2014年2月21日金曜日

沼津・鉄道高架

 沼津・鉄道高架
 知事貨物駅移転へ私案
 原地区反対住民に提示
 JR沼津駅付近の鉄道高架事業をめぐり、川勝平太知事は20日、沼津市原地区への貨物駅移転に反対する地権者や住民グループのメンバー9人と県庁で会談し、同地区への貨物駅移転を前提とした私案を示した。
 川勝知事はこれまで、鉄道高架事業を実施すべきか否かの判断は示しておらず、高架化の前提となる貨物駅移転の意思が明らかになったのは初めて。会談は冒頭を除いて非公開で、郷土を愛する会の加藤益久事務局長が終了後に記者団の取材に答えた。
 加藤事務局長は知事の私案に「具体的には申し上げられないが、すべてのみ込むのは難しい」と述べた。原地区への貨物駅移転が含まれているかとの質問に「そういうことだ」と明言した。
 知事は貨物駅移転とセットにして県が取り組む関連事業を示したとみられ、加藤事務局長は「持ち帰って他の地権看らにも伝える」と説明。合後、県からの協議要請には応じる考えを示した。
 会談で住民らは貨物駅整備のための用地買収には応じない方針を強調した。地区住民らが提案した健康文化タウン構想の実現を求め、「そのための土地活用については柔軟かつ積極的協力する」と申し入れた。
《靜新平成26221()朝刊一面》

沼津鉄道高架化の貨物駅移転事業
 再延長6年見えぬ道筋
 知事私案の行方焦点
 JR沼津駅付近鉄道高架事業の鍵を握る貨物駅移転事業で、国土交通省などは事業期間を6年間再延長することを認めた。さらに川勝平太知事が20日、沼津市原地区への移転を含めた私案を提示したことも明らかになった。しかし、反対地権者らは用地買収には応じないとの姿勢を崩さず、事業進展の道筋はなお見通せない。
 高架事業をめぐっては、昨年末までの住民参加型合意形成作業(PI)が今後の方向性として4案をまとめた。知事私案は、この中で「貨物駅を原地区へ移し、貨物駅を活用して地区の整備を図る」とした現計画に最も近い案に沿った内容とみられる。知事は関係者の合意形成を目指す時期を7月としている。反対地権者らは土地買収をあらためて拒否する一方、協議には応じる意向も示している。今後は知事私案の行方が、計画全体の進展を大きく左右することになりそうだ。
 貨物駅移転事業は、県が主体となる施設整備と沼津市が手掛ける用地取得に分けられる。現計画期間はいずれも本年度末となっていたため、県と市は1月、2019年度末までの延長を申請し、18日付で認められた。期間延長は08年度からに続き2回目となる。
 県は「事業の方向性を再検討している中で現在の計画を止めるわけにはいかない。用地を取得できていない現実を踏まえた手続きの一つ」と説明する。
 高架化の前提となっている貨物駅移転事業次第では、高架本体や新車両基地の整備など関連事業も期間延長などの認可変更を迫られる可能性があり、事業全体の方向付けを急ぐ考えに変わりはないと強調する。
《靜新平成26221()朝刊32面》


2014年2月20日木曜日

沼津市内空き家133軒

沼津市内空き家133
 所有者連絡取れず3
 沼津市が昨年実施した空き家に関するアンケート結果によると、市内の戸建ての空き家は133軒で、うち約3割の所有者と連絡が取れない状況にあることが分かった。19日、市が市議会建設水道委員会に報告した。
 アンケートは昨年78月、市内の全自治会長297人を対象に行った。133軒のほとんどが住宅で、既に所有者と連絡を取り、取り壊しや改善などの指導を行っている空き家は16(120%)。所有者が特定され、改善指導の準備を進めている物件が34(256%)。所有者と連絡が取れず、改善のめどが立たない空き家は40(301%)に上った。空き家となっているものの、「建物が新しい」「所有者が頻繁に訪れている」などとして、「問題なし」と判断した物件は43(323%)あった。
空き家の心配事として、回答者の半数以上が「不審者が侵入する恐れがある」と「雑草が生い茂って火災が心配」を挙げた。「外壁、屋根がはがれ落ちそう」と懸念する声も目立った。
 市建築指導課の担当者は、「空き家が原因で起きた事件や事故は今のところない」としているが、「所有者と連絡を取る努力を続けながら、中心街、郊外など地域の特性や個人の事情に配慮した対策を検討していきたい」と話した。

