2021年4月27日火曜日

知事選2021 岩井氏あすにも出馬表明

 

知事選2021

岩井氏あすにも出馬表明

 「静岡県のため頑張る」

 任期満了に伴う知事選(63日告示、20日投開票)を巡り、自民党県連が擁立作業を進めている同党参院議員で国土交通副大臣の岩井茂樹氏(52)=静岡選挙区=が、28日にも出馬表明する見通しとなった。岩井氏は26日夕、国会内で同じ竹下派の関口昌一党参院議員会長らと会談し「静岡県のために頑張りたい」と出馬の意思を伝えた。関係者への取材で分かった。

 =関連記事4面へ

 会談は非公開。県連は4選を目指す川勝平太知事(72)に対抗するため、岩井氏に出馬を要請している。一方で竹下派内を中心に慎重論が根強く、岩井氏は改めて出馬への理解を求めたという。

 岩井氏は終了後の記者団の取材に対し「なるべく早く答えを出したい」と述べ、数日中に態度を明らかにする考えを示した。

 27日には党内で詰めの調整を行う。竹下派関係者は「(表明は)水曜日ぐらいになる」と語った。

【静新令和3427日(火)朝刊一面】

 

知事選2021

 衆参3選挙自民全敗

 県連懸念「厳しい戦いに」

 現職陣営は冷静「粛々と」

 25日投開票の衆参3選挙で自民党が不戦敗を含め全敗した。知事選(63日告示、20日投開票)の告示まで1カ月半を切る中、同党参院議員の岩井茂樹国土交通副大臣(52)=静岡選挙区=の擁立作業を進める自民党県連からは26日、選挙への影響を心配する声が聞かれた。一方で、4選へ出馬表明している川勝平太知事を支援する陣営は選挙結果を冷静に受け止めた。

 自民のベテラン県議は「12年前と状況が似ている。あのころも『反自民』の空気があった」と振り返る。2009年の知事選では、大学学長の職を辞した川勝氏が自公推薦の女性候補を破り、初当選を果たした。この県議は新型コロナウイルス感染症対応などで自民に対する逆風が吹いている今と12年前を重ね、「12年前も『反自民』で負けた。今回の知事選も厳しい戦いになる」と表情を引き締めた。

 事前の世論調査などから今回の国政選挙全敗は織り込み済みとの声もある。県連幹部の一人は「よその選挙で負けたとしてもやることは同じ。一丸になって戦うだけ」と受け止めた。中部地区の支部では、近く出馬表明するとみられる岩井氏と市議の写真を並べたポスターを早くも作成し、臨戦態勢を整えている。

 無所属と立憲民主、国民民主両党の県議が属し、川勝氏の選対本部を結成した県議会第2会派のふじのくに県民クラブでは冷静な反応が目立った。川勝氏を長年にわたり支援するベテラン県議は「自民の敗北は予想されていたこと。特段の驚きはない」と切り捨てた。自民県連が擁立を目指す岩井氏の動向を気にしながらも「選挙戦になれば、こちらは粛々とやるだけだ」と述べ、川勝氏支援の態勢つくりを進める考えを示した。

【静新令和3427日(火)朝刊4面】

2021年4月24日土曜日

ワクチン予約に苦情

 



 ワクチン予約に苦情

 終了案内、次回柔軟な対応も

 高齢者の新型コロナワクチン接種の予約受け付けが22日午前8時半に始まり、10時までに受け付けた分で予定数に達して終了したが、受け付けが終了したことを知らない人が、その後も電話をかけ続け、市新型コロナワクチン予約・相談センターのコールセンターの電話は鳴り止まず、「電話がつながらない」といった苦情の電話が市役所に殺到した。

 65歳以上の高齢者を対象にしたワクチンの優先接種は26日に始まり、56日以降に本格化するが、対象者約63000人に対し、初回は3200人分で全体の5%相当。100人中5人が当選する、くじ引きに近い。

 インターネット(https:/y-yayaku.i \22OOO2-shi2cho)と、電話(05700715675)で、先着順に予約を受け付け、開始と同時にアクセスが集中してつながりにくい状態となった。

市では、正午過ぎに市の公式フェイスブッ(http\\www.facebook.com/numazucity)

やツイッター(https://twitter.cam/Numazu_city_pr)LINEアカウントなどSNSを通じて受け付けを終了したことを知らせたが、インターネットの環境がない人には情報が届かなかった。

