2022年11月16日水曜日

沼津西・沼津城北高再編  県教育長「ゼロベース」沼駿地区協

 


 沼津西・沼津城北高再編

 県教育長「ゼロベース」沼駿地区協









 県教委は14日、県立高の再編案を盛り込んだ第3次長期計画(201828年度)を再検討するため、新たに設置した沼駿地区地域協議会の沼津部会の初会合を沼津市の沼津商工会議所で開いた。長期計画で示されていた沼津西、沼津城北の再編について、池上重弘県教育長は「現時点ではゼロベースで考えたい」と述べ、地域との意見交換を踏まえ再検討する意向を示した。

 市教育長やPTA、地元商工会の代表者ら約20人が出席した。県教委の担当者は、少子化によりさらに生徒数の減少が見込まれるとし、参加者は同市周辺の県立高6校の教育環境整備や在り方について議論した。

 池上教育長は「個別具体的な再編を議論する場ではない。地域の現状を捉え、さまざまな角度から意見をいただきたい」と趣旨を説明した。発言を受け出席した沼津西高の柳本和子同窓会長は「同窓会としては存続したい。単なる数合わせではなく、魅力ある学校づくりを考えてほしい」と要望。沼津城北高の長田吉信同窓会長は「2校は歴史ある学校。やすやすと了承にはならない。教育委員会として新構想校の姿を提示すべき」と訴えた。

 県教委は本年度中に「県立高の在り方検討委員会」で、長期計画の見直しに関する基本方針を策定予定。沼駿地域は、長期計画で具体的に再編の方向性が示されている学校が所在する沼津地区を対象に先行して実施し、これ以外の地域は今後、地元の意見を聞きながら地域協議会の開催を検討する方針。 (東部総局・水野紗希)

【静新令和41115日(火)朝刊】

西高、城北高統合は現状考えず

 県立高校の在り方協議会沼津地区



 県教委は、第1回県立高等学校の在り方にかかる地域協議会(沼津地区)14日、米山町の沼津商工会議所会館1階コミュニティホールで開催。池上重弘教育長が「地域の皆さんの声を聴いてゼロベースで考えたい」と投げ掛け、沼津地区の教育関係者と意見交換した。

 今後5年間ゼロベースで

 まず地域の考えを聴く 同協議会は、少子化による人口減少など教育を取り巻く新たな状況変化や課題等を踏まえた県立高校の将来像について地域の実情を踏まえながら検討していこうと開かれたもの。

 県教委では2017年度、「県立高等字校第三次長期計画」を策定し、28年度までの10年間を見超した県立高校等の仕り方を示した。その中で、沼駿地区では西高と沼津城北高について、「将来いずれも学級数が4学級以下になることが見込まれるごとなどを踏まえ、両校の特性を生かしつつ、より良い教育条件の整備確立を図るため、2027年度を目途に、発展的に将来を見据えた新構想高等学校に改編する」として統廃合の考えを示していた。これについて協議会の冒頭、池上教育長は「県立高等学校第三次長期計画を策定し、場所によっては統廃合も視野に入れたが、これは県庁サイドの考え方で課題も多い。実際に地域の声をしっかりと聴く意見交換の機会を持つため、今年度に入って『県立高校の在り方検討委員会』を立ち上げた。伊豆半島の賀茂地区と、小笠地区、沼津地区三つの地域では個別の環境を踏まえた上で、地域の方達と意見を交換したいと考えて地域協議会を立ち上げた」と説明。

 「人口減少の中で地域活性化の核として高校への期待が高まっている」として、「地域の高校をどうするか、率直な意見交換の場となることを期待している。(清水町を含む)沼津地区の6つの高校の在り方について意見を聴きながら議論していきたい」と話した。

 協議会は池上教育長をはじめ県教委の3人、市教委から奥村篤教育長、市PTA連絡協議会と東高PTAの役員、西高と城北高の同窓会長と産業界からの2人で構成し、高校6校の校長と中学校長-人がオブザーバーで参加。年2回の開催を予定し、寄せられた意見を在り方検討委員会に反映させていく。

 続いて、県教委が第三次長期計画の概要を説明。人口減少が推定より実績値の方が進んでいる現状を挙げ、子ども達にとって望ましい教育環境や県立高校の将来像について意見を求めた。

 委員から「魅力を高めて私立高と生徒を奪い合うのか、学校を統合して減らすのか、どちらの意見を求めているのか」との質問があり、池上教育長は「色々な可能性を考え、私立高校の取り組みも視野に入れないといけない。統合のための会議ではなく、地域では、どう考えているかを聞きたい」と答えた。

 委員が順に意見を述べ、「高校は地域にとっても重要な存在」「部活動で進学先を選ぶ生徒もいる,多くの学校があって選択肢が多いほどいい」「制服のデザインや通学に便利な立地条件で高校を選ぶ生徒もいる。公立校も名前や制服を変えてイメージを高めるべき」「子どもの目線を重要視して生徒から幅広い意見を求めた方がいい」などがあった。

 西高の杜蔭同窓会の柳本和子会長は「西高と城北高の同窓会長が委員に呼ばれたので、統合の話だと思ったが安心した。同窓会としては西高の存続を訴えたい。数合わせの統合再編ではなく、将来を見据えて魅力ある学校づくりをしてほしい」と要望。

 城北高同窓会の長田吉信会長は「西高同窓会と同様、ここに来るまで身構えていたが、そういうことではないと受け止めた。なぜ、西高と城北高の同窓会だけ呼んだのか疑問に感じる。統合の話が出てから5年間、諸先輩方から心配の声や叱責を受けて辛い日々を過ごしてきた。両校とも120年の歴史があり、やすやすとは統合できないと思っている」との考えを示した。

 池上教育長は「どうして両校の同窓会を招いたかと言えば、今後5年間、ゼロベースで考え、まずは地域の皆さんに聴くところから始めること、統合を進める考えは、現時点でないことを明言するため」だと答えた。

 この後、地域の実態に対応した教育内容について学校から聴き取った結果などを紹介し、オブザーバーにも意見を求めた。

 今後、県教委で在り方検討委員会を開いて年度内の基本方針策定に向けて話し合い、来年2月以降に2回目の地域協議会を予定している。

【沼朝2022(令和4)1116(水曜日)


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