2009年6月29日月曜日

静岡県知事選情報6月29日

知事選情勢:静新本社世論調査
 ■坂本候補
 坂本氏は自民支持層の5割、公明支持層の5割近くに浸透し、民主支持層の一部からも支持を得ている。「支持政党なし」の無党派層の支持は2割ほど。
 「一党一派に偏らない県民党」を掲げた戦略で女性団体、医療福祉分野など幅広い市民団体の支持を集める。職業別では農林漁業、商工サービス業の支持が厚い。自民党組織に支えられた選挙戦となっている。
 出身の三島市など県東部、伊豆地区で手堅い戦いぶりを見せ、3割近い票を固めた。中部地区でも大票田の静岡市で支持を広げている。
 沼津市ではJA南駿、漁協、商工会議所など約400団体が推薦。「東部の候補」を前面に出し、母校の沼津東高OBも動く。富士市では自民県連会長の斉藤斗志二衆院議員の選対組織が、危機感を持ちながら後援会、企業団体への浸透を図っている。浜松市では「組織力では他候補を上回っている。末端の動きが課題」(自民党浜松支部)。ただ、郵政選挙で保守層が分裂した衆院7区で「坂本氏支援でまとまっている」(陣営)ことがプラス材料になっている。
 自民県連の小楠和男幹事長は「鍵を握る浮動層への取り組みが不足している」と課題を指摘。公明党の阿部時久県本部代表代行は「ラストスパートを図っていく」と強調した。
 ■川勝候補
 民主党色を前面に打ち出す川勝氏は、民主支持層の6割を固めた。社民党の支持も厚く、自民支持層にも食い込む。地元大学の学長だった親近感もあり、浜松市の都市部で強い。支持層に性別や年齢の際だった偏りはなく、無党派層の票も取り込んでいる。西部地区はおおむね先行し、東部、中部地区では坂本氏を激しく追い上げる展開となっている。
 60代、70歳以上で坂本氏が3割を超す支持を固めているのに対し、川勝氏は30代、40代、50代で3割前後の支持を集め、他候補をリードする。
 中東遠地区では総選挙をにらみながら、民主党県連会長の榛葉賀津也参院議員の事務所や連合が動いている。志太榛原地区では連合のローラー作戦が活発で、非自民の浮動票を狙う。東部、伊豆地区では坂本氏に比べて知名度不足が否めない。
終盤に向け、ほぼ全県で、民主系の県議、市議、労組がフル稼働。民主支持層に限らず、非自民の浮動票もつかむ戦略で「無名だった川勝氏の知名度は一気に上がってきている」(陣営)。
 民主県連の岡本護幹事長は「やっといま、(坂本氏に)追い付いたという印象。候補者一本化のごたごたが収まり『民主は川勝』が定着した。政権交代への期待感の風を、川勝票に結びつける」と話した。
 ■海野候補
 海野氏は、無党派層で2割弱の支持を得たほか、自民、民主両党支持層のそれぞれ1割前後に食い込む。職業別で学生の支持が高く、年代別では、20代の支持を4候補の中で最も集めた。「純粋無所属」を掲げ、知事選を政党間の争いと切り離す選挙戦略は一定程度奏功し、既成政党に対する不満の受け皿にもなっている。
 地域別では県中部で支持を広げているが、浜松市では川勝、坂本両氏に大きく先行されている。東部地区では参院議員当時の支援者らが動くが、自民と民主の戦いが激しさを増す中で埋没しがち。
 静岡市では、地元出身で市長選への出馬経験などの知名度を背景に「街頭演説の反応はよい」(陣営)。告示後は街頭演説が中心だが、戸塚進也前掛川市長ら個人支援者を介し、企業回りなどで支持拡大を図る。志太榛原地区では「茶業に熱心」との評判があり、集票に結びついている。
 ■平野候補
 反自民票が川勝、海野両氏に流れ、20代、30代の支持拡大が課題。有権者に共産党の独自色が感じられる明確な政策や争点を提示するため、引き続き選挙運動の活発化を
図る。
 街頭演説や小集会中心の選挙活動。知事選を「衆院選の前哨戦」と明確に位置づけた戦略で臨み、遊説や街宣活動も都市部を中心に行っている。静岡市、浜松市で徐々に票の掘り起こしが進んでいる。陣営は「知事選を衆院選につなげ、県民に党の存在感と政策をアピールして党勢拡大を図る」としている。
(静新平成21年6月29日(月)朝刊)


静岡知事選、川勝氏と坂本氏が横一線…読売新聞情勢調査 

読売新聞社は7月5日投開票の静岡県知事選について、世論調査と取材を基に情勢を分析した。前大学学長の川勝平太氏と前参院議員の坂本由紀子氏が横一線で激しく競り合っている。

 元参院議員の海野徹氏は伸び悩んでいる。有権者の約3割は態度を決めておらず、情勢は流動的な面もある。

 同知事選は国政で与党の自民、公明両党が坂本氏、野党の民主、社民、国民新3党が川勝氏を推薦する与野党対決の構図となっており、次期衆院選の前哨戦として注目されている。

 川勝氏は民主支持層の5割強を固めた。支持政党のない無党派層の約2割に浸透している。男女別で男性からの支持が3割強と厚いのが特徴だ。麻生内閣を支持しないという人に限ってみると、川勝氏への支持は3割強で最も多かった。

 自民党参院議員だった坂本氏は自民支持層の7割弱をまとめ、公明支持層の支持も8割程度と堅い。無党派層の支持は2割弱だ。70歳以上の支持が4割近くに達している。麻生内閣支持層の5割強を固めている。

 2004年まで民主党参院議員だった海野氏は民主支持層からの支持が2割弱、無党派層では1割強。

 調査は6月26~28日、静岡県の有権者を対象に、無作為に作成した番号に電話をかける方法で行った。有権者在住判明の1660世帯のうち1042人から回答を得た(回答率63%)。

(2009年6月28日22時07分 読売新聞)

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