杉山票前回を上回る
県議選投票総数減の中で再びトップ
明暗分けた市議転身組 どう見る民主の得票数
次の四年間を任せる県議会議員が決まった。定数四の沼津市選挙区の当選者は、現職の三人に新人一人。予想した顔ぶれとなったが、候補者それぞれの得票数からは自民党の堅調さ、民主党の苦戦が見え隠れ。また、市議からの転身を図った二人で明暗が分かれた。(文中敬称略)
七人が立候補した沼津市選挙区の各候補者の得票数は、得票順に杉山盛雄(自民党現)一八、二三八票、蓮池章平(公明党現)一五、二〇〇票、多家一彦(自民党現)一四、〇九九票、曳田卓(民主党新)一一、七一九票、加藤益久(無所属新)六、六一一票、井口哲男(みんなの党新)五、九七八票、板垣和子(共産党新)三、八一三票。
上位三人は前回選と同じ順位。杉山、蓮池は四選を果たし、多家は六選と、押しも押されぬ県議会重鎮の位置を占めるに至った。これに市議から転身の曳田が加わることになったが、曳田は同じ民主党の植松明義の後を受けたもので、当選者四人の党派別構成に変動はなかった。
当選者四人の前回の得票(曳田は植松の得票)を見ると、杉山一八、一三一票、蓮池一七、四七八票、多家一五、三九一票、植松(以後、曳田票として見る)一四、七四五票。杉山は前回より僅かだが票を増やし、蓮池、多家、曳田票は減った。
有権者の絶対数が減り、投票率が下がった中で、杉山が票を増やしたことの意味は小さくない。
有権者は前回選の一六九、八七五人から今回は一六八、九四三人へ九三二人減少。さらに投票率も49・04%から45・33%へ下がり、県議選における過去最低を更新。投票総数は八三、三〇六人から七六、五八六人へ六、七二〇人減少した。
さらに、前回選の立候補者が六人、今回は七人だったことを考えると、単純に見て一人当たりの得票数が減ることが当然の中で、杉山は前回を一〇七票上回った。
これに対して蓮池は二、二七八票、多家は一、二九二票、それぞれ減らし、曳田票は三、〇二六票下回った。ただ、蓮池、多家の減少は、前述の背景から考えて実質的には現状維持と見ることもでき、杉山の得票増と合わせてみると自民党の堅調ぶりをうかがわせた。
曳田票の減少はどうか。曳田の立候補については、民主党が植松と二人を立てるのではないかとの見方もあって注目されていたが、出馬を表明したのは二月半ば。七人の中では最も遅く、四月一日の告示まで一カ月半という中でのスタートとなった。
この短期日での勝負に加え、市議三期を務めて一定の知名度があるとは言うものの、植松と交代して県議選初挑戦という不利な状況にあったことは否めず、その意味では善戦だったと言えるか。
ただ、当選に向けて、連合など支援組織の結束と総力挙げた活動が求められたはずの中で、連合系の市議とは太陽光発電パネルや市議定数の問題で市議会内での立場を異にするという事情もあり、連合系の市議選立候補予定者が自らの後援会活動を通じ、市議選での自身と県議選における曳田への支援訴えという、通常なら考えられるセットの活動に影を落としたことも否定できない。
曳田票の減少が、こうした個人的なことによるものだけなのか、民主党にとっては、この間の参院補選や今回の統一地方選前半の知事選、政令市市長選、県議選などで全国的な退潮傾向が指摘されるだけに、国政選挙も含めた今後の行く手を探るうえで十分な検討、分析が必要になってくるかもしれない。
一方、加藤、井口、板垣の得票数は、どうか。 七人の中で唯一無所属、組織もなく挑んだ加藤。素人集団の選対が手探り状態で臨んだが、四位当選者とも、ほぼダブルスコアの開きがあった。鉄道高架事業の是非を問うための住民投票条例制定を求めた住民監査請求活動の際に交通違反での検挙が報じられたことがボディーブローのように効いた、と見る向きもある。
加藤の特色は、その鉄道高架事業反対を前面に出して訴えたこと。その点、井口も同事業の見直しを主張し、板垣も事業反対の立場。この三人を合わせた得票数は一六、○○○票を超え、鉄道高架事業の主張に限って見れば、県議一人を出せるだけの数だった。
井口は自民党を離れ、みんなの党からの出馬を早々と表明したが、伸び悩んだ。国政で吹いた風が地方選挙では難しかったか。
また、同様に市議から転身を図った曳田とは明暗を分けることになったが、市議定数削減問題で市議会での採決当日、曳田が県議選への出馬を理由に辞職したのに対して、井口は採決にとどまり、それまでの削減反対の立場から「党の方針に沿う」ことを理由に賛成に転じ、削減に大きな役割を演じた。
直前での辞職も削減賛成派にとっては、反対派の数が減ることとなり歓迎すべきことだったが、それまでの姿勢を覆して削減賛成に回った姿が有権者には受け入れ難いものだったかもしれない。賛成に回ることで県議選での自身の票読みを有利にしようとしたのではないか、との見方もある。
板垣は、東京電力福島原子力発電所の事故を捉え、原発問題に長年取り組んできた経験を挙げながら浜岡原発の停止など沼津にとっても関わりのあることなどを訴えたが、票に結び付かなかった。
共産党は前回、市議五期を務めた川口三男を擁立して一一、三八八票を獲得するなど善戦したが、これは保守層からの票も見込める川口ならではの得票との見方もでき、今後、統一地方選後半の市議選を控え、定数が減った中、同党にとっては厳しい結果を突きつけられることになった。
(沼朝平成23年4月13日号)
2011年4月13日水曜日
2011年4月11日月曜日
沼津市県議選当選者

