2022年10月13日木曜日

沼津市議市有地を 自宅に隣接「認識せず」と釈明  有料駐車場で貸す

 

 沼津市議市有地を

自宅に隣接「認識せず」と釈明

 有料駐車場で貸す



 沼津市議が自宅敷地に隣接する市有地を、月極駐車場として有料で複数の利用者に貸していたことが11日、分かった。市議会は同日に議員全体会を開き、市議は「市有地と認識していなかった」と釈明した。

 市議は山下冨美子氏(69)4期=。8月下旬、山下氏が自宅に隣接する市道の黒瀬橋の下に「まきなどを置いている」という匿名の通報があり、市議会や市の調査で発覚した。駐車場代など詳細は全体会では明らかにされなかった。

 市などによると、山下氏の所有地も含めて貸している駐車場のうち、2台分が市有地だった。市有地は山下氏の所有地に挟まれる形であり、橋の拡幅時に1991年に別の所有者から市に売却されていた。市の指導で9月末までに同氏所有のまきなどは撤去され、市有地部分の有料駐車場としての使用もやめた。

 山下氏は、駐車場については実父が橋の拡幅時に所有地を市に譲渡した際、問題の市有地と換地がされた認識だったと述べた。駐車場として貸し始めた経緯は「父が契約していたので分からない」とし、今後の対応について弁護士らに相談しているとした。まきは約5年前から置いていたとし、「不覚だった。反省している」と謝罪した。市は今回の調査まで、市有地が貸し出されていた現状を把握していなかったとした。

 市議会の浅原和美議長はまきなどを置いた件について、山下氏を厳重注意した。

【静新令和4年(2022)1012(水曜日)

 市議会が議員全体会議

 黒瀬橋下市有地占有で協議

 市議会は11日、議員全体会議を開催した=写真。これは議員内での情報共有と事実関係確認のために議長が招集する任意の会議で、「沼津市議会議員政治倫理規程」に基づき、本会議や常任委員会とは異なる。

 同日は市議28人全員が出席し、黒瀬橋下の市有地占有問題について話し合い、市民ら20人程が傍聴した。

 発端は8月に匿名の市民から高橋達也議員(志政会)に届いたという文書。会議で高橋議員が「消印」と発言していることから郵送によるものと見られる。

 内容は、山下富美子議員(未来の風)が自宅敷地続きの黒瀬橋下の市有地(官地)に私物を置いているとしたもので、高橋議員は浅原和美議長に報告。市の担当部署が事実関係を確認することになった。

 会議での市の報告によると、山下議員所有の土地に隣接する黒瀬橋下部分の市有地に私物が置かれ、また、駐車車両の一部が市有地である橋梁下部分に越境していた。これについて市は直ちに行政指導を行い、山下議員は全面的に従い、肯定した。

 また、この調査により山下議員所有地に挟まれて市有地が存在していたことが判明。山下議員が相続した際、所有地を確認しないまま駐車場として使用し、うち2台分は賃貸していた。

 こうした状況について、会議では9人が山下議員と市の担当課に質問した。

 このうち、市有地が適正に管理されていなかったことについては担当課長が陳罪した。

 山下議員も、市有地を私的に使用していたことを謝罪し、法的なことについては「弁護士とも確認しながら、しっかり対応したい」とした。

【沼朝令和4年10月13日(木)号】


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