2022年4月4日月曜日

沼津.大瀬まつり3年ぶり勇み踊り

  

 豊漁願い笑顔の舞

 沼津.大瀬まつり3年ぶり勇み踊り

※大瀬まつり駿河湾の豊漁と航海の安全を祈願する沼津市の大瀬神社の祭り。華やかに装飾された漁船の上で女装した漁師らが舞う「勇み踊り」は明治時代ごろに盛んになったとされる。踊り方や掛け声は地域ごとに異なる。漁師が荒れる海を沈めようと、男神である同神社の神様に対し、女装して参拝に向かったのが由来とされる。近年は市内の漁港を中心に30隻以上が参拝に訪れている。




 駿河湾の漁民に春を告げる「大瀬まつり」が4日、沼津市の大瀬神社で開かれた。新型コロナウイルス感染拡大前の形での開催は3年ぶりで、見せ場の呼び物「勇み踊り」が復活。あいにくの雨だったが、地元住民らは心待ちにしていた風物詩を楽しんだ。

 まつりは毎年44日に開かれている。化粧で顔を白くして女装した漁師らが船上で踊る勇み踊りが目玉で、「天下の奇祭」と呼ばれてきた。しかし、感染拡大を受けて2020年、21年は神事のみを行った。

 運営に携わる大瀬海浜商業組合の高野貴好組合長(51)は「伝統があり、地元にとって大切な存在。過去2回もポスターを準傭して通常開催に向け動いていたが、状況をみて断念した」と振り返る。今回は3月にまん延防止等重点措置が全面解除されたことを受け、通常開催に踏み切った。

 午前8時過ぎ、同市西浦江梨地区では大漁旗を掲げた「踊り船」の上で、長じゅばんをまとった地域の子どもたち約10人が扇子を手に太鼓や笛の調子に合わせて踊りを披露した。その後も地元の参拝船が同神社を目指して大瀬崎に集まった。

 兄弟で舞った同地区の中学生小林晴琉さん(14)は「1年で一番大事な日。盛り上げようと頑張った」と笑顔を見せ、弟の快音さん(12)は「来年も全力で踊りたい」と意気込んだ。同神社の野村芳照宮司は「あいにくの天気だが清めの雨だと思う。コロナ収束と世界平和を祈りたい」と話した。

(東部総局・山本萌絵佳)

【静新令和444日(月)夕刊】

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