2009年5月8日金曜日

09知事選


「知事選」

自民県連が国会議員会合:候補2氏に絞り込み
 石川嘉延知事の辞職表明に伴う次期知事選に向け、自民党県連は四日、県選出国会議員会合を静岡市内のホテルで開いた。県連執行部が、候補者擁立作業で民間人の絞り込みを進めている経緯を説明。一方、県東部地区十九市町の市町長が同党参院議員の坂本由紀子氏(静岡選挙区)に出馬を要請したことについて柳沢伯夫県連会長(衆院3区)は「有力者の意見として受け止めている」と述べ、同党の知事選候補者は事実上、二氏に絞り込まれた。
 県連は六日に選対小委員会を開催する。今月中旬に開く選対拡大会議や総務会を経て、候補者を最終決定したい考えだ。
 会合には、柳沢会長ら県選出の衆参国会議員五氏のほか県連三役、議員秘書らが出席した。執行部は「政党人でない、経済に識見の高い」(柳沢会長)民間人(六二)の擁立作業が最終段階を迎えていると説明した。これに対して出席した議員からは「坂本氏に早期に決めるべきではないかとの声が党支持団体からも出ている」との声も上がった。
 これまでの静岡新聞社の取材では、この民間人は伊東市生まれ。政府系金融機関の幹部を務め現在、この機関の系列にあるシンクタンクの理事長を務めている。民間人には、自民党に先立ち民主党の県選出国会議員も接触している。
 会合後、記者団の取材に応じた柳沢会長は「(出馬を要請している民間人は)各政党の意向を含め全体の動きを見てくれていると思う。(出馬に)前向きになることを期待している」と強調。一方で、県東部の首長の意向もあり「どう調整するかが問題だ」と述べた。
(静新平成21年5月5日(火)朝刊)

自民党県連選対小委
相乗り土壇場の頓挫
 メモ「民主紛糾」で一変

 「政権交代の危機を乗り切ろうというとき、なぜ相乗りなのか。県連結成以来の恥をかくところだった」「相乗りはとにかく駄目という為(ため)の議論ばかり。これから選挙を戦う道筋の議論が置き去りだ」
 自民党県連の知事選候補の絞り込みは六日に静岡市で開いた選対小委員会で、民主党との相乗り模索で執行部が推した民間人擁立が不調に終わった。一夜現けた七日も、民間人の支持、不支持にかかわらず、県議の間で擁立作業の経緯に不満がくすぶった。柳沢伯夫会長は、坂本由紀子参院議員(静岡選挙区)擁立について「極論すると選択肢は一つ」と説明したが、選対小委は坂本氏支持で「一枚岩」を確認できずに終えた。

 昼食を挟んでなお、出口の見えない選対小委。議論のさなか、柳沢会長の隣に座っていた中谷多加二幹事長の携帯電話が鳴った。席を外した中谷幹事長。間もなく戻り、柳沢会長に一枚のメモを差し入れた。
 「民主は紛糾相乗りは難しい状況」
 異論が出ても持久戦で乗り切る腹づもりだった柳沢会長だが、相乗り相手の"ぐらつき"は想定外。少しの沈黙を置いて切り出した。
 「この議論はサスペンド(延期)させてほしい。お願いする」 民主党との相乗りは、この一言で事実上頓挫した。
 一方、県議会の民主系会派が六日、党と連合静岡を交えて開いた四者会議は「(自民も推す)民間人で落とし込みましょうと開いた会議」(平成21幹部)。相乗りの可否を判断する場ではなかった。
 平成21の岩瀬護会長は七日、自民側に伝わったとされる「民主は紛糾」の連絡に、「事実とは違う」と強調。別の幹部も「(自民執行部が)坂本氏を推す勢力に押し切られたということだろう」と推し量った。
 石川嘉延知事の辞職表明を挟んで約二カ月、自民県連執行部が模索してきた相乗り候補の擁立は「九分九厘OK」(自民県連幹部)と目された土壇場でご破算に。自民と民主は責任を押し付け合い、真相はやぶの中だ。

 自民県連がぎりぎりまで、民主との相乗りを模索した背景には「直後に控える衆院選の前に、知事選で民主党とのガチンコ勝負をしたくない」(国会議員)との思惑があった。ただ、民主党側にも「先に触手を伸ばした候補に、自民が乗ってくれるなら(民主)党本部も何も言ってこない」とそろばんをはじく国会議員がいた。
 平成21は七日の議員総会で、候補者選定作業から自民と重なった民間人を断念し、擁立候補を民間人二人に絞る考えを執行部が報告した。同日夕には民主党県連事務所で四者会議を開催。榛葉賀津也県連会長、藤本祐司会長代行の国会議員二人も加わり、遅くまで候補者選びに向けた詰めの協議を続けた。
(静新平成21年5月7日夕刊)

「民主との相乗り擁立不調」
 自民県連 候補、坂本氏で調整へ
 自民党県連は六日、次期知事選に向けた選対小委員会を静岡市内のホテルで開いた。柳沢伯夫会長ら執行部が、二人に絞り込んだ擁立候補のうち、伊東市出身の民間シンクタンク理事長(六二)に擁立作業を一本化し、民主党側との相乗り候補としたい考えを提示したが、協議は紛糾。同党の知事選候補は、坂本由紀子参院議員(静岡選挙区)に絞り込まれる見通しとなった。
 柳沢会長は坂本氏擁立について「決まりということではない。(総選挙を控えた)同僚の衆院議員に確認をしたい」とした一方、「問題点、ハードルはない」とも述べた。十八日の県連大会までに選対委員会、総務会を開催し、知事選候補を最終決定する。
 坂本氏は六日、島田市内で市民団体から知事選への出馬要請を受けた後、取材に対し「大変ありがたい。名誉なこと」と述べたが、出馬の明言は避けた。
 選対小委には柳沢会長、副会長の坂本氏と原田令嗣衆院議員、県連常任顧問ら県議十九人が出席。会議後、会見した柳沢会長によると、民間人の擁立が不調となった要因は、知名度不足と坂本氏を推薦する地域の動きの二点という。民主との相乗りを目指す執行部の姿勢にも異論が出た。坂本氏は席上、「県民に分かりやすい形で知事候補
を選んでほしい」と発言し、途中退席した。
 民間人の擁立交渉を行ってきた中谷多加二幹事長は、会議後「(自民県議団は)四十人もいて、いろいろな考え方がある。(どちらの候補なら)勝てるかどうかの認識は一致しなかった」と強調した。

 相乗りとん挫で候補決定見送り
 民主県連など4者会議民主党県連と県議会の平成21、民主党・無所属クラブの両会派、連合静岡は六日、静岡市内で知事選への候補者擁立に向けた四者会議を開いた。自民党県連が出馬要請していた民間人(六二)について、民主側が自民に先んじて接触してきた経緯を踏まえ、"相乗り"での擁立を協議した。しかし、別会場で並行して開かれていた自民党県連の選対小委が紛糾したとの情報が入り、この民間人擁立が困難になったと判断、候補者決定を見送って閉会した。
 出席者の一人は「自民側に坂本由紀子参院議員擁立の声が強かったということ。(この民間人擁立の)可能性はもうないだろう」と述べた。
(静新平成21年5月8日朝刊)

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