2013年2月10日日曜日

「中心市街地活性化」求められる市民参画

13年度予算案 沼津市 下
「中心市街地活性化」求められる市民参画


 「『中心市街地の活性化』という言葉をよく聞くが、何をもって活性化とするのか。イメージが漠然としている」。今月2日、沼津市内で開かれた地域の課題や将来像を語り合う勉強会で、参加者の男性の一人が素朴な疑問を投げ掛けた。
 商店街の衰退、人口減少など沼津が抱える課題は多い。その打開策を探る時、必ず出てくる言葉が「中心市街地の活性化」だ。市はまちのにぎわいを創出しようとさまざまな催しを試みてきたが、一過性の効果にとどまる企画が多かった。
 新年度の予算案にも「中心市街地の活性化」を図る事業がいくつかある。まちあるき拠点創造事業(1500万円)は、大手町の中央公園でイベントを開く民間団体を支援する。必要な資機材も市が用意して、積極的な利用を呼び掛ける。栗原裕康市長は「『あ
そこに行けば常に何かやっている』と、市民が期待するような場所にしたい」と説明する。狩野川沿いでも市民が主体となってカフェや物産市などを開く「狩野川マルシェ」(仮称)を計画している。
 市産業振興部の間宮一寿部長は「これまでのように行政や商工関係者だけがにぎわいづくりに関わるのではなく、多くの人が参加できる仕組みを作り、真の活性化につなげたい」と意気込む。
 市は、展示イベント施設「キラメッセぬまづ」の利用促進事業(1億1700万円)にも市民参画を掲げる。来夏の総合コンベンション施設「プラサヴェルデ」開業をにらみ、イベントに必要な誘導や受付などに当たる市民ボランティアを育てる。飲食店や宿泊施設などと情報連絡会もつくり、地域全体でもてなす体制を構築する。
 市の担当者は、競合する全国のコンベンション施設と対抗するために、「受け入れ準備を整え、歓迎ムードを盛り上げることが大切。市民の力は不可欠だ」と力を込める。ただ、巨額の投資で建設した施設を"ハコモノ"と批判されないためにも、市はコンベンションが経済効果を生み出す施策を具体的に示し、実践していくことが求められる。
 (東部総局・豊竹喬が担当しました)
《静新平成25年2月10日(日)「検証」》

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