選挙報道を見ながら「自民の政策が優れていると丁寧に知らせて回った。汗をぬぐってお願いした。でも『自民に入れます』と言ってくれない。10年前の選挙なら考えられないことが起きていた」と打ち明けた。
 上川氏は31日朝、静岡市内で街頭演説に立った後、選挙戦を苦々しく振り返った。
「地方で頑張っても、中央からわき起こったうねりに、あらがうことはできなかった。上川対民主候補でなく、上川対民主党の戦いになってしまった。有権者は、比例票を2票投じていたかのようだった」

 国民の1票が国政に歴史的転換をもたらした衆院選。なぜ自民はわずか1議席にまで敗北し、飛躍を果たして9議席を得た民主にはどんな課題が待ち受けているのか。水面下で進行していた県内政局のうねりを検証し、県民生活に広がる波紋を探る。
(衆院選取材班)
(静新平成21年9月1日「民9自1の波紋」)

 衆院選しずおか:2
「民9自1の波紋」「知事選の明と暗」
「 組織の結束力に隔たり」
 1日の県議会自民党県議団の控室。地元小選挙区の選対本部に張り付き、最前線で戦ってきた県議がぽつぽつと顔を見せた。「獲得議席1」の惨敗に笑顔はない。日焼けした顔で、こんな会話が交わされた。
 「負けは民主への風だけで説明できないし、してはいけない」「そもそも、知事選の総括が足りなかった」
 自嘲(じちょう)気味に「自民は全国で"在庫一掃"を強いられたと反省すべき。ここまで負けが込めば、逆に議論もしやすい。若い民主に勝つ戦略を」と党再生の道筋を語る議員もいた。
 前参院議員を擁立した知事選の敗北から間もない7月中旬。ベテラン県議数人がひそかに、党県連の再生、活性化を考える新たな「政策研究会」の結成を話し合った。
 「麻生太郎首相が言う『まずは景気対策』もいいが、その先が見通せない」「創造的な施策を自民党が提案しなければ党再生はない」
 研究会は県連執行部の改革路線を支える立場を堅持し、全県議に参画を呼び掛ける方針を確認。ただ、「衆院選に、いらぬ波紋を広げる」との意見も出て、参画の呼び掛けは衆院選後に先送りされた。
 自民は知事選候補者選定で、県連執行部が民主との相乗り候補擁立を模索。さらに、一部の県議が民主系県議との超党派会議に加わって処分されるなど、混迷を極めた。選挙戦は衆院選の前哨戦として全国の注目を集める中、自民県連の内情は一枚岩とはほど遠い状況だった。
 ベテラン議員による研究会設立の動きは危機感の表れだったが、衆院選の前に、県議団の結束を固めることはできなかった。統一感のある選挙戦略や、選挙区を越えた自民票の掘り起こしなどに課題を抱えたまま、県連は衆院選公示を迎えた。
 一方、川勝平太知事を担いで勝利した民主。知事選を戦いつつ固めた支援組織との連携や組織体制を、衆院選につなげた。
 連合静岡の幹部は、過去の対立関係を清算して支援した1区での勝利を「(知事選で)同じ釜の飯を食った戦友として(候補者と)距離を縮めた。知事選が"接着剤"になった」と言う。
 多くの陣営が、知事選で「県政の政権交代」を強調、衆院選での「政権交代」のイメージにつながるよう、戦略を練った。
 "風頼り"が指摘される民主の選挙。だが、知事選の流れを引き継ぎ、マニフエスト(政権公約)のPRを運動の柱に据える選挙戦略は各区で徹底され奏功した。議席奪還の元職は、知事選の勝利について「保守王国も1票の力で変わることが(有権者に)分かってもらえた。衆院選に弾みがついた」と振り返った。
 県議会会派平成21の岩瀬護顧問は、知事選の衆院選への波及効果を「政治の変革を求めた有権者に余韻が残っていた。そうした有権者の思いに乗ったことが今回の(民主党圧勝の)結果につながった」と指摘した。
 ただ、同会派の若手県議はこう指摘した。
 「今回の衆院選の結果は、自民党政権の実績に対する有権者の厳しい評価。有権者はそういう基準で1票を投じたと思う。政権を取った民主がこれからどう評価されるのか。次の選挙に怖さはある」(衆院選取材班)
(静新平成21年9月2日「民9自1の波紋」)