沼津市 県議選
現職順当、井口哲男氏は及ばず
投票率は45・33%
県議選では過去最低に
統一地方選挙前半の県議会議員選挙は十日投票が行われ、定数四を現職三人と新人四人の七人で争った沼津市選挙区では、現職の三人が順当に当選を決め、残る一つの議席は市議から転身の曳田卓氏がもぎ取った。投票率は、県議選で最低だった前回選を、さらに下回った。
県議選沼津市選挙区の開票結果(10日午後10時56分確定)
当 一八、二三八票 杉山盛雄52 自民現
当 一五、二〇〇票 蓮池章平57 公明現
当 一四、〇九九票 多家一彦63 自民現
当 一一、七一九票 曳田卓57 民主新
六、六一一票 加藤益久63 無所属新
五、九七八票 井口哲男51 みんな新
三、八二二票 板垣和子67 共産新
(沼朝平成23年4月11日号)
2011年4月1日金曜日
3.11大津波

「大津波爪痕生々しく」
被災地を空撮で比較
全壊を免れた高さ10㍍の防潮堤の陸側で粉々に砕けた岩手県宮古市田老地区の家々。宮城県南三陸町志津川も高台の小中学校といくつかの建物を残し完全に壊滅していた。
仙台市で航空写真を撮影、販売する事務所を営む芳村忠男さん(64)は35年以上、東北地方を空撮してきた。震災前に芳村さんが撮った写真と同じ角度から岩手、宮城、福島3県の被災地17カ所を撮影して比較すると、太平洋沿岸の街々が大津波で破壊され、一変した様子が見て取れた。
岩手県陸前高田市は景勝地の松林「高田松原」や街並みが跡形もなく消え、海岸線の地形すら変貌。集落の南北から津波が流れ込んだ福島県相馬市の尾浜地区では半数近い家が流されていた。
震災後、調査のため被災地上空を飛んだ芳村さんは「小さな集落を含め、美しい三陸沿岸全部がやられていた。見たものが今も理解できない」と衝撃を受けていた。
【3月28日撮影の岩手県宮古市田老地区(上・共同通信社ヘリから)と、2010年3月撮影の同地区(芳村忠男さん撮影)】
(静新平成23年4月1日朝刊)
2011年3月21日月曜日
3.11大津波