 夕方になり、終了を伝える同報無線を流したが、「朝から電話をかけ続けて一日潰れた。インターネットが使えないので、予約が終了したのなら同報無線で、もっと早くに知らせてほしかった」と要望する電話が沼津朝日新聞社にも寄せられた。

 同報無線は、運用上のルールとして緊急の場合を除いて学校が開かれている時間帯に使わないことが原則となっており、今回の放送も学校終了後。予約が取れなかった上に、予約終了後も電話をかけ続けることになった徒労感から、市役所に苦情の電話を入れた人も多かった様子。

 同報無線を管理する市危機管理課では「これまでは原則として学校が開かれている時間帯に使わないことが運用ルールとなっていたが、インターネットを使わない人に向けた情報伝達の有効な手段として柔軟に対応したい。今後は、申し出があれば学校が開かれている時間帯でも、必要に応じて利用できるようにしていく」という。

 市新型コロナウイルスワクチン接種室では、21日から引き続いて医療関係者を対象にした集団接種をキラメッセぬまづで行い、22日は高齢者の接種予約に対応。26日に始まる高齢者の集団接種に向けて準備を進めているが、「情報伝達で至らない点もあり、申し訳ない」と理解を求めている。

 次回のワクチン接種予約の受付開始日は未定で、6月以降のワクチン供給量が判明次第、改めて開始日を公表。情報伝達の方法を検討するとともに、今後は接種を希望する全員分のワクチンが順次供給されることが見込まれることを指摘しながら「安心して待っていてほしい」としている。

 ワクチン接種に関する問い合わせは、市新型コロナワクチン予約・相談センター(電話05700715675)。日曜日以外の午前8時半から午後6(土曜日は5)まで受け付けている。

【沼朝令和3424日(土)号】

2021年4月22日木曜日

国鉄沼津機関区の百年 山梨孝夫 (著), 山梨幸夫 (編集)の紹介

 


国鉄沼津機関区の百年 (日本語) 大型本 2021/4/30

山梨孝夫 (), 山梨幸夫 (編集)

静岡新聞社発刊


大型本

5,500

国鉄民営化直前までの100年間、車両基地として重要な役割を担った沼津機関区の歴史を、OBである著者が膨大な資料を基に詳述した。東海道線の開通から丹那トンネル、機関車の変遷、超特急つばめ号にまつわる秘話や逸話が満載。貴重な写真も豊富に収録している。鉄道ファンならずとも興味がそそられる。


この本の出版予定日は2021430日です。

2021年4月16日金曜日

210416沼津四大城御城印プロジェクトテロプ沼朝版as

まちおこし御城印を活用 大手町町内会と観光協会がプロジェクト

 



まちおこし御城印を活用

 大手町町内会と観光協会がプロジェクト

 大手町町内会とNPO法人沼津観光協会は、昨今の歴史や史跡めぐりの全国的なブームを背景に、大手町の沼津城と三枚橋城、根古屋の興国寺城、内浦重須の長浜城を、まちおこしに役立てようと、「沼津四大城御城印プロジェクト」をスタート。西高芸術科書道専攻の生徒3人の協力で御城印を制作し、沼津駅ビル2階の観光案内所や、城の所在地にある店舗等で販売を開始。6日には関係者が市役所を訪れ、頼重秀一市長に報告した。

 沼津にあった4城を内外に

制作に西高生徒3人が協力

 かつて一部の愛好家にしか知られていなかった、寺社への参拝の証として授与される「御朱印」がメディアなどで取り上げられ、以来、一大ブームを巻き起こした。

 御朱印のコレクターが次に目をつけたのが御城印で、来城記念スタンプ的なものだが、史跡めぐりに合わせて御城印集めを行う観光客が増え、御朱印に次ぐ人気を呼ぶ。新たな御城印が続々と作られて数を増やし、最近では家紋や辞世の句、名言などを載せた「武将印」も登場している。

 今回、「市民の間でも、あまり歴史が周知されていない沼津の城に興味を持ってもらうきっかけになれば」と、同町内会と観光協会が共同でプロジェクトを立ち上げ、御城印制作に向けて4つの城を取り上げた。

 続日本100名城にも認定される興国寺城は、1487年に伊勢新九郎(北条早雲)が今川氏親から与えられた。「早雲旗揚げの城」として知られ、韮山に攻め込む足掛かりとした。