衆院選しずおか:3
「民9自1の波紋」「民主に重い責任」
 期待…問われる実行力
 「正直、自民党が1人も出席しない付与式は想像できなかった。それだけすごい選挙だったと実感した」民主党が圧勝した衆院選から2日後の1日、県庁であった小選挙区の当選証書付与式。自民党関係者が1人もいない会場で、民主党当選者の秘書の1人が感慨深げに漏らした。
 比例代表を含め、県内候補9人全員の当選に、民主党関係者の間には高揚感が漂う。「選挙力ーで住宅地に入ると、多くの人が窓から手を振り、出てきてくれた。期待の大きさを感じた」と県連の岡本護幹事長。ほかの同党系県議も「今までにない有権者の反応があった」と口をそろえる。
 ただ、実際に政権を担う今後のこととなると、楽観論ばかりではない。選挙中、高らかに掲げたマニフェスト(政権公約)の実行という重い責任を負ったからだ。
 既に民主党優勢の情勢が報じられていた8月24日、沼津市内であった渡辺周氏(47)=6区=の決起集会。渡辺氏は約2千人を前に「マニフェストに関する多くの質問が寄せられている」と切り出した。
 目玉施策の子ども手当について、配偶者控除廃止の場合の子どもがいない家庭への対策が「不完全」と指摘。高速道路完全無料化も交通渋滞などに懸念を示し、「マニフェストを何が何でも100%断行するのは蛮行に近いかもしれない」と述べた。
 マニフェスト批判とも取れる発言だったが、渡辺氏は「こういう問題をきちんとやらなければ、党はすぐに信頼を失う。ごまかしがあれば、期待は一気に失望に変わる」と強調した。
 民主党県連幹部の1人は「党内には『4年後の選挙(での反動)が怖い』と言う者もいるが、実績を挙げられなければ、4年後どころか、来年夏の参院選の時に風がどう変わっているかも分からない」と危惧(きぐ)する。
 自民党に比べて見劣りする地方組織の強化も民主党の課題だ。投開票日翌日、比例代表で当選した新人の小林正枝氏(37)が記者会見し、「政治経験はまったくないが、有権者の声を確実に国政に届けたい」と緊張した面持ちで語った。今回選で誕生したいわゆる小沢チルドレンについて、「小泉チルドレンとは全く違う」としたが、党所属でない小林氏が党本部主導で県連の頭越しに比例名簿に登載されたことは、組織の在り方の象徴でもある。
 自民党のベテラン県議は「労組に支えられた民主党に地方組織はないに等しい。われわれは多様な団体を通じて声を集約し、くみ上げてきたが、民主党はどうするのか」と指摘する。県内の民主党党員・サボーターは7763人。前年度と同数で足踏み状態だけに、党関係者は今回選が党勢拡大の弾みになると期待する。5区の細野豪志氏(38)を支援した桜町宏毅県議(富士市)は「今までは『細野氏個人は支援するが、民主党は別』という支持者も多かった。今回選で候補者と党への支持が一致したと感じた」と話す。
 岡田克也党幹事長は公示前、本紙の取材に対し、「組織政党は21世紀型ではない」としつつも、地方議員を増やす必要性を認めた。岡本幹事長は県議会の民主系会派平成21の勢力が自民党の約半数という現状から、「党員を増やし、県議も再来年の選挙で倍増させたい」と力を込めた。(衆院選取材班)
(静新平成21年9月3日「民9自1の波紋」)