《靜新平成26220()朝刊》

貨物移転工期6年延長

 貨物移転工期6年延長
沼津鉄道高架関連計画変更 国交省が認可
 沼津市は19日、JR沼津駅付近鉄道高架事業に関連する貨物駅移転事業の施工期間を2020年3月末まで6年間延長する計画変更が国土交通省に認められたと、市議会建設水道委員会などに報告した。新貨物駅の用地について新たに地権者2人から土地を取得したことも明らかにした。
 貨物駅移転事業は083月、県と市が共同で国の認可を受は、本年度末までに終了する予定だった。しかし移転先の原地区の地権者の反対があり、川勝平太知事が貨物駅移転の見直しに言及してから事業がストップしている。県と市は事業継続のため、ことし1月、国に計画変更を申請していた。
 市の担当者は、延長された施工期間について「前半の3年間で用地取得を終わらせ、後半の3年間で新貨物駅め整備を完了させたい」と述べた。
 市は本年度に入って相続の問題などを理由に土地を手放す意向を伝えてきた原地区の地権者2人から、3769平方㍍を取得したと報告。移転用地の取得率は744%になった。
 川勝知事は7月末をめどに鉄道高架事業の具体的な方向性を示す考えを表明している。市の説明に市議からは「事業の方向性が決まっていない段階で用地取得に税金を使うのはおかしい」との声も上がった。

