2021年10月27日水曜日

衆議院選3候補に聴く①自民党 勝俣孝明氏

 

勝敗の行方 混とん

静岡6

 勝俣孝明45自民前③比二公

 山下洸棋30維新新比

 渡辺周59立民前⑧比

 

郡部などで攻勢図る 勝俣氏

 古い政治の打破訴え 山下氏

 支持組織固めを急ぐ 渡辺氏

 

 一騎打ちの様相となっている勝俣孝明氏と渡辺周氏の4度目の対決。勝俣氏は郡部を中心に攻勢を強め、地元で大票田の沼津市や(長泉、清水両町を「主戦場」と位置付け支持拡大に躍起になうている。小選挙区で9選を目指す渡辺氏は従来の支持組織回りを重点的にこなし、基盤固めを急ぐ。共闘する共産党との連携も加速する。山下洸棋氏は「古い政治の打破」を訴え、同世代への浸透を進める。

 勝俣氏は2017年の前回選で渡辺氏の後塵(こうじん)を拝した松崎町をはじめ伊豆地域で着実に浸透。観光、宿泊業の団体や関係者が活動する熱海市や伊東市でも広がりを見せる。自民党支持層の8割、推薦を受ける公明党支持層の6割を固めた。これまでの選挙で渡辺氏の得票を下回ってきた沼津市は接戦で、市内各地に設けた組織を中心に戦局打開を狙う。

 一方で、陣営幹部は「前回選挙は最後の3日間でひっくり返された」と渡辺氏の底力を警戒。元沼津市長の父・朗氏以来の"渡辺ブランド"にも神経をとがらせる。先週末には「もろもろの調整が付いた」(陣営関係者)として週明けの25日に公明党との合同演説会にこぎ着け、自公連携を発信した。28日には公示後初の個人演説会を沼津市で開くなど、系列県議と市議、友好団体を軸に引き締める。

 渡辺氏は労組や傘下企業、士業など約100の団体から推薦を得た。公示後は支持組織固めに比重を置いた戦いで、なりふり構わず組織回りが中心の「どぶ板」に徹する。立憲民主党支持者の7割を掌握し、公明支持者にも食い込む。共闘を果たした共産党は5割を固めた。同党は、「小選挙区は『わたなべ周』、比例は『日本共産党』」と記入例を示した投票用紙のサンプルを作って党員らに配布し、投票を呼び掛ける。国民民主党支持者の動きは流動的。

 野党系候補が勝利した参院補選を追い風にと、陣営は川勝平入知事との親密ぶりをアピールする戦いを始めた。知事の応援を示すシールをポスターに貼り、渡辺氏も「知事とは携帯電話で直接連絡できる」と無党派層への浸透を進める。共産との共闘に反発する組織や支持者もいるが陣営は綴り込み済直と話す。

 山下氏は維新支持層を固め切れず、勝俣、渡辺両氏に食い込みを許すなど伸び悩む。若い世代へも浸透していない。「見放されていると思っている人に寄り添いたい」(陣営関係者)と両氏が訪れない伊豆地域の過疎地域に足を運ぶ。

【静新令和31027日(水)朝刊】

衆議院選3候補に聴く①



自民党 勝俣孝明氏

 参院静岡選挙区の補欠選挙を終え、次は衆院総選挙。19日に公示され、31日に投開.票が行われるが、小選挙区静岡第6区には、届出順に4期目を目指す自民党の勝俣孝明氏(45)、新人で維新の会の山下洸棋氏(30)9期目に挑む立憲民主党の渡辺周氏(59)が支援を訴えてマイクを握るが、今回選へは、どのような思いで立ったのか。公示を前に、それぞれに聴いた考えを届出順に掲載する。

 2012年の初当選以来、39年間を務めた自民党前職で、18年には第四次宏倍改造内閣で環境大臣政務宮に就任した勝俣氏。8期連続当選中の渡辺氏に挑むも小選挙区では一歩及ばず、3期とも東海ブロック比例代表で復活当選している。