 衆院選しずおか:4
「民9自1の波紋」「揺れる業界団体」
「民主との距離暗中模索」
 全国に知られる茶どころ・静岡。戦後長い間、農協や茶業団体は補助金をはじめとする自民党政権の分厚い支援施策の下で振興を図ってきた。茶業界の中枢機関として業界と政治をつなぐ日本茶業中央会の会長職は、大半を本県の自民党国会議員が歴任してきた。
 茶葉の消費伸び悩み、価格低迷など将来が見通しにくい中での自民の小選挙区全敗の衝撃。業界に「大きな後ろ盾を失った」(県中部の茶生産者)と悲痛な声が飛び交った。
 「現実を受け止め、民主党議員の茶業への思いを聞くなど、一から関係づくりをしていく必要がある」
 良質茶産地の一つ、川根本町農業経営振興会の野口直次会長(57)は不安を隠さない。「方向性が見えないうちに、一番茶のシーズンを迎えることになるかもしれない」と本音を漏らす。
 茶業振興に力を注いできた同町の杉山嘉英町長は「今後の不透明さは残る。農業が後退することのないよう、山間地や過疎地の実情に沿った施策を展開してほしい」と新政権に要望する。
 業界団体は現場の課題や要望を取りまとめ、政治家へ政策を提言する一方、"集票マシン"の役割を担ってきた。政権交代で、この関係がどう変わるのか。
 衆院選の投開票から間もない1日午前。県西部のある金融機関で幹部会議が開かれた。話題の中心は、民主政権下での景気動向だった。
 「輸送機器関連の中小企業にも受注が戻りつつある中での激変は心配材料」「昨年10月の緊急保証の返済時期が迫っているが、売り上げは戻っていない」
 世界同時不況で、県西部の製造業は厳しい環境に置かれたまま。選挙戦では与野党それぞれが「景気回復に取り組む」と訴えたが、政策の差異は明確でない。この日の幹部会議は、額を寄せ合っての分析が2時間以上続いた。だが、結論な出ず、漠然とした不安だけが残った。
 県西部の経済団体は、選挙区の国会議員や首長が代わっても、一定の距離感を保ちつつ、発言力を確保してきた。
 県中小企業団体中央会の役員を務める60代の経営者は、民主党が掲げた最低賃金1000円(時給)実現と、製造現場への派遣原則禁止の二つの施策に「中小・零細の現場を理解しているのか」と否定的。「マニフェスト(政権公約)で掲げた法人税率引き下げなどの中小企業向け支援策をどう実施していくのか、期待しながら注視したい。(民主党の)お手並み拝見だ」と話す。
 一方、スズキの鈴木修会長兼社長が8区の民主候補の出陣式で「一遍、民主にやらせてみましょうよ」と呼び掛けたように、「変化」を求める声が大きくなっていたのも事実だ。
 浜松商工会議所の御室健一郎会頭は「自公政権時と変わらず、正面から言うべきことは言うし、注文をつけていく。300議席を獲得したとふんぞり返ることなく、真摯(しんし)に聞く耳を持ってほしい」と民主政権への期待を語る。同時に、自民党に対しても「どう立て直すのか関心がある。世の中の民意を先取りするような政党になれば、自民もよくなる。(敗北は)再生のための良い機会だ」。(衆院選取材班)
(静新平成21年9月4日「民9自1の波紋」)