《靜新平成26220()朝刊》

2014年2月15日土曜日

栗原市長が施政方針:沼朝平成26年2月15日(土)号

栗原市長が施政方針 市議会定例会始まる
 市議会二月定例会は十四日に開会。会期の決定、二十五年度関係議案説明などの後、栗原裕康市長が、二十六年度の市政運営に臨む姿勢や方針、取り組みを明らかにする施政方針演説を行った。概要は次の通り。
 Ⅰ 基本的な考え方
 少子高齢化時代を力強く切り抜けていくために、新年度にあたっては、これまでの規制にとらわれない柔軟な発想でまちづくりに取り組み、停滞感を打破する躍動感あるまちづくりを目指していきたい。
 その推進にあたって、第四次沼津市総合計画に掲げられた三つの方針に沿って説明したい。
 一つ目は「魅力と活力にあふれ、にぎわいに満ちたまち」。
 まちなか居住を推進し、食・住・遊の融合する都市的ライフスタイルの創造を図るとともに、福祉、教育、文化など、質の高い生活環境を提供する都市機能の確保など新しい視点でまちの再横築を進め、活気に満ちた、にぎわいあふれる沼津の顔を取り戻していきたい。
 本市においては、皇室ゆかりの沼津御用邸記念公園があり、白隠禅師ゆかりの地であることなど、世界に通ずる宝を効果的に発信し、交流人口の一層の拡大につなげていく。
 二つ目は「環境にやさしく、安全・安心を実感できるまち」。
 地方都市としての温かみやおおらかさを持ちつつ、都市的魅力を併せ持つ本市の特長を十分に活かし、防災・減災・国土強靭化等の基本的なインフラ整備に努めながら、緑豊かで快適な居住環境の整備を図っていく。
 三つ目は「元気でいきいきと暮らせるまち」。
 安心して子どもを産み育てることができるまちづくりを進めるためには、子育て支援と教育の充実が不可欠。そのためには、男女の出会いを大切にするとともに、教育初期における基礎学習の定着や、子ども達個々の才能の、さらなるレベルアップ、小中並びに中高一貫教育制度の活用による特徴ある教育により、確かな学力の向上を図り、文化・芸術・体育等の生涯学習も充実していく。
 Ⅱ 新年度の主な取り組み
 〔魅力と活力にあふれ、にぎわいに満ちたまち〕
 〈沼津の魅力発信、にぎわいの創出〉「ぬまづの宝」を活用したシティプロモーションを効果的に展開していくため「ぬまづの宝推進課」を新設し全国にPRする。にぎわいご当地ユニットを活用したPR活動、地域資源を活用した体験や交流ができる「ニューツーリズム」の推進や各種イベントの支援を行うほか観光ボランティアガイド育成など、おもてなしの向上を図る。
 沼津港でライトアップやパルの開催等、夜間のにぎわいづくりを進め、興国寺城跡、長浜城跡などの史跡、帯笑園や白隠のみちの整備等、地域の魅力向上に努める。
 七月末には、総合コンベンション施設・ふじのくに千本松フォーラム「プラサヴェルデ」がグランドオープン。開業にあたり、県と共に「フラワーデザイン国際競技会 アジアカップ2014」などのオープニングイベントを誘致する。
 沼津御用邸記念公園など独自性あふれたおもてなしの会場や演出等の開発、アフターコンベンションの充実などに努め、イベントやコンベンションの誘致を図りつつ、おもてなしの機運を市全体で高めていく。
 〈中心市街地活性化〉
 「狩野川活用研究会」を立ち上げ、オープンカフェや水辺のバーベキューなどを実施してきた社会実験事業で、新年度は本格運用開始に向け、中央公園を含めた狩野川界隈に多くの人が集い、にぎわう場として日常化するよう利用促進に向けた取り組みを進める。
市役所都市計画部に「中心市街地整備企画室」を設け、まちなか居住の推進を図るとともに、香陵公園に建て替え移転が予定されている新市民体育館について、周辺関連施設と共に一体的な整備を進めるなど、中心市街地に必要な都市機能の集積を図る。
西武沼津店の新館跡については民間事業者による新たな利用展開が図られることになっており、解体作業が進められている本館の跡地利用については、地権者ら関係者と連絡調整しながら、多くの方々が利用できる空間づくりと活用を促す。
鉄道高架事業については、県と連携し、事業の推進に取り組む。
 〈産業振興〉商工業については、新たに市内に立地する製造業、医療関連産業や中心市街地の空き店舗に出店する事業者への補助により、地域産業の活性化、雇用の創出を図る。
 地域資源を活用した製品開発に対する助成を始め、意欲ある事業者や新たに起業を目指す人達に、成長段階に応じた必要な支援を行っていく。
 依然経済情勢が不安定なことから、小口資金利子補給などにより、中小企業者の経営の安定や合理化を支援する取り組みを継続する。
 雇用の面では、雇用のミスマッチが解消されていない現状から、就労体験を通じ求職者と企業とのマッチングを図る「就労チャレンジ事業」を実施。就業の定着と雇用の維持・拡大に努める。
 農業については、地産地消を進め、後継者の確保や経営基盤の強化など農業の持続的発展のため、地域農業の担い手育成や六次産業化の推進、農地の利用集積、耕作放棄地の発生防止等に取り組んでいく。
