2020年8月21日金曜日

JR三島駅の「不二家」閉店


JR三島駅の「不二家」閉店
利用客見守り37
 メッセージ「ペコ、忘れないで」
 JR三島駅構内で37年前から営業を続けていたレストラン「不二家三島ステーション店」が20日、閉店した。来店客や駅の利用者を見守り続ける不二家のマスコットキャラクター「ペコちゃん」人形も役目を終え、店先から姿を消した。「頑張るみんなを応援しているよ」とのメッセージとともにー。

 同店がオープンしたのは198311月。不二家のフランチャイズ4号店として、オーナーの原田重利さん(72)=三島市=が新幹線と在来線の改札をつなぐ通路で営業を始めた。乗り換えの時間を利用するお客も多いため、「おいしく、早く、きれいに」をこだわって続けてきた。
 常連客も増え、幾多の困難も乗り越えてきたが「新型コロナウイルスには勝てなかった」。駅の利用客が大幅に減り、店の売り上げは一気に落ち込んだ。長男の利光さん(45)が継ぐ話もあったが、収束も見通せない状況で閉店を決めた。
 営業最終日、店先に立ち続けたペコちゃんの横にはメッセージが添えられた。「子供だったみんなも立派な大人になって、ペコの身長を追い抜いていったね」「ペコはおうちに帰ります。でも、ペコが三島駅にいたこと忘れないでほしいな」。原田さんの思いを利光さんがつづり、感謝の気持ちを伝えた。
 沼津市から県立三島北高に電車で通う村木照太朗さん(17)、萩本大翔さん(18)は最後に店を訪れ、「ペコちゃんがいる店の風景が当たり前だった。さみしい」と名残を惜しんだ。原田さんは「お客のおかげで続けられた。頑張ってきて良かった」と話した。
(三島支局・金野真仁)
【静新令和2年8月21日(金)朝刊】

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