 衆院選しずおか 5=完
「民9自1の波紋」「地域の声どこに」
 予算獲得知恵比べ加速
 「地域が抱える問題の解決、郷土の発展に成果を出していく。政権交代の『果実』を皆さんに味わってもらいたい」。8月31日早朝、JR沼津駅南口。台風による風雨が強まる中、衆院選小選挙区で全国2位の票を獲得し、5期目の当選を果たした民主党の渡辺周氏(47)=6区=は、街頭演説でこう明言した。
 政権交代で、地域の自治体と与党との距離はどうなっていくのか。地域の声は、どう国に伝えればいいのか。過疎地域を抱え、道路や河川などインフラ整備も遅れる伊豆東部地区の首長の悩みは深い。
 渡辺氏は「(民主党系の)地方議員を中心に、きめ細かく地域の要望をかなえていきたい」と話すが、具体的な実績については「13年間ずっと野党だったこともあって、ほとんどない」(有力支援者)。与党となっても「要望をさばく秘書が、質量とも足りないのでは」と危惧(きぐ)する声も上がる。
 選挙戦終盤に沼津市内で行われた自民候補の総決起大会。強い逆風により敗色が濃くなっていた中、伊豆の国市の望月良和市長は熱弁を振るった。「4年間、地域のために頑張ってきてくれた人に、報いてほしい」
 狩野川上・中流域の伊豆の国市や伊豆市は、これまで民主党の県議や市議は不在で、支部や連絡所もない。選挙後、望月市長は民主党政権への不安とともに、「特にこの地域は河川や道路の整備が必要。自民党政権の時のような要望活動ができなくなれば、市民にとって絶対に困る」と危機感を口にする。
 概算要求や財務省原案がまとまる時期、これまで都内の官庁街や国会周辺は、インフラ整備を求める官民の期成同盟会など陳情団が行き交った。自民党国会議員や秘書の先導で、首長らが省庁幹部らと面談し、事業の必要性を説いた。
 狩野川改修や伊豆縦貫自動車道整備などで、多くの期成同盟会を抱える国土交通省沼津国道河川事務所の宮武裕昭所長は、こうした陳情活動について「地元の意見を集約し、熱意を省庁に伝える伝達システムとして機能していた」と一定の評価をする。
 だが政権が交代。自民の多家一彦県議は「民主党がマニフェストで論じたことを考えれば、自民党政治のような陳情は受け付けないだろう」と指摘する。原田昇左右元建設相の秘書を務めていた時代、数多くの陳情を扱った山村利男県議は「この1、2カ月は要望活動をする側も受ける側も様子見で、まったく動けないのではないか」とみる。
 選挙戦さなかの8月下旬、栗原裕康沼津市長は国交省で谷口博昭事務次官と面談した。
 「公共事業で、受益者となる民間からの出資を加える仕組みなどで、勉強会はできないか」(栗原市長)
 「地域のまちづくりのため、手伝います」(谷口事務次官)
 栗原市長は従来の陳情政治に代わり、「地元が頑張っている」ことを直接アピールする新しい仕組みを模索してきた。その一つが公共事業への民間出資という。
 「民主党政権が公共事業に厳しい目を向けてくることは想像がつく。これからは自治体同士の知恵比べが加速する」。栗原市長は、今後をこう予測する。(衆院選取材班)
(静新平成21年9月5日「民9自1の波紋」)

2009年9月3日木曜日

麻生太郎の「強く明るく(メルマガ)

●麻生太郎の「強く明るく」
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[政治は続く]

 今般の衆議院議員総選挙では、皆さんの期待に応えられず、申し訳ない結果となりました。

 政府与党への、ご不満、ご批判を真摯に受けとめています。

 社会の閉塞感、格差の問題など、皆さんが感じておられる、さまざまな社会問題への不満に効果的に対応できていなかったのではないか、きちんと政策について、メッセージを出し切ってきたかなど、真剣に反省せねばならないと考えています。

 私は、景気対策を最優先に、果敢に政策を進めてきました。

 昨年9月24日に総理に就任した際、歴史的な世界同時不況、経済の悪化に直面しました。このとき、私は、国民の暮らしを守るために、解散総選挙といった「政局」よりも、景気対策・雇用対策という「政策」を優先いたしました。
 異常な状況には、異例の対応が必要です。このため、半年で4回の予算編成を行いました。役人主導では、決してできません。その結果、今年4-6月期の実質経済成長率は、年率で3.7%。先進国では一番高い成長を実現しました。経済対策の成果が出始めた、と思います。
 しかし、いまだ道半ばです。政局よりも政策を優先した判断は、国民生活のことを考えれば、決して間違ってはいなかった、と考えています。