 水産業については、水産物の安定供給と流通促進へ、沼津港等に水揚げする市内漁業者への支援を行うとともに、漁業生産の基盤となる漁港施設の維持補修や施設整備に対する補助を進める。
 産業振興や地元の食材を活用した取り組みで、キャンペーン活動の推進、新商品等の研究開発や販路拡大を支援する。
沼津自慢フェスタの開催等を通じ、物産を一堂に集めるだけではなく、食を始めとした質の高い沼津の食文化を広く市内外に情報発信する取り組みが進展しており、こうした若い方々を中心とした活動を支援していく。
 (体系的な交通網の整備〉スマートインターチェンジは、東名愛鷹パーキングエリアが平成二十七年度、新東名駿河湾沼津サービスエリアは平成二十八年度の開設をそれぞれ目指し、新年度は、事業用地の買収、埋蔵文化財発掘調査、道路の改良工事などを実施し、開設に向けた事業の進捗を図る。
 都市の骨格となる、金岡浮島線など主要幹線道路や、原駅前広場の整備は、事業の進捗を図り、交通安全の確保と交通渋滞の緩和を進める。
 〔環境にやさしく、安全・安心を実感できるまち〕
 〈津波・地震対策〉
昨年公表された静岡県第四次地震被害想定の詳細な分析を踏まえ、本年度中に策定予定の「沼津市地震・津波対策アクションプラン」に基づき、市民の命を第一に考えた、ハード、ソフトの両面からの対策を進める。
 具体的な取り組みとして、津波避難路や避難用標識類、防災倉庫の資機材等の整備を進め、新たに、津波避難用の外階段等整備の際の補助金交付制度の創設や避難所運営用資機材を拡充する。
 平時にも使用でき、津波避難のシンボル的施設として計画中の、ときわ保育所南側の築山整備の建設工事を行い、平成二十三年度から高台移転を進めてきた西浦保育所は、本年度中に西浦小学校敷地内への移転が完了し、四月に新しい園舎での保育を開始する。
 津波避難路沿いの老朽化したブロック塀は、撤去や改善費用に対する助成を行ってきたが、新年度は補助率を四分の三から一〇〇%に拡充する。
 (消防・救急体制の充実〉消防の広域化へ新たな消防指令センターの実施設計や消防・救急無線のデジタル化のため基地局の整備工事などを進め、西部地域の新たな災害活動拠点となる消防庁舎について整備推進に努め、市全体の消防力の充実・強化を図る。
 高規格救急車の更新や救急救命士を含む救急隊員の教育、応急手当ての普及啓発を進める。
 〈インフラ・公共施設の耐震化、長寿命化〉
多くの公共施設が建設から数十年が経過し、修繕や大規模改修の必要に迫られる中、人口減少社会を見据え、その適正配置や効率的な活用策を経営的な視点か考える「ファシリティマネジメント」を推進するため、基礎資料として、公共施設の現況や課題、将来にわたるライフサイクルコストなどを明らかにし、データベース化を図っていく。
 小中学校については、耐震化は全て完了しているが、施設の老朽化に対するため、原小や門池中校舎の大規模改修などを実施。橋梁や道路は、黒瀬橋の耐震補強工事を継続して進めるとともに、特に公共性の高い路線や交通量の多い路線から計画的に舗装の耐久工事を進め、通行者の安全確保に努める。
 市営住宅は、「沼津市営住宅等長寿命化計画」に基づき、建物や付属設備の老朽化が著しく、緊急を要するものから順に、計画的に修繕していく。公園は、黄瀬川公園や御浜岬の整備に着手するほか、「公園長寿命化計画」に基づき、老朽化が進行した施設について、計画的に更新していく。
 〈治水対策〉「大平地区豪雨災害対策アクションプラン」に基づき大平江川の河道改修や橋梁架け替えを行うほか、「沼川・高橋川流域豪雨災害対策アクションプラン」に基づき浸水の軽減に取り組んでいく。
 沼川新放水路の整備については、市の計画が国土交通省の「100/h安心プラン」に採択されたことを契機として、一日も早い完成に向け県に要望していく。
 〈環境にやさしいまちづくり〉地域エコリーダーの養成や環境市民大学の開催などを引き続き行い、また、太陽光発電システム設置助成を実施するとともに、アースキッズ事業など、地球温暖化防止対策の普及啓発を図っていく。
 沼津の森整備事業では、災害に強い森づくりと環境にやさしいまちづくりを推進するために、五回目の植樹祭を開催する。
 昨年九月一日から改正動物愛護管理法が施行され、飼い主の終生飼養責任が法律上明確に記された。本市ではこれまで、人間に捨てられるなどして地域に住みついている飼い主のいない猫の新たな繁殖を防ぐため、不妊去勢手術を助成してきたが、引き続き実施するとともに、西浦地区に予定 されている動物愛護施設について、できる限りの支援をするなど、人と動物が共生できる社会の実現を目指す。
 廃棄物対策については、3Rの推進を図り、ごみの発生の抑制を図る。
 ごみの中間処理施設の整備については、周辺住民との合意形成を図りながら、事業手法の検討、一施設整備基本計画の策定、生活環境影響調査な「どを実施していく。
 下水道については、人口密集地を優先的に整備するなど、効率的な整備を進め、普及率の向上に努めていく。また、下水道事業の長期的な安定経営を目指し、四月から、下水道使用料の改定を行う。協力のほど、お願い申し上げます。
