2010年1月17日日曜日

裾野市長選

裾野市長選きょう告示
市政の課題 福祉維持行革を 市内外への情報発信力必要
 17日告示、24日投開票の裾野市長選は、現職と前県議の一騎打ちで、16年ぶりの激戦が予想される。県内有数の豊かな財政力を背景に、医療費助成などを充実させてきた同市の財政は、世界不況を受け、かつてない逆風にさらされている。裾野市の現状と課題を探った。
 「このままでは裾野は第2の夕張になりかねない。ここ数年がヤマ場だ」ー。ある市幹部は危機感を募らせる。
 一昨年秋からの世界不況による自動車関連産業の低迷で、2008年度、約40億円だった同市の法人税収は、09年度にはわずか2億円余りにまで落ち込んだ。法人税収は今後数年間、09年度と同じ水準にとどまる見通しで、来年度以降、不足財源分は財政調整基金約86億円(09度度当初)を取り崩す予定。10年度は35億円余りを充てる見込みで、早ければ13年度末にも市の"貯金"は底をつく。市の財政予測によると、09年度約212億だった一般会計歳入総額は、13年度には約50億円も少ない約164億円となり、00年度並みにまで縮小するとしている。
 市には今後、財政規模に見合った施策が求められる。市民の理解を得ながら、大幅な事業の見直しと大規模な歳出削減は必要不可欠で、急務だ。
 これまで、生涯学習センターなど各種施設・設備の拡充を積極的に推進し、新型インフルエンザワクチン接種費用助成への素早い着手や中学生までの医療費完全無料化など県内有数の充実した市民サービスを提供してきた。拡充したサービスや施設の継続運営は今後も大きな負担になる。「市民サービスは好評だが、生活に支障のない範囲での段階的な縮小は避けられない」と市幹部も頭を抱える。さらに、市街地のにぎわい創出のため打ち出した同市最大の総事業費190億円の公共事業「裾野駅西土地区画整理事業」の行方も気に掛かる。
 その一方で、将来に向けて、自動車関連産業への財政依存の体質から脱却し、企業の景気動向だけに左右されにくいバランスの取れた財政基盤への見直しも並行して推進する必要がある。
 新市長には厳しい財政下、最低限の福祉レベル維持をしつつ、思い切った行財政改革を断行する手腕と決断力、市の情報やビジョンを市民と市内外に明確に伝える発信力が求められている。
(静新平成22年1月17日朝刊)

 平沼氏「新党つくる」

 平沼氏「新党つくる」
 平沼赴夫元経済産業相は16日夜、岡山県津山市で開かれた後援会新年会であいさつし、今夏の参院選に向けた対応について「自民党としっかり連携していくとともに、新しい流れ、新しい政党をつくる」と述べ、参院選前に新党を結成する考えを明言もた。
 平沼氏は民主党政権について「自民党以上に金権体質を持っている。鳩山由紀夫首相は母親から12億円もらっておきながら知らなかったと平気でうそをつく。小沢一郎幹事長も秘書が逮捕されても幹事長を続けている」と強く批判。さらに「民主党は衆院で多数を取って、やりたい放題やっている。その上、参院で単独過半数を取ったら日本に全体主義が生まれる恐れがある。そうなったら日本はおしまいだ」と述べた。
(静新平成22年1月17日朝刊)

2010年1月3日日曜日

参院選「夏の陣」



参院選「夏の陣」
 民主 2人目擁立探る
 自民 議席奪還に全力
 県内では今年、夏の参院選のほか裾野、熱海、三島の3市、東伊豆、函南、河津の3町で首長選が行われる。参院選静岡選挙区(改選数2)は、自民党現職の知事選出馬に伴う昨年10月の補選で民主党が議席を獲得し、改選を迎える2人はいずれも民主。政権与党の民主が引き続き2議席を独占するか、自民が議席を奪還できるかが焦点となる。
 参院選静岡選挙区へ立候補を表明しているのは、民主党の現職藤本祐司氏(52)=1期=、昨年10月の参院補選に自民党から出馬し落選した富士常葉大非常勤講師の岩井茂樹氏(41)、共産党県委員会常任委員の渡辺浩美氏(49)の3氏。同補選で議席を得た民主党の土田博和氏(60)=1期=は比例代表に回る。民主党は小沢一郎党幹事長が2人区以上に複数候補を擁立する方針を示したため、静岡選挙区は藤本氏以外の候補擁立が至上命令。だが、民主県連内には複数候補の擁立に慎重意見が根強い。
 焦点となる2人目の人選について、岡本護県連幹事長は「現段階では白紙」と話す。民主系県議からは「政権与党の追い風があっても2議席独占は至難の技。無理な擁立は、次の衆院選に響く」との声が聞こえる。ただ、「みすみす1議席を自民に渡すのか。県連が決めなければ、党本部が落下傘候補を擁立する」との見方もある。
 藤本氏は連合静岡の全面支援に加え、選対本部長として川勝平太知事を当選に導いた実績や、国土交通大臣政務官としての活動がプラス材料になっている。
 自民党は議席奪還に死力を尽くす。昨年12月の臨時県連大会で岩井氏の擁立を決めた。党本部も公認候補に決定し、塩谷立県連会長は「政権奪還のためには、参院選は絶対に勝利する」とカを込める。遠藤栄幹事長は「2議席獲得した時代もあるが、現在は難しい。まずは総力を挙げ1議席の確保だ」と述べ、候補は岩井氏に一本化する。
 昨年は知事選、衆院選、参院補選と3連敗し、県議会会派の分裂にまで至った。「瓦解状態の県連組織、支部組織の立て直しが急務」(県議)。空席の選挙区支部長の選考を5月までに終える方針で、政権交代で支援態勢を見直すケースが目立つ組織、団体への対策などを練り直す。
 共産党は若返りを図る党の方針から、渡辺氏の擁立を決めた。1996年の衆院選静岡3区に出馬し落選後、党伊豆地区委員長を務めている。
 04年の参院選では民主、自民が各2人、共産党が1人の候補を立てた。
(静新平成22年1月1日元旦号)