「波の壁」撮影
福島・南相馬の男性
「巨大な波の壁が迫ってきた。覚悟を決めてシャッターを切った」ー。
福島県南相馬市小高区の自然環境調査員富沢貞嗣さん(35)が20日、大津波が押し寄せる瞬間の生々しい様子を語った。
11日の地震発生直後、富沢さんは海岸から数百㍍離れた高台の自宅で津波を目撃。第1波、2波はそれほど大きくなかったが、「ドン」と音を立てて近づいてきた3波は、白い波しぶきを巻き上げながら、一気に押し寄せたという。「巨大な波を見たとき、『死ぬんだ』と感じた。自分がいなくなっても、この瞬間を残さなければと思った」と振り返る。
津波は目の前にあるすべてをのみ込んだ。「さっきまであった街並みが更地になっていた。スピード、威力は計り知れない」と語る。
(静新平成23年3月21日)
2011年3月18日金曜日
2011年3月16日水曜日
沼津市人事異動
沼津市異動
企画部長に内村氏
新設の危機管理監は井原氏
沼津市は15日、4月1日付の人事異動を内示した。異動規模は674人で、昨年より約100人少ない。部長級の退職者は9人。
企画部長には内村博隆都市計画部長、市長直轄の新設ポストである同部危機管理監には井原三千雄企画部長兼参事監を充てる。行革などを手掛ける同部特命担当参事監には、企画部門の経験が長い高橋強財務部参事監を起用した。内村部長の後任には加藤久佳計画課長、水道部長には伊沢康行水道総務課長、生活環境部長には関政美図書館長がそれぞれ登用される。
今井章市立病院事務局長は経営企画室長との兼務を解消する。監査委員事務局長には杉山一男企画部参事兼地域自治課長が就く。
【部長級】企画部長(都市計画部長)内村博隆▽企画部危機管理監(企画部長兼参事監=危機管理担当)井原三千雄▽企画部参事監=特命担当(財務部参事監=公会計担当)高橋強▽市立病院事務局長(市立病院事務局長兼経営企画室長)今井章▽生活環境部長(図書館長)関政美▽都市計画部長(都市計画部計画課長)加藤久佳▽水道部長(水道部水道総務課長)伊沢康行▽監査委員事務局長(企画部参事兼地域自治課長)杉山一男
(静新平成23年3月16日朝刊)

企画部長に内村氏
新設の危機管理監は井原氏
沼津市は15日、4月1日付の人事異動を内示した。異動規模は674人で、昨年より約100人少ない。部長級の退職者は9人。
企画部長には内村博隆都市計画部長、市長直轄の新設ポストである同部危機管理監には井原三千雄企画部長兼参事監を充てる。行革などを手掛ける同部特命担当参事監には、企画部門の経験が長い高橋強財務部参事監を起用した。内村部長の後任には加藤久佳計画課長、水道部長には伊沢康行水道総務課長、生活環境部長には関政美図書館長がそれぞれ登用される。
今井章市立病院事務局長は経営企画室長との兼務を解消する。監査委員事務局長には杉山一男企画部参事兼地域自治課長が就く。
【部長級】企画部長(都市計画部長)内村博隆▽企画部危機管理監(企画部長兼参事監=危機管理担当)井原三千雄▽企画部参事監=特命担当(財務部参事監=公会計担当)高橋強▽市立病院事務局長(市立病院事務局長兼経営企画室長)今井章▽生活環境部長(図書館長)関政美▽都市計画部長(都市計画部計画課長)加藤久佳▽水道部長(水道部水道総務課長)伊沢康行▽監査委員事務局長(企画部参事兼地域自治課長)杉山一男
(静新平成23年3月16日朝刊)


2011年2月1日火曜日
23年度沼津市一般会計

沼津市一般会計730億円
新年度予算案積極型編成
沼津市は1日、2011年度の当初予算案を発表した。一般会計は730億円で、初めて700億円を超えた10年度当初予算を2・1%上回り、過去最高を更新した。6特別会計、4企業会計を合計した当初予算額の総額は前年度比3・4%増の1374億5690万円となった。
一般会計の歳入のうち、自主財源の根幹を担う市税は前年度と同額で354億円。法人市民税は29億1300万円で、過去最低だった前年度より31・6%回復したが、個人市民税は6・6%減の116億3340万円と縮んだ。市財政課は「景気回復が個人所得に反映されるまでの時間差」とみている。
予算規模の拡大や、税収が近年減少傾向にあることもあって市税の構成比は2年連続で50%を割り込んだが、基金からの繰り入れや地方交付税で補い、子育て支援や経済対策を充実させる積極型に編成した。繰入金は前年度並みの36億6580万円で、財政調整基金の取り崩し分は8億5千万円(前年度比1億5千万円増)。自主財源比率は59・3%と1・6ポイント低下する。
歳出は民生費が最も多く、前年度比6・5%増の230億230万円に膨らんだ。生活保護扶助費、子ども手当、障害者自立支援関連経費の増加が主な要因で、歳出に占める構成比は2年連続で3割を超えた。次が土木費142億1080万円(前年度比2・5%増)、公債費(同2・8%減)の順。
主な事業は県東部コンベンションセンターの市施設を建設する駅北拠点施設整備事業14億5800万円、鉄道高架化関連事業30億4370万円、通院医療費の助成対象を中学生まで拡大するこども医療費助成事業3億9800万円、待機児童対策事業1780万円などを盛り込んだ。
(静新平成23年2月1日夕刊)
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