 北朝鮮問題への対応や、テロとの闘い、そして海賊対策についても、国家と国民を守るため、正しい政策を進めてきたと自負しています。
 しかし、私の力不足から、今回の結果となりました。率直にお詫びするとともに、皆様方の声を真摯に受けとめ、今後の再出発を期したい、と思います。守るべきものは守る、そして守るべきもののために改革し、改めるべきものは改めるのが、保守政治の本質です。

 今後、さらなる精進を続け、皆さんのご期待にお応えできる政治を実現することをお誓い申し上げます。

2009年9月2日水曜日

渡辺氏自身の過去最多得票更新

衆院選「渡辺氏自身の過去最多得票更新」
全国的に有数の20万票に迫る
 有権者、政権交代に大きく舵
 中央の流れが6区にも反映
 衆院選小選挙区静岡六区は、民主党前職の渡辺周氏(47)と自民党前職の倉田雅年氏(70)の事実上の一騎打ちを渡辺氏が制して終えた。渡辺氏は五期目。四期目に挑んだ倉田氏は東海プロック比例代表選挙にも重複立候補していたが、復活当選はできなかった。四十五回目を迎えた今回選挙は、政権選択、政権交代が言われ、公示前から民主党の躍進と自民党の退潮が指摘されていたが、結果は、予想された通りとなった。この流れは、六区にもそのまま当てはまり、渡辺氏は六区全体で、自己最多得票で当選した前回選挙をさらに上回る十九万七千六百入十八票(三十一日午前一時十分確定)と、全国的にも有数の二十万票に迫ろうかという勢いを見せ、倉田氏は前回票を減らす結果となった。
 今回選における沼津市の当日有権者数は十七万千六百四十一人。前回選は十七万二千二百九十三人だったので、六百五十二人と僅かだが今回選の方が少ない。しかし、昨秋の麻生政権発足以来、注目され続けてきた総選挙だっただけに、投票率が向上。全国平均には及ばなかったものの、沼津市の投票率も六五・〇一%(小選挙区のみ。比例選挙、同時に行われた最高裁判所裁判官に対する国民審査投票率は除く)で、前回を二・一二ポイント上回った。
 このため、今回選は投票総数十一万千五百八十三票で、前回選の十万八千三百五十五票より三千二百二十八票の増。
 今回選には前回選同様に三人が立候補したが、事実上は渡辺氏と倉田氏の争いとなり、渡辺氏の沼津市における得票は七万六千八百七十三票、倉田氏は三方三百九十六票。前回選では渡辺氏六万二千百五十三票、倉田氏三万八千三百八十九票だったので、渡辺氏が一万四千七百二十票増やしたのに対して、倉田氏は七千九百九十三票減らした。
 また六区全体の渡辺氏の得票十九万七千六百八十八票は、前回選を四万三千百四十六票上回り、倉田氏の九万三千六百四十四票は、逆に二万七千四百四十五票少なかった。前回選で倉田氏は、公示の十日程前に急きょ六区からの出馬が決まり、文字通りの短期決戦。この時の選挙は、いわゆる郵政選挙。郵政民営化を目指した小泉政権が、参院での郵政民営化関連法案否決を理由に衆院を解散して行われた。
 この選挙は郵政民営化が既定路線であるかのような流れの中で、自民党は郵政民営化反対議員を公認せず、逆に対立候補、いわゆる刺客を送り込むといった強硬手段で実施。常任委員会委員長を出し、なおかつ委員の過半数を占めることができる絶対安定多数を獲得した。
