2023年6月27日火曜日

地元住民の交流拠点「町のハブ」へ 沼津に初まちの駅 【静新令和5年6月27日(火)朝刊】

 



地元住民の交流拠点「町のハブ」へ

沼津に初まちの駅

 再開発エリア オール県産品販売

 沼津市に地元住民の交流拠点となる市内で初のまちの駅が誕生した。場所は、再開発計画が具体化するなどにぎわい創出へ動き出しているJR沼津駅南口の商店街の一角。関係者は「町のハブとなるような場所になってくれれば」と思いを語る。

 まちの駅となったのは、県内産の加工食品や果物を使ったスムージーを販売する店「POPLY(ポップリー)」。再開発が始動したアーケード名店街近くにオープンした。外観は沼津の町をイメージした装飾を施した。

 自動車やカーステッカーを販売するアキュームカンパニー(三島市)が手がける。矢崎実社長(55)が「生まれ育った町を盛り上げたい」と廃虚になっていた商店街近くのビルを20218月に購入。リノベーションを経て、1階に店を構えた。外装にはカーステッカー制作の技術を活用し、沼津港の大型展望水門施設「びゅうお」など沼津の名所をかたどった。

 取り扱う商品はオール県内産。店内には飲料や調味料のほか、長泉町の特産品「長泉あしたかつ」など地域の特産品が並ぶ。スムージーは地元の農家から品質に問題ないものの、大きさや形が規定外のために出荷できなかった野菜や果物、商店街の豆腐屋の豆乳、三島市や伊豆の国市などの果物を使用した。矢崎社長は「低価格で仕入れることができるし、フードロスにも'つながる。地元の店の売り上げ貢献にもなるはず」と話す。

 5月中旬のオープン初日には、地元住民に交じって高校生も訪れた。SNSを見て下校後に駆け付けたという沼津西高3年の庄司明日香さん(17)は「気になっていたお店。雰囲気がかわいいし、スムージーもおいしいからまた来たい」と話した。

 店長の城所愛里さん(28)は「オープンできてほっとしている。商店街や地域のみなさんと一緒に町のにぎわいを取り戻したい」と意気込む。

 今後、ビルの2階部分は科理教室や会議室に、屋上はバーベキューなどのスペースとして貸し出す予疋。ビル全体を地域の交流拠点どなるのを目指す。

(東部総局・天羽桜子)

※まちの駅全国まちの訳連絡協議会(東京都)に登録する、地域住民や観光客が求める地域情報を提供する場で、人と人との交流促進が目的。休憩、案内、交流、連携の5機能を持ち、県内には冨士、富士宮、焼津市などに約100カ所のまちの駅がある。

【静新令和5627日(火)朝刊】


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