 前回、17年の選挙では渡辺氏に接戦で敗れ、「前回、631票差で敗れた悔しさは1日たりとも忘れたことがない。あと一歩のところで勝てなかった自身の責任を感じている。選挙区を勝ち抜いてこそ、新しい時代への扉が開かれる」と、初勝利を誓う。

 勝俣氏は花園町在住。沼津東高、学習院大学を経てスルガ銀行に入行し、在職中に慶応義塾大学大学院を修了。大学卒業時に就職氷河期に直面した経験、銀行勤務で地方経済の厳しい実情に触れたことがきっかけで政治の世界に進み、11年に自民党の公募で静岡76区の自民党支部長となった。

 1期目から経済産業委員として地域経済の復興を訴え、「若い人が就職する時、その時々の経済状況に左右される状況を解消しなければならない」とい、伊豆各地の人口減少地域に若者が回帰する環境づくりを目指す。

故郷に暮らしながら他地域に働きに出ちれるよう、交通網の整備を目指し、東駿河湾環状道路や伊豆縦貫自動車道の早期整備に向けた働き掛けに力を入れている。

 さらに、県東部と神奈川県西部の国会議員や県議、市町長らで構成する「JR・私鉄沿線市町利便性向上対策連絡会」の会長を務め、現在、三島駅に1時間2本の新幹線発着を18分に1本とし、ひかり号の本数を増やすことや、かつて小田急線の新宿駅と御殿場線の沼津駅を結んできた特急列車「あさぎり」の復活を目指し、鉄道各社に働き掛けている。

「コロナ禍におけるテレワークの浸透で、週1回の出社で在宅ワークできるようになり、沼津に帰って来て地元の消防団で活躍している友人もいる。コロナ禍で厳しい時代ではあるが、若者が働きながら故郷に回帰する機会と捉え、通うための環境整備が大事」だと話す。

 一方、1期目からライフワークとして取り組んでいるのが環境問題。2期目に自民党環境部会の部会長代理を務め、3期目に環境大臣政務官に就任、その後、環境委員会理事を務めた。

「線状降水帯による豪雨災害、気候変動など、各地で頻発する異常気象の根本には、地球温暖化が影響している。カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる)を目指し、石炭火力発電は、やめるべき」だと強調。 代替エネルギーの確保が必要だが、原発の再稼働には安全性の確保、マガソーラーや風力発電などの再生可能エネルギーの推進には悪質な事業者が入る可能性もあるため、「厳しい法規制による健全な市場づくり」を訴える。

 また、「地域の風土に適した再生可能エネルギーの導入が必要」だと訴え、間伐が進まない森林管理と合わせた木質バイオマス発電、駿河湾の海面を利用した浮体式洋上風力発電一の導入、クリーンエネルギーである水素を燃料にした燃料電池車の普及と水素ステーションの全国展開など、自然と共生するエネルギー政策を目指す。

 今年7月の豪雨では、市内でも大きな被害があり(原地区では大規模浸水被害が発生。黄瀬川では護岸が崩れ、黄瀬川大橋の一部が落ちた。自民党災害対策特別委員会や内閣の国土強靭化推進本部から二階俊博本部長(元自民党幹事長)らが黄瀬川大橋を視察し国土交通省が緊急災害対策派遣隊を派遣して仮設橋の設置までを行ったことを挙げ、「10年、20年前よりも雨の量が増えて被害も拡大している。河川の治水対策はもとより、根本的な対策として地球温暖化防止に向けた取り組みが必要」だと言。

 安倍・菅政権について、「アベノミクスにより、求人倍率の向上など雇用環境が改善され、若い人達が未来を見つめ、夢を抱ける経済社会になりたと思う。菅義偉総理が当初、明言し、実現不可能とさえ言われた1日100万人以上のワクチン接種が実現し、現場の非常に高いオペレーション能力が示された。国産のワクチン癖治療薬の開発に向けた環境整備には反省も必要」だと評価す。

 自民党総裁選では「新型コロナ時代で問われる改革のための突破力」に期待して河野太郎氏を推したが、若手を積極登用する岸田文雄内閥に自民党の改革を期待している。

【沼朝令和31027日(水)号】

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