 〔元気でいきいきと暮らせるまち〕
 (あたたかさに満ちた親切なまちづくり)新年度において、今沢及び内浦の地区センターについて建設工事を進め、平成二十六年度中の開館を目指す。また、戸田地区で建設が進む「くるら戸田」については、「道の駅」への登録を目指し、準備を進めていく。
 市民協働によるまちづくりについて、新たに、必要な消耗品などの提供を市が行い、市民が主体的に公共施設の環境美化活動を行う沼津市版「アダプトプログラム」を導入するとともに、地域コミュニティの様々な課題等の解決に向けた技術向上のための研修事業など、さらに一歩進んだ協働のまちづくりを目指していく。
 〈夢ある人を育てるまちづくり〉平成二十五年度から「子ども・子育て支援法」に合わせ「子ども・子育て会議」を開催し、新たに「子ども子育て支援事業計画」を策定する。また、平成二十七年度開設予定の本市初となる認定こども園「しょうえい幼稚園」の施設備を支援し、保育所等の施設の充実を図っていく。
 さらに、昨年九月に開設した、妊娠や出産に関して情報発信をするフェイスブックページ「ぬまづすごやか妊娠応援サイト」の周知、拡充を図るとともに、育児相談や子育て中の人の交流の場「子育て支援センター」「子育てサポートキャラバン」などの運営、ひとり親世帯の自立促進のための資格取得等の支援などについても引き続き実施。地域の中で安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを進めていく。
 教育の充実について新年度は特に、児童生徒の基礎的な知識の確実な定着を図るため、新たに「学力保証プログラム事業」を立ち上げる。その中で全市一斉に小学五年生と中学二年生を対象とした学力調査を実施するなど「全国学力・学習状況調査」と市独自調査の二つを活用し、教員の学習指導の改善に役立てていく。
 また、研究指定校制度を新設し、教員の授業づくりや指導技術の向上を目指した研修等を進め、研究成果を市内各校に広めていく。昨年、小学校十二校で行われた退職教員や地元の協力による放課後学習支援を小学校全校に拡大する。
 いじめや不登校児童・生徒対策については、いきいき学校生活応援スタッフ配置事業及び心の教室相談員配置事業を実施。小中学校それぞれに、子ども達が悩みや不安を気軽に話すことができる支援員や相談員を配置していく。
 いじめ等の未然防止及び組織的な対応が図られるよう、今後、各小中学校で、いじめ防止基本方針の作成や、いじめ防止の中核となる組織を設置。よりきめ細かな指導をすることで、子ども達の心身共に健全な成長を支えていく。
 静浦小中一貫学校は順調に整備が整い、四月七日、県内の公立学校では初の施設一体型小中一貫校として、開校式を開催する運びとなった。今後の小中一貫教育のモデルケースとなるよう、九年観の一貫した指導により、教育の充実を期す。
 〈生涯いきいき暮らせるまちづくり〉 健康づくりに関する施策や事業の企画、健康情報の提供、知識の普及啓発に取り組み、元気アップ教室や指導者の派遣、からだセルフケア事業などを実施。母子健康増進事業として妊婦の健康診査や教育、相談、訪問指導、歯科保健サービスの提供なども実施する。「沼津市民の歯と口の健康づくり条例」に基づき「沼津市歯科口腔保健計画」を策定し、歯と口の健康づくりの推進を強化していく。
 市立病院は、地域の中核的医療機関として安全・安心な医療サービスの提供に努めるとともに、一層の経営改善を進める。
 スポーツ環境の整備では、大岡市民運動場の全面改修工事が終了し、四月にオープンする。生涯学習の充実では、昨年八月、市内の高校生達が市政等のテーマについて自由に考えを述べ合う「高校生しゃべり場inぬまづ」を開催したが、約一万人の高校生達の若い率直な意見を引き出す場として引き続き実施する。
 〈心のかよう支え合いのまちづくり〉 高齢者施策では、「沼津市高齢者保健福祉計画」が平成二十六年度で終了することから、二十九年度までを対象期間とする「第7次沼津市高齢者保健福祉計画」を策定。小規模特別養護老人ホームや軽費老人ホーム等の高齢者福祉施設は、国や県の交付金等を活用して整備に努めていくとともに、高齢者の生きがいと健康づくりを推進していく。
 障害者支援では、障害者総合支援法や児童福祉法等に基づいて支給される自立支援のための介護・訓練等各種サービスの適切な運用を図ることで、障害のある人が、自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう支援する。
 生活保護制度等の運用については、支援が必要な人を確実に保護するため制度の適正実施に努め、働く能力を有する受給世帯や生活保護に至る前の段階にある生活困窮者の自立促進へ、個々の状況に応じて就労支援する。貧困が次世代へ連鎖することを防ぐため、生活保護受給世帯の中学生を対象に学習の場を提供するとともに、教育支援員による教育相談や学習支援を行い、高校進学を通じて就労を確保し、子どもの自立を図る。