 六区における選挙は、短期決戦に臨むことになった自民党を中心に支持層が結束したことも考えられるが、こうした郵政選挙が決定的な背景となったことは否定できない。事実、日頃は革新的な言動の有権者の中にも、「郵政民営化」一点で小泉支持を言う人がいた。
 この時、渡辺氏にとつて伊豆地域での選挙は二回目。その前の選挙では伊豆地域での後れを沼駿地区で取り戻し、同地区での対立候補(栗原裕康氏)との得票差が、そのまま六区全体の得票差となって当選したが、倉田氏との争いとなった前回選でも六区の十三市町のうち五市町は倉田氏が制しており、ここでも沼駿地区における二万四千票近い得票差が渡辺氏の当選に大きく働いた。
 これに対して今回選は、六区十三市町の全てを渡辺氏が制しての完全勝利。特に沼津、伊東、伊豆、伊豆の国(第二開票区のみ)各市では、ほぼダブルスコア、清水、長泉町では、ほぼトリプルというほどの圧勝だった。
 風は完全に民主党に追い風、自民党に逆風だった。「政権選択」「政権交代」が各方面で言われ、そのことによる、いわゆるアナウンス効果があったにしても、有権者が望んだ結果でもあることは確か。
 ただ、この伏線は、二〇〇一年四月の小泉政権誕生が序章となって始まり、〇五年九月の郵政選挙の結果が、決定付けた。
 市場原理主義、自由競争を掲げ、数を頼んでの法律や制度の制定・導入。人材派遣の規制緩和や生活保護世帯の母子加算の廃止。その結果の格差やワーキング・プアの問題、高い貧困率。国民の生活が厳しさを増す一方で、公務員制度改革は進まず、せっかく一度は切り込んだものも官僚の抵抗でなし崩し。
 さらに、ポスト小泉の歴代首相が一年ともたずに交代。昨秋のリーマン.ショックに始まる世界同時不況で失業者が増えても有効な手立てを示せず、解散の声には経済対策優先を理由に踏み出せない麻生政権。
 ほんの一時期を除き、五十五年近くに及び政権の座にあり、力で押し切りながら何も打開策を見出せないできた政府与党に対する不満、不信や怒り。今回選は、各小選挙区での候補者同士の争いとは違った、政権をどこに託すのかという大きな判断が有権者の意識に働いた結果だったのではないか。
 小泉純一郎氏は、「自民党をぶっ壊す」と言って総裁選に臨み長期政権を維持した。八年余を経て、その公言したことが、まさに現実のものとなった。長期にわたる政権と絶対多数によるおごり。生活習慣病が自民党という体内にジワリ浸透して、どうにもならない状況になった感がある。しかし功罪の功の面を言えば、自分達の一票で政権を変えることができるという認識を有権者に与えたことだろう。
 民主党にとっては敵失によって得た政権とも言えるし、マニフェストは任期の四年間で実現することをうたったものだとしても、国民は自分達の選択によって何かが変わったという手ごたえを求めている。
 選挙中、渡辺氏も認めていたように、「民主党が絶対というわけではないが、渡辺周個人ということではなく、民主党への期待、民主党が政権を取り、その先で自分達の暮らしを変えてほしいという訴えを感じる」という有権者の意識。
 政権を変えなければならない、と有権者が思い詰めるほどに国民の生活が厳しさを増していること。これが今回選を左右した大きな要因であり、新政権にとっては、これからが正念場。
(沼朝平成21年9月2日号)

