2014年2月2日日曜日

沼津の転出超過が全国で6位

沼津の転出超過が全国で6位
 総務省による25年の人口移動報告
 総務省は先月三十日、住民基本台帳人口移動報告の平成二十五年の結果を発表したが、転出超過数で沼津市は、全国の市町村のうち六番目に多かった。
 この報告は、市町村(東京都の特別区を含む。この場合、特別区部を一市として扱う)の住民基本台帳により人口の移動状況を明らかにすることを目的としたもので、移動者数は、市区町村の境界を越えて住所を移し、住民基本台帳法の規定に基づいて転入の届出をした人の数(日本国籍を有しない人は含まない)。
 それによると、同年における日本人の市区町村間の移動者数は五〇一万五、五七一人で十年連続の減少。このうち、都道府県間の移動者数は二三〇万一、八九五人で二年連続して減り、都道府県内の移動者数は二七一万三、六七六人で、平成十五年以来、十年ぶりの増加。
 都道府県別で転出が最も多かったのは北海道の八、一五四人。静岡県は、これに次いで多く、六、八九二人。以下、青森県六、〇五六人、長崎県五、八九二人、兵庫県五、二一四人、福島県五、二〇○人、茨城県五、一三八人、新潟県五、一三二人など。
 さらに、これを市町村別に見ると、全国一、七一九市町村のうち、転入超過は、東京都の特別区部、札幌市、大阪市など四〇九市町村(二三・八%)。転出超過は、横須賀市(神奈川県)、日立市(茨城県)、呉市(広島県)など一、三一〇市町村(七六・二%)。
 このうち転出超過の上位市町村は、多い順に横須賀市、日立市、呉市、豊田市(愛知県)、長崎市で、続いて沼津市。沼津市の転出超過数は一、二三九人。
 沼津市は前年も一、四三九人の転出超過があり全国で七番目。同年は焼津市が超過数九五四人で全国十六番だったが、二十五年に上位二十市町村に入ったのは、県内では沼津市だけ。
 同様に全国では十市が前年に続いて二十番以内に入っている。
 一方、沼津市を除いた県内市町を見ると、転出超過では、焼津市八五八人、静岡市七七五人、富士市六一〇人、牧之原市五一五人、御殿場市五〇七人、浜松市四一一人、吉田町四〇七人、裾野市三七七人、磐田市三四五人、御前崎市三一七人、島田市二九八人、小山町二九六人、伊豆市二九四人、掛川市一六〇人、森町一二八人、下田市一二五人、三島市一二〇人など。
 このほか近隣では、清水町が九一人、函南町四○人。
 これに対して、転入超過は、藤枝市の八二八人をトップに、富士宮市一七〇人、菊川市一二〇人、熱海市一一六人、湖西市一一一人、伊豆の国市六六人、長泉町六三人で、県内三十五市町のうち七市町だった。
 沼津市の三倍半から四倍近くの人口のある静岡市や浜松市で転出超過数が沼津市の六割から三割と大幅に少なく、沼津市より人口が多い富士市も、一転出超過数は沼津の半分。また、人口で沼津市の半分近くの三島市の転出超過数は沼津市の約十分の一。
 人口に対する転出率(人口は概数で計算)で、静岡市と三島市は○・一一%、浜松市は○・〇五%、富士市は、やや高くて○・二四%であるのに対して、沼津市は○・六二%。過疎傾向のある地域や旧郡部の町が近隣市町と合併して誕生した市などを別として、県内五大都市、それに準ずる市の中で、沼津市の転出率の高さが際立つ。
 これについて、考えられる理由の一つに津波への不安が挙げられるが、はたして、それだけにとどまるのか。そうではないとしたら、どんな理由があるのか。
 人口は都市の活力、税収にもかかわる大きな問題。何年間にもわたる大型事業を構想しながら、それに見合う実入りがなくなり、本来なすべき行政執行ができなくなるようなことはないか。
 自然増(出生と死亡の差)が考えられない時代にあって、社会減(転出と転入の差)に拍車がかかるようなことになると、都市の活力の上でも、財政の上でも、ますます厳しい状況を招きかねない。
 何にも先立ち、しっかりした分析と対応が必要になっているのではないだろうか。
《沼朝平成26年2月2日(日)号》

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