2009年12月25日金曜日

正体現す小沢一郎

 正体現した小沢幹事長 今井久夫
 政策や人事、押し通す
 今年の永田町を総括してみると、何といっても民主党の小沢幹事長の突出が目立つ。まるで政局は小沢氏を軸に回転しているように見えた。
 以前の小沢氏はこんなタイプではなかった。何につけても表面に出ることを避け、黒子に徹するように心掛けていたものだ。それが政権交代以来ガラリと変わった。一部で予想されていたような副総理格としての入閣はさすがに受けなかったが、幹事長はむしろ乗り気だった。簡単にOKを出したのもそのせいだ。
 幹事長は副総理にくらべると地味なポストだ。また小沢氏は幹事長を何度も経験している。それだけに受け易く、かつ自信もあったに違いない。ここまではまだ以前の小沢氏らしさが残っていた。
 それ以後は小沢氏は百八十度変身した。政府は鳩山首相、党は小沢幹事長、互いに縄張りを尊重し、口を出さない。この役割分担の申し合わせもなんのその、小沢氏はたちまち政府の政策であれ、人事であれ、ことごとに干渉しはじめた。干渉するだけではない。押し通すのだ。政府の方針をひっくり返し、鳩山首相の顔を潰(つぶ)すことさえ平気だ。
 かくて、鳩山政権の主人公は鳩山首相ではなく、小沢幹事長だという見方が定着し、それが永田町の常識となった。その決定的出来事が小沢氏の皇室批判だ。少なくとも歴代自民党内閣ではそんなためしは一度もなかった。どの首相も天皇陛下を尊敬し、陛下の政治利用はタブー中のタブーだった。
 鳩山内閣はスタート100日目にそのタブーを破った。犯人は小沢氏だ。しかし鳩山首相は何もいえない。天皇陛下と中国の習近平副主席とのあの特例会見に際して、小沢氏の発言とその振る舞いほど国民をおどろかせたものはない。記者会見では悪鬼の如(ごと)き形相で、羽毛田宮内庁長官を罵(ののし)り、宮内庁の「一カ月ルール」をコキおろした。
 宮内庁長官は陛下の忠実な側近だ。宮内庁は宮中の一切の事務を処理する官庁以外のなにものでもない。それに噛(か)みついている。長官や宮内庁を非難するのは皇室そのものにクレームをつけるのと同じだ。小沢氏の思い上がりもいい加減にせよだ。何さまになったつもりだ、そういいたい。
 鳩山内閣のキーワードは政治主導だ。鳩山内閣は政治家が一番エラいと思っている。官僚を扱うこと虫ケラの如しというような光景さえ見かける。いままで威張りくさっていた官僚を思うにつけ、それは一種の痛快な対応でもあった。
 皇室批判が命取りにも
 しかし調子に乗り、行き過ぎるとイヤ味になる。政治主導は解釈とやり方によっては独裁主義と紙一重の差になりかねない。最近の民主党政権にはその兆しが見られる。そうなるとイヤ味では済まない。おそろしさを覚える。
 さて、小沢氏は皇室批判の反響にいささかあわてているようだ。それが態度に出ている。記者会見ではほほ笑みを忘れず、「ございます」言)葉を乱発し、愛嬌(あいきようを振りまわしている。しかしそんな小手細工では国民は承知しない。
 このところ鳩山内閣の支持率が急落している。ジリ貧どころかドカ貧の傾向さえないとはいえない、要警戒だ。鳩山首相の不決断や先送りが自分の足を引っ張っているのは確かだが、小沢氏の大ポカも見逃すわけにはいかない。小沢氏は遂に正体を現した。小沢氏の野心や思惑がどこにあるか分からない。しかし表に出ることを厭(いと)わなくなっただけでも大違いだ。皇室批判は命取りになるおそれさえ秘めている。
 後世の史家は平清盛や叡山の悪僧とともに小沢一郎の名を歴史に刻むかも知れない。いろいろな事件を引きずったまま今年も暮れようとしている。(政治評論家)
(静新平成21年12月25日「論壇」)