2009年8月31日月曜日

沼津市投票率経過

与党の主な落選候補者 

与党の主な落選候補者 

 ◇自民◇

 【首相経験者】海部俊樹・元首相

 【党幹部】笹川尭総務会長、山崎拓・前副総裁

 【閣僚経験者】尾身幸次・元財務相、谷津義男・元農相、深谷隆司・元通産相、杉浦正健・元法相、中山太郎・元外相、島村宜伸・元農相、堀内光雄・元通産相、柳沢伯夫・前厚生労働相、井上喜一・元防災相、中川昭一・前財務・金融相、久間章生・元防衛相、鈴木俊一・元環境相、赤城徳彦・元農相

 丹羽雄哉・元厚相、船田元・元経済企画庁長官、伊藤達也・元金融相、伊藤公介・元国土庁長官、小坂憲次・元文部科学相、上川陽子・元少子化相、斉藤斗志二・元防衛長官、太田誠一・前農相、保岡興治・前法相

 ◇公明◇

 太田昭宏代表、北側一雄幹事長、冬柴鉄三前幹事長

(2009年8月31日02時47分 読売新聞)

静岡6区5区小選挙区当選者(静新平成21年8月31日(月))



2009年8月29日土曜日

2009年8月26日水曜日

長泉町長選告示


 長泉町長選告示 衆院選・町議選余波
「2候補、埋没懸念」 知名度向上躍起
 衆院選公示から1週間後の25日に告示された長泉町長選は、現職の遠藤日出夫候補(66)と新人で元町議の八木秀英候補(65)による一騎打ちとなった。明確な対立軸がなく両候補の主張にも大きな相違がないことから「政権選択」の衆院選と過去40年で最も激しい戦いとなる町議選の余波を受け、埋没している。両陣営はイラストやのぼり旗などを駆使し、町長選への関心をたぐり寄せようと懸命だ。
 「郵政選挙」と重なった前回は12年ぶりとなる町長選の注目度も高かった。「合併の是非」を争点に公開討論会が開催され、両候補を含む新人3人が舌戦を繰り広げた。今回は「町長選は顔ぶれに新鮮味がない。それより町議選の方が面白そう。新人も多いし、どんな候補なのか、興味がある」と50代の自営業者が話すように町民の関心は衆院選同様、定数16に19人が出馬した町議選に注がれているようだ。
 同町議選はこれまでの40年、定数を上回っても1人か2人。今回は地縁、血縁が入り乱れた激しい集票活動が展開されている。両陣営は「町長選は脇に置かれてしまった。支援をお願いすると『ところで町議選はどう?』と逆に聞かれることが多い」と口をそろえる。
 両陣営は4年前との温度差に戸惑いつつ、支持拡大に知恵を絞る。遠藤陣営は似顔絵を多用する。選挙カーに大きなマグネットを張り付け、スタッフはプリントTシャツを着用。後援会幹部は「候補者の顔を知らない町民へのイメージ戦略。子どもが反応し、つられて若い世代の夫婦も見てくれる」と効果を語る。
 一方、のぼり旗に自転車という町議時代からの遊説スタイルを貫く八木陣営。「力強さを印象付けるため」(陣営)、旗の色を前回の青から赤に変えた。旗には領民のために尽力した「世直し大明神」こと幕末の代官江川坦庵公にちなんだ「世なおし」の4文字が躍っている。
 長泉町議選と町長選の投票ができなかった衆院選公示後5日間の同町の期日前投票の投票率は0・49%と県内で最も低かったが、町選管は「投票を26日まで控えている人が多いからだと思う。今後は間違いなく急上昇する。選挙も盛り上がってほしい」と期待する。
(静新平成21年8月26日(水)朝刊)

 衆院選5区立候補者の合同演説会

 衆院選5区立候補者の合同演説会
「3氏が景気、雇用対策主張」 裾野
 衆院選静岡5区に立候補している3氏が主催する合同個人演説会が25日夜、裾野市の市民文化センターで開かれた。約800人の有権者らが詰め掛け、、立候補者の考えや政策に耳を傾けた。
 日詰一幸静大教授が司会を務め、景気・雇用対策▽医療・福祉政策▽外交・安全保障問題をテーマに、諸派新人の堀慎太郎(34)、自民前職の斉藤斗志二(64)、民主前職の細野豪志(38)の3氏が考えを述べた。
 景気・雇用対策について、斉藤氏は「経済成長が横ばいでは多くの業種の仕事量は増えない。道路建設をはじめ生活につながる公共事業を必要な部分から増やす」とした。細野氏は「子ども手当などで子育て世帯の負担を減らし可処分所得を増やす。年金や介護などの不安を解消することで内需を拡大する」と述べた。堀氏は「不況を克服するため消費をなくし、景気を拡大して中小企業を黒字化する」と訴えた。
(静新平成21年8月26日(水)朝刊)

