2018年3月31日土曜日

「内膳堀」環境用水に


「内膳堀」環境用水に
沼津市 狩野川から再取水
 沼津市は30日、江戸時代初期に開削され農業発展の基礎となった同市香貫地区の水路「香貫用水」(通称・内膳堀)に、環境用水として狩野川から取水することが国土交通省から許可されたと発表した。市は水路整備に尽力した地元の偉人として知られる植田内膳(生年不明、1636年没)の歴史とともにPRし、水路を環境学習などに生かす方針。(東部総局・中村綾子)
 4月上旬から通水し、通年の取水が可能になる。役割を終えた用水路の環境改善は全国で例があるが、国土交通省が許可する1級河川からの取水は珍しいという。
 水路は江戸時代に狩野川の水位を高めて堀に水を引き入れる難工事を経て築かれ、その後、上香貫地区の「上堀」、下香貫地区の「下堀」が独立して現在の形へと発展した。
 時代の変遷とともに上堀部分の延長約35㌔は農業用水として使われなくなり、2012年度に市が狩野川からの取水を中止。下水道整備が遅れ、雨水や生活排水が流れるのみで悪臭などの問題が発生していたこともあり、市は水質の維持や親水空間の形成を目的とする「環境用水」としての取水に向け、沼津河川国道事務所などと協議を続けていた。
 市環境政策課の担当者は「先人の知恵や努力が詰まった内膳堀を歴史的な遺産として保全し、快適な水辺空間として活用していきたい」と話している。
【静新平成30331()朝刊】

2018年3月29日木曜日

沼津港深海水族館運営会社が発表 館長の石垣氏を解任

館長の石垣氏を解任
沼津港深海水族館運営会社が発表
沼津港深海水族館(沼津市千本港町)を運営する佐政水産(同)は29日、同館の石垣幸二館長を16日付で解任したと発表した。
同社は、石垣氏が代表取締役を務めるブルーコーナー(同市江浦)に、展示する生物の飼育、メディア対応、館長職などを業務委託していたが、これらの契約を同日付で解消した。佐政水産によると、解消理由は石垣氏の複数の背任行為やコンプライアンス違反行為で、展示の目玉であるシーラカンスの売買取引に関して互いの信頼を損ねる行為が発覚したという。ブルーコーナーは本社の取材に「弁護士を通じて対応中」としている。
同館の館長職は佐藤慎一郎佐政水産専務が兼務する。佐政水産によると、ブルーコーナーの社員だった飼育員ら6人は、佐政水産が雇用し、引き続き運営を任せているという。
沼津港深海水族館は2011年12月に開館した。沼津港観光の中核施設で、2017年は約41万人が訪れた。
【静新平成30年3月29日(木)夕刊】