2009年6月8日月曜日

静岡県知事選情報6月8日

自・民の思惑:下
 民主「衆院選の前哨戦」
 政権交代の風に活路
 JR静岡駅近くのオフィスビル駐車場で7日、知事選出馬を5日に表明したばかりの前静岡文化芸術大学長川勝平太氏(60)の陣営による事務所開きが行われた。
 出席した民主党県連、県議会の民主系会派平成21と民主党・無所属クラブ、連合静岡の関係者を前に、選対本部長に就任した同党の藤本祐司参院議員(静岡選挙区)は「今回の知事選は絶対に負けられない。来るべき総選挙に向け、民主党飛躍の第一歩に位置付けたい」と強調した。
 川勝氏擁立に際し、民主県連などのほか、自民党の坂本由紀子参院議員(60)=静岡選挙区=に距離を置く自民県議数人も参加して「夢あるしずおか創造会議」を5月中旬に発足。川勝氏に「超党派」で出馬を要請した。
 しかし、川勝氏が直後の記者会見で出馬を否定。会議に参加した県議を自民県連が処分したことなどから、自民党県議は事実上創造会議を離脱。擁立作業は民主側の手で進められた。
 「あくまでも川勝さんを応援する仲間は超党派」。川勝氏の出馬会見で、民主県連の榛葉賀津也会長はこう語った。知事選告示まで2週間を切り、陣営内には「衆院選の前哨戦として民主対自民の構図を前面に出し、政権交代に向けた流れの波に乗るしか勝ち目はない」(平成21県議)との意見が根強い。
 川勝氏の陣営が民・自対決の構図に持ち込みたいもう一つの理由に、民主党を離党した元参院議員海野徹氏(60)の存在がある。
 民主県連などは4月ごろから、自民県連との相乗りを模索して民間人の擁立に動いた。しかし、自民内に「坂本氏擁立」の動きが勢いを増していたこともあり、5月初旬に頓挫。民主県連はその後、榛葉会長擁立の方針を固めたが、党本部が政権交代を目前にしての国会議員のくら替えに難色を示したため断念。候補者擁立は混迷を極めた。
 一方、海野氏は石川嘉延知事が辞職表明する前の2月に出馬を表明。自民や民主の候補者決定の遅れをよそに、地道にあいさつ回りや集会、資金パーティーなどをこなし、着実に支持拡大を図ってきた。一部の民主党支持者が民主県連に、海野氏支持を求めて要請文を出す動きもあった。
 川勝氏陣営の選対幹部は「民主と自民の対決の構図が強まれば、海野氏は(選挙戦の焦点から)はじき出される」と指摘する。自民県連幹部も「民主側が自民対民主の争いにして、海野氏の存在を埋没させたいという戦略なのは分かっている」と警戒感を強める。
 超党派での擁立を模索した県西部の有力企業経営者は自民、民主の候補者選びについて、「だらしない政治家が、380万人県民の知事という大事な候補者選びを無責任に先延ばししているうちに、中央政党のエゴが地方に持ち込まれてしまった」と厳しく批判し、距離を置く。
 民主党の小沢一郎代表代行は5日、熊本県内で川勝氏と海野氏の一本化に努力する考えを示した。7日には、小沢氏と海野氏が東京都内で会談したとの情報も流れたが、海野氏は「会っていない」と否定。出馬する考えに変わりのないことを強調した。
(静新平成21年6月8日「自・民の思惑」)

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