2019年9月10日火曜日

村上益男の写真展 無為の美 2019/8/31(土)一9/22(日)モンミュゼ召津 沼津市庄司美術館



村上益男の写真展 無為の美
2019/8/31(土)一9/22(日)月曜休館9/16開館,9/17は休館 鉄板のさびや塗装のはげ、壁のひび割れなど、気付かずに通り過ぎてしまうようなありふれた光景の中に潜む「美」。
「用」を目的としてつくられたものが、人に使われ、雨風に打たれる時間の経過の中で、誰が予想したものでも、誰の作為によるものでもなく、本来の「用」とはまったく異なる「無為の美」がひっそりと生まれています。
私は、趣味として写真撮影を続けてきた中で、この「無為の美」を写真で表現することに大きな喜びを感じるようになりました。それは、自らが見つけ出し、感じ取った「美」を表現した、自分の作品であると思えるからです。
今回の写真展をご高覧いただき、それぞれの被写体の持つ「無為の美」を感じ取っていただければ幸いです。
村上益男
【略歴】
1951年 三島市生まれ
1970年頃 趣味の山登りの傍ら、風景を中心に写真撮影を始める。
2010212年・20162018年 三島市美術展写真部門審査員
【個展】
2407 珈瑳館(三島市)
2016年 御殿場写真ギャラリー(御殿場市}
2019 アイデムフォトギャラリー「シリウス」(東京・新宿)
【所属】
写真研究会 写遊人 サンズフォトクラブ
モンミュゼ召津 沼津市庄司美術館
410-0863 静岡県沼津市本字下一丁田900-1

モンミュゼで2人の写真展
 写遊人メンバーの村上益男さんと佐藤泰司さん
 下一丁田のモンミュゼ沼津(市庄司美術館)は、いずれも写真研究会・写遊人メンバーの村上益男さん(三島市)の写真展「無為の美」を1階で、佐藤泰司さん(常磐町)の写真展を2階で22日まで開いている。
 村上さんは中学生の時に父親からカメラをもらって撮影を始め、1970年頃から趣味の山登りがきっかけで風景を中心に撮影するようになり、女性のポートレートなどにも挑戦した。
 撮影を続ける中で「撮るよりも撮らされていることが多い。自分の作品づくりになっていない」と感じ、15年程前から、人があまり目を向けないようなものに「無為の美」を見出すようになり、沼津港のスクラップ置き場を中心に、沼津や三島で鉄のさび、壁のシミ、路地裏の一画などを撮影するように。
 同展では、切り裂かれた名画が描かれたクッキーの缶、赤いドレスのように見える防潮堤に干された漁網、スクラップ置き場で光を反射して輝く鉄塊などを写した56点を展示している。
 村上さんは「自分の感性として形象的、抽象的な写真を撮るようになり、古くなったものに魅力を感じるようになった。15年間、幅広く撮影を続けてきたが、今回で一区切りとし、今後はテーマを絞って撮影していくことも考えている」という。
 一方、佐藤さんは沼商から慶應義塾を卒業後、静岡銀行に勤務。定年退職後の趣味として写真撮影を始めて20年以上がたち、毎日のように千本浜防潮堤や狩野川、観音川などで鳥や魚、ネコなどの動物を中心に撮影している。
 今回は、観音川で繁殖のためにコイが水面を波立たせている状況を捉えた写真を中心に展示している。
 観音川には、かつて60匹以上のコイが生息していたが、数年前にほとんどいなくなり、現在残っているのは白い1匹だけ。カワセミの姿も見られなくなったといい、今回は「コイが元気だった頃の記録を残したい」と、当時の写真を選んだ。
 コイが大量に死ぬ直前に撮られた川面の写真には、苦悶の表情を浮かべる人の顔のように見えるものもあり、コイの繁殖のための行動で波紋を広げながら揺れる川面を捉えた写真を中心に展示した。
 初日の831日に行われたオープニングセレモニーでは、写遊人を主宰する写真家の池谷俊一さん(御殿場)2人を紹介し、「沼津で村上さんのような抽象写真に取り組む人は少なく、市内で集めても、これだけの作品は揃わない。写実具象の佐藤さんの作品は東京のプロ写頁家の評価も高く、2人の写真が同時に見られるのは沼津にとってエポックメーキング」だと話した。
 観覧料200(市内の小中学生は無料)917日は休館。
 開場時間は午前10時から午後5時。
 聞い合わせは同美術館(電話9528711)。

【沼朝令和1910日(火)号】

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