共産党渡辺氏擁立

 来夏参院選に渡辺氏を擁立
 共産党県委員会
 共産党県委員会は24日、来夏の参院選静岡選挙区(改選2)に党県常任委員の渡辺浩美氏(49)=三島市青木=を公認候補として擁立すると発表した。渡辺氏は県庁で記者会見し、「国政革新の重要性を地域の活動で実感した。国民の願う方向で政治を変えたい」と述べた。
 渡辺氏は三島市出身。静岡大教育学部卒業後、三島共立病院事務員などを経て党専従職員。2004年から党伊豆地区委員長を務めている。1996年の衆院選静岡7区に出馬し、落選した。同県委員会は「若手で行動力も論戦力もある」と擁立理由を説明した。
 来夏の参院選では、民主党県連が静岡選挙区の党公認候補に藤本祐司氏(52)を決定、比例代表には土田博和氏(60)の擁立を承認した。自民党県連は岩井茂樹氏(41)を軸に調整し、28日の県連大会で決定する見通し。
(静新平成21年12月25日(金)朝刊)

2009年12月10日木曜日

県連大会

 分裂後初の大会28日開催を了承
 自民県連県議団会議
 自民党県連は9日、党所属県議団会議を県庁で開いた。臨時県連大会を28日に開催し、内定した三役の承認や来夏の参院選党公認候補予定者を決める方針を了承した。
 党本部から参院選の候補者を年内に上申するように求められていることを説明。候補者推薦の依頼を市町支部長や県議などに通知し、臨時県連大会で機関決定するとした。複数の候補者が推薦された場合は、選対小委などを前倒しで開くという。
 県議会の自民系会派分裂後初めての合同会議となり、幹事長に内定している遠藤栄県議は「同じ党に所属する議員を一つにまとめていくことが仕事」と述べた。
(静新平成21年12月10日朝刊)

2009年12月1日火曜日

12月1日静岡政治ニュース

 自民衆院3区支部空席の支部長公募
 きょうから募集
 自民党衆院静岡第3選挙区支部は30日、柳沢伯夫氏の後継となる支部長の選考を公募で行うと発表した。受付期間は1~31日で、来年1月中旬に選考委員会を開いて決定する。
 今夏の衆院選で県内全小選挙区で公認候補が敗れた結果などを受け、公募の実施を決めた。
 選考委員会は塩谷立党県連会長と県議、市議ら10人前後で構成。書類と面接審査を行い▽清新・清潔▽広い見識▽信念と情熱ーなどの観点で審査する。
 対象者は25歳以上で県外在住者も応募できる。自薦、他薦は問わない。
 「政治に対する信条」をテーマにした論文(2千字以内)や履歴書など必要書類を自民県連に提出する。問い合わせは自民県連〈電054(255)0491〉へ。
(静新平成21年12月1日(火)朝刊)

 県議補選裾野市選挙区
候補者募集を正式発表 民主党県連など
 民主党県連と同県連の第5区総支部、県議会の平成21は30日、県庁で会見し、裾野市選出の原文雄県議(平成21)の市長選出馬に伴う県議補選に向け、後継候補者を公募すると正式に発表した。
 県連によると、原氏は12月7~10日に県議を辞職する見込み。市長選と県議補選は来年1月24日に同日選となる可能性が高く、早急に候補者を決定したい考え。
 党公認候補として立候補可能な政策立案能力を有する県内在住(3カ月以上)の人を募る。10日までに経歴書と論文を同総支部に提出する。総支部が経歴書と論文による1次選考、合格者による面接などの2次選考を行い、決定する。
 平成21の三ツ谷金秋会長は「平成21としても総力で支援したい。今回の公募がうまくいけば、次期統一地方選の手本になる」とした。
 問い合わせは同総支部〈電055(991)1269〉へ。
(静新平成21年12月1日(火)朝刊)