2009年8月23日日曜日

「マニフェスト選挙の副産物」橋爪大三郎

「マニフェスト選挙の副産物」橋爪大三郎
 大同小異の政策明らかに
 30日の投票日に向け、各党のマニフェスト(政権公約)が出そろった。政権についたらこういう政治をします、という与野党の約束だ。有権者はこれを手がかりに投票する。
 パンとサーカス
 各党のマニフェストを読んで「パンとサーカス」の故事を思い出した。古代ローマの皇帝たちは人気取りのため民衆にパンと見せ物を与え、結局国を滅ぼした。今回のマニフェストもおいしい手当ては盛りだくさんだが、そのコストを誰がどう負担するのか不明確だ。
 とは言え、総選挙で、マニフェストが争点になるのはよいことだ。
 マニフェスト元年と言われたのは2003年の総選挙。回を重ねればこのやり方が定着すると期待された。ところが2005年の郵政解散は小泉旋風でマニフェストが吹き飛んでしまった。今回はやっと、各党の政策をじっくりと検討できそうだ。紙面の制約で、民主、自民の2党に絞ろう。
 まず、民主党。
 日本語が読みやすく、わかりやすい。かた苦しさの残る自民党の文章よりだいぶましだ。
 4年間の「工程表」がついているのもよい。どの政策にいくらかかり、2013年度の所要額は16・8兆円などと、数字が示してある。マニフェストはこうでなくてはいけない。
 いっぽう弱点は、財源が不明確なこと。本当に実行できるのか心配だ。「ばらまき」「無責任」と、自民党が批判している。ガソリン税の暫定税率廃止や高速道路の無料化も、場当たりの感じがする。
 あと出しジャンケン
 つぎに、自民党。
 大枠では意外なほど、民主党のマニフェストと似ている。民主党より遅れて発表し、「あと出しジャンケン」とみられてしまった。民主党より早く出ていれば、ずっと説得力があったろう。
 安心して読めるのは外交安保。日米同盟が基軸だと明確にのべ、民主党よりもぶれがない。
 かなり力が入っていたのは付録の「政策比較」(民主党マニフェストの批判)だ。違いがわかって参考になる。
 弱点は、数字や具体性に乏しいこと。ボロは出ないが迫力がない。
 個別の論点をもう少しみてみよう。
 農業では、民主党は生産調整をゆるめ、戸別所得補償制度と2本建てにする点が目新しい。財政では、自民党は将来の消費税増税を明記するのに対し、民主党は財政再建の道筋が不透明。地方分権では、自民党は道州制を導入。民主党は市町村レベルに財源と権限を大幅移譲するとする。子育て支援は、民主党は中学卒業まで月2万6千円の子ども手当を公約。自民党は幼稚園・保育園の無償化などを提案する。
 といろいろ違っても、両党の政策は大同小異。有権者も判断に困る。
 足りない財源
 マニフェストに差がないと、イメージが独り歩きする。民主党はこれまでのしがらみがない分、税金のムダをカットできそう。でもばらまきで財政赤字が増えるかも。自民党は実績があるから、いざというとき頼れるのでは。でも、イメージには根拠がない。
 マニフェストの違いを際立たせるには、自民党がリアリズムに徹すればよかったと思う。税収が歳出の半分しかない現状は異常だ。ムダを切り詰め埋蔵金を掘り出す程度では、とても財源が足りないと民主党を批判。1カ月あれば、論戦で勝てるかもしれない。仮に選挙で負けても、自民党の主張は筋が通っていたなあと、よい印象が次につながる。
 よく考えると、両党のマニフェストが似ているのは、よい点もある。たとえば年金の番号制度。その昔一国民総背番号」は、節税ねらいの富裕層や反権力の市民団体が、実現を阻んだ。今回、自民党も民主党も税と年金に共通する番号制度を導入すると公約。すぐにも実現しそうだ。そのほかどちらが政権を取ろうとも、マニフェストで共通する政策は、与野党がよく協議してどしどし実現してもらいたい。
 主要各党にあまり政策の違いがないことが明らかになったのも、マニフェスト選挙の副産物、よいことなのである。(東京工業大教授)
(静新平成21年8月22日夕刊「論考09」)

5区・6区選挙状況(静岡新聞23日号)



2009年8月20日木曜日