 武田氏と後北条氏が互いの国境で牽制し合う中、それぞれ1579年に築城したのが三枚橋城と長浜城。三枚橋城は武田氏の東駿河における拠点の一つで、狩野川を背に本丸を置いて築城。長浜城は、伊豆国の中で最重要拠点だった韮山城を守るため、海からの一武田氏の侵攻を防こうと整備し、北条水軍の主力を結集。1580年には武田水軍との奥駿河湾海戦が勃発した。

 沼津城は、幕藩体制が確立した江戸時代中期に名門・水野家の移封により、江戸初期に廃城となっていた三枚橋城の縄張りを基に築城。明治元年からは沼津兵学校の校舎として使われた。

 御城印揮毫の依頼を受けた西高芸術科書道専攻の生徒からは、商業書道について学ぶ、いずれも3年の籾山栞さん、伊藤帆南さん、高橋世理加さんが引き受けた。

 籾山さんは興国寺城を隷書体で、沼津城と三枚橋城の2枚は伊藤さんが書き振りを変えながら行書で、長浜城を高橋さんが行書で揮毫。3人をモデルに、富士市在住のイラストレーター、コイズミチアキさんがイラストを描き、御城印をアピールするポスターと、のぼり旗も作られた。

 揮毫を手掛けた3人は「自分にそっくりのイラストも描いてもらって、うれしい」「普通なら味わえないような体験ができ、一生の自慢になる」「これをきっかけに歴史にも興味を持った」と話し、同校で書道を指導する池谷天外教諭は「日頃の練習の成果が出ている」と評価。

 市長への報告で、大手町町内会の名取正純会長が「大手町町内会の繁栄、発展は沼津の発展にもつながる。三枚橋城と沼津城を役立てることができないか考える中で、観光協会と共同で企画し、実現した」と経緯を話した。

 観光協会の小森裕之副会長は「沼津を歴史のまち、文化のまちとしてアピールできないか考えた。4つの城を観光資源として活用し、城巡りしてもらうことで交流人口の拡大につなげたい」とした。

 頼重市長は「市民の中には沼津に城があったことを知らない人も多い。改めてクローズアップすることで、観光客に城跡を訪ねてもらい、当時の雰囲気に浸ってもらいたい」と話した。

 なお、御城印は横105㌢×縦15㌢。一枚300円。当初1000部を制作したが、売れ行きに応じて増刷も検討するという。沼津駅ビル2階の観光案内所で全4種類を扱うが、「興国寺城」は根古屋の野崎園、お茶の興国園、SKimura、「沼津城」「三枚橋城」は大手町会館、「長浜城」は内浦重須のOH!MOSに置かれる。

 問い合わせは沼津観光協会(電話9641300)

【沼朝令和3416日(金)号】


2021年4月14日水曜日

210411松山英樹マスターズ制覇静新記事動画加工as






松山、マスターズ制覇から凱旋

「すごいことしたのだな」

 男子ゴルフのメジャー大会、第85回マスターズ・トーナメント(811日、米ジョージア州オーガスタ)で優勝し、帰国した松山英樹(29)14日、オンラインによる記者会見に臨んだ。凱旋(がいせん)した松山は「いろんなニュースを見るたびに、すごいことをしたのだな、と実感する」と喜びを語った。

 日本男子のメジャー大会制覇は初の快挙で、アジア勢としてのマスターズ優勝も初めて。栄光の証しとなるグリーンジャケットを着て「日本人で初めてだし、すごくうれしい」と感慨深げだった。

 東北福祉大在学中の2011年にマスターズに初出場し、ローアマチュアを獲得。「それからはなかなかいい思い出が少ない感じだったが、今回の優勝で、すべてがいい思い出に変わっている」と顔をほころばせた。

【静新令和3415日(木)朝刊】


知事選 2021 自民県連 岩井氏擁立へ 【静岡新聞令和3年(2021年)4月14日(水)朝刊】

 

知事選 2021

自民県連 岩井氏擁立へ



川勝氏は正式表明 知事選構図固まる

 任期満了に伴う知事選(63日告示、20日投開票)で、自民党県連は参院静岡選挙区選出で党所属の国土交通副大臣岩井茂樹氏(52)の擁立に向け最終調整に入った。13日、関係者への取材で分かった。川勝平太知事(72)は同日の定例記者会見で、4選を目指して無所属で立候補すると正式表明。難航していた自民の独自候補擁立の動きが明らかになり、選挙戦に向けた動きが一気に加速した。=関連記事431面へ