《沼朝平成26215()号》

2014年2月2日日曜日

沼津の転出超過が全国で6位

沼津の転出超過が全国で6位
 総務省による25年の人口移動報告
 総務省は先月三十日、住民基本台帳人口移動報告の平成二十五年の結果を発表したが、転出超過数で沼津市は、全国の市町村のうち六番目に多かった。
 この報告は、市町村(東京都の特別区を含む。この場合、特別区部を一市として扱う)の住民基本台帳により人口の移動状況を明らかにすることを目的としたもので、移動者数は、市区町村の境界を越えて住所を移し、住民基本台帳法の規定に基づいて転入の届出をした人の数(日本国籍を有しない人は含まない)。
 それによると、同年における日本人の市区町村間の移動者数は五〇一万五、五七一人で十年連続の減少。このうち、都道府県間の移動者数は二三〇万一、八九五人で二年連続して減り、都道府県内の移動者数は二七一万三、六七六人で、平成十五年以来、十年ぶりの増加。
 都道府県別で転出が最も多かったのは北海道の八、一五四人。静岡県は、これに次いで多く、六、八九二人。以下、青森県六、〇五六人、長崎県五、八九二人、兵庫県五、二一四人、福島県五、二〇○人、茨城県五、一三八人、新潟県五、一三二人など。
 さらに、これを市町村別に見ると、全国一、七一九市町村のうち、転入超過は、東京都の特別区部、札幌市、大阪市など四〇九市町村(二三・八%)。転出超過は、横須賀市(神奈川県)、日立市(茨城県)、呉市(広島県)など一、三一〇市町村(七六・二%)。
 このうち転出超過の上位市町村は、多い順に横須賀市、日立市、呉市、豊田市(愛知県)、長崎市で、続いて沼津市。沼津市の転出超過数は一、二三九人。
 沼津市は前年も一、四三九人の転出超過があり全国で七番目。同年は焼津市が超過数九五四人で全国十六番だったが、二十五年に上位二十市町村に入ったのは、県内では沼津市だけ。
 同様に全国では十市が前年に続いて二十番以内に入っている。
 一方、沼津市を除いた県内市町を見ると、転出超過では、焼津市八五八人、静岡市七七五人、富士市六一〇人、牧之原市五一五人、御殿場市五〇七人、浜松市四一一人、吉田町四〇七人、裾野市三七七人、磐田市三四五人、御前崎市三一七人、島田市二九八人、小山町二九六人、伊豆市二九四人、掛川市一六〇人、森町一二八人、下田市一二五人、三島市一二〇人など。
 このほか近隣では、清水町が九一人、函南町四○人。
 これに対して、転入超過は、藤枝市の八二八人をトップに、富士宮市一七〇人、菊川市一二〇人、熱海市一一六人、湖西市一一一人、伊豆の国市六六人、長泉町六三人で、県内三十五市町のうち七市町だった。
 沼津市の三倍半から四倍近くの人口のある静岡市や浜松市で転出超過数が沼津市の六割から三割と大幅に少なく、沼津市より人口が多い富士市も、一転出超過数は沼津の半分。また、人口で沼津市の半分近くの三島市の転出超過数は沼津市の約十分の一。
 人口に対する転出率(人口は概数で計算)で、静岡市と三島市は○・一一%、浜松市は○・〇五%、富士市は、やや高くて○・二四%であるのに対して、沼津市は○・六二%。過疎傾向のある地域や旧郡部の町が近隣市町と合併して誕生した市などを別として、県内五大都市、それに準ずる市の中で、沼津市の転出率の高さが際立つ。
 これについて、考えられる理由の一つに津波への不安が挙げられるが、はたして、それだけにとどまるのか。そうではないとしたら、どんな理由があるのか。
 人口は都市の活力、税収にもかかわる大きな問題。何年間にもわたる大型事業を構想しながら、それに見合う実入りがなくなり、本来なすべき行政執行ができなくなるようなことはないか。
 自然増(出生と死亡の差)が考えられない時代にあって、社会減(転出と転入の差)に拍車がかかるようなことになると、都市の活力の上でも、財政の上でも、ますます厳しい状況を招きかねない。
 何にも先立ち、しっかりした分析と対応が必要になっているのではないだろうか。
《沼朝平成26年2月2日(日)号》