 岩井氏は党県運に対し、出馬に前向きな意向を示しているという。岩井氏は同日夜、静岡新聞社の取材に対し「現段階でコメントすることはない」と述べた。岩井氏の出馬により、4選を期す現職に県内選出の自民国会議員が挑む選挙戦の構図が固まる。

 川勝氏の県政運営を巡って批判的な立場をとってきた自民県連は対抗馬の擁立を目指し、水面下で県内出身の官僚らと接触を重ねてきた。岩井氏の擁立に関しては既に、党本部の幹部や官邸にも伝えられているとみられる。

 岩井氏は名古屋大大学院修了。参院議員秘書などを経て2010年の参院選に静岡選挙区から出馬して初当選した。現在2期目。これまでに経済産業政務官や党水産部会長を歴任している。

 川勝知事は会見で、直面する課題としてリニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題や新型コロナウイルス対策を挙げ「長期的に対応していく必要がある」と述べた。この時期の出馬表明については「リニアに関する応援の声が寄せられ、3月、4月と出馬の要請も来るようになった。継続して取り組むことを示したかった」と理由を語った。

 リニアとコロナはともに命に関わる問題として「党利党略にしてはいけない。県民一丸となって取り組む課題」と強調。「政策論争をするべき時期ではない」とも述べ、選挙期間中も公務に専念する考えを示した。

 7日付で連合静岡に推薦願いを出したことも明らかにした。

 川勝氏は早稲田大教授、静岡文化芸術大学長などを経て2009年の知事選で自民推薦候補を破り、初当選。13年は自民支持候補を制し、再選。17年の前回選では無所属新人候補を退け、3選を果たした。

【静岡新聞令和3(2021)414日(水)朝刊一面】

 

出馬の舞台裏 知事戦2021 ㊤

4期目を集大成に」

川勝氏表明で強い意欲

統一選にらみ自民けん制

 「長期的な対応が必要な事案がある。継続して、この川勝がやる」。13日の定例記者会見で知事選に4選出馬を表明した川勝平太氏は、出馬の理由をとうとうと述べた。

 県内政財界、県庁内いずれも川勝氏の出馬表明に特段の驚きはない。「リニア、コロナが最優先」「任を離れるのは難しい」。川勝氏はこれまでの記者会見で、県政のかじ取りに度々意欲をにじませた。「想定内だ」と川勝氏の周辺は明かす。

 「2年後、静岡県の政治を転換する。いいかげんな政治家は静岡にいなくなる」。3月下旬、川勝氏は周辺関係者に漏らした。ターゲットは2023年春の次期統一地方選で、静岡など政令市長選や県議選が控える。「知事選をその土台にする」。関係者は川勝氏の言葉に、「4期目を集大成」とし、県議会の自民勢力や静岡市とのあつれきに終止符を打つ強い意欲をくみ取った。

 一方、公では態度表明がないまま時間が経過した。川勝氏に近い県議会会派ふじのくに県民クラブの幹部は34月、何度も知事室に入った。「早く表明を」。全県で選挙を行うには一定の準備と支援体制が必要なためだ。それでも同氏は煮え切らなかった。

 川勝氏に変化が表れたのは47日朝。鈴木康友浜松市長に政財界有志が知事選の出馬要請するとの一部報道が流れた。川勝氏は記者団に「関心が高まっているので、早々に表明しなければ」と語った。同日昼には県庁の知事室恩同会派幹部に「出ますのでよろしく」と官言。野党の国会議員らに矢継ぎ早に電話で意向を伝え、同会派議員を通して連連合静岡に推薦願を届けた。

 4選出馬が既定路線と目される中、川勝氏は対抗馬を気にしながら表明の時機を探っていたとの見方がある。「(川勝氏は)何かきつかけがほしかったのだろう。投げ出したり、負けたりするのを嫌う性分。侍機を見極めたのでは」。同氏を長年支援するベテラン県議はそう指摘する。

任期満了に伴う知事選は告示まで2ヶ月を切り、一気に動きが表面化した。現職知事に、自民党所属の現職国土交通副大臣が職を辞して挑む構図が固まりつつある。それぞれが出馬に至るまでの経緯と思惑を追った。

【静岡新聞令和3(2021)414日(